人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでドニゼッティ「愛の妙薬」を観る~南アフリカ出身のソプラノ歌手プレティ・イエンデは同郷のゴルダ・シュルツに次ぐ逸材か!

2018年03月09日 07時47分44秒 | 日記

9日(金)。わが家に来てから今日で1255日目を迎え、大相撲の横綱稀勢の里が11日初日の春場所を休場することになった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      純国産の横綱が6連続休場になるのは残念だ 日本相撲協会は相変わらず窮状だ

 

        

 

昨日、夕食に「豚の生姜焼き」「生野菜とツナのサラダ」「海老入り水餃子」を作りました 「生姜焼き」はキャベツを添えるのがオーソドックスだと思いますが、私の見たレシピはレタスです

 

     

 

        

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ドニゼッティ「愛の妙薬」を観ました これは今年2月10日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演された公演のライブ録画映像です 出演はネモリーノ=マシュー・ポレンザ―二(テノール)、アディ―ナ=プレティ・イェンデ(ソプラノ)、ドゥルカマーラ=イルデブランド・ダルカンジェロ(バス)、ベルコーレ=ダヴィデ・ルチアーノ(バリトン)ほか。管弦楽・合唱=メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団、指揮=ドミンゴ・インドヤーン、演出=バートレット・シャーです

 

     

 

素朴な農夫ネモリーノは農場主の娘アディ―ナに夢中になっている 軍曹のベルコーレが彼女を口説くので、ネモリーノも勇気を奮って告白するが 相手にされない   そこへインチキ薬売りのドゥルカマーラが登場し、愛の妙薬と称して安物ワインを彼に売りつける 酔っぱらったネモリーノは急に強気になるが、怒ったアディ―ナはベルコーレと結婚すると言い出す ネモリーノはさらに妙薬を買うお金を得るために軍隊に入隊する。それに心を打たれたアディ―ナはネモリーノに愛を告白し、二人はめでたく結ばれる

この物語は、最初にアディ―ナが「トリスタンとイゾルデ」の本を農家の娘たちに読み聞かせるシーンから始まりますが、このオペラのタイトル「愛の妙薬」からすると象徴的です 言うまでもなく、ワーグナーが曲を付けた「トリスタンとイゾルデ」は、自殺しようと思って飲んだ毒薬がイゾルデの侍女ブランゲーネが差し替えた媚薬だったことから、二人は死ぬどころか熱烈に愛し合うようになるという物語です 「愛の妙薬」の台本作家ロマ―二はこの物語からヒントを得たのかも知れません。もっとも、「愛の妙薬」でペテン師ドゥルカマーラがネモリーノに売りつけたのは媚薬ではなく 安物ワインだったわけですが

ネモリーノを歌ったマシュー・ポレンザ―二はMETを代表するスター・テノールで、数多くの作品で歌っています 第2幕終盤で歌われる「人知れぬ涙」はオペラ史上屈指の名アリアですが、ポレンザ―二は甘くも力強いテノールでアディ―ナへの想いを切々と歌い上げました。しばらく拍手が鳴りやみませんでした

アディ―ナを歌ったプレティ・イェンデは南アフリカ生まれのリリック・コロラトゥーラ・ソプラノの新星です 今回がMETデビューとのことですが、同じ南アフリカ出身のソプラノでMETライブ「魔笛」のパミーナ、新国立オペラ「ばらの騎士」のゾフィーを歌ったゴルダ・シュルツに次ぐ逸材だと思います まさにベルカントの歌唱力が抜群で、演技力も十分です 幕間のインタビューで「同じベルカント・オペラの3人の作曲家、ロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティを比べて、ドニゼッティの特徴は何だと思いますか?」というスザンナ・フィリップスの質問に、「高すぎる音もなく、低すぎる音もなく、自然に歌えることろです ドニゼッティは歌手に無理強いしません」と答えていました また「オペラ歌手になったキッカケは?」と聞かれ、「英国航空のCMとして流れていた『ラクメ』の二重唱を聴いて感動したのがキッカケです」と答えていました。これはドリーブ作曲「ラクメ」の「花の二重唱」のことです 航空会社のコマーシャルがオペラ歌手を生んだとは意外でした 経歴が飛んでますね

ペテン師ドゥルカマーラを歌ったイルデブランド・ダルカンジェロはイタリア生まれのバスで、現在ウィーン国立歌劇場宮廷歌手ですが、いかにもやり手のペテン師といった面構えと、ロッシーニばりの早口言葉アリアも難なくこなす抜群の歌唱力で聴衆を虜にしました

軍曹のベルコーレを歌ったダヴィデ・ルチアーノはイタリア出身のバリトンの新星で、いかにも女性なら誰でも声をかけるという典型的なイタリア男を見事に演じ、明るいバリトンで聴衆を魅了しました

演出のバートレット・シャーはミュージカル「南太平洋」のリバイバル演出でトニー賞を受賞したほか、METでも「セヴィリアの理髪師」「ホフマン物語」「オリ―伯爵」「ロメオとジュリエット」などの名演出で話題を巻き起こしましたが、この「愛の妙薬」でも喜劇に相応しいウィットに富んだ演出で楽しませてくれました 第2幕冒頭の宴会のシーンでは ドゥルカマーラ役のダルカンジェロに スパゲティを食べながら歌わせていましたが、彼の豪快な食べっぷりを見ていたら スパゲティが食べたくなり、映画を見終わった後、パスタ専門店でスパゲティの昼食を取りました  もちろんアルデンテでした

指揮のドミンゴ・インドヤーンはベネズエラの音楽教育システム「エル・システマ」でヴァイオリンを学び、ベルリン国立歌劇場でバレンボイムのアシスタントを務め、同歌劇場でオペラ・デビューしました 今回がMETデビューとのことですが、よく歌手に寄り添ってタクトを振っていました 蛇足ながら、夫人は前回のMETライブの「トスカ」でタイトルロールを歌ったプラノ歌手のソニア・ヨンチェヴァです

METライブビューイング「愛の妙薬」は全2幕で 開映後の上映時間は歌手や指揮者へのインタビュー等を含めて2時間48分です 9日(金)まで新宿ピカデリーほかで上映中です

 

     

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