21日(火)。わが家に来てから480日目を迎え、おやつにつられてゲージを出るかどうか悩んでいるモコタロです
閑話休題
昨日は、勝浦在住の大学時代の友人S君が送ってくれたサバを塩焼きにしました 体長18センチの大振りなサバです。決してサバを読んでません これで彼の送ってくれた海の幸はすべて食べ尽くしました どれも美味しくいただきました。あらためてS君ありがとう
も一度、閑話休題
昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ベルクのオペラ「ルル」を観ました これは昨年11月21日に米メトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です
キャストはヒロインのルルにマルリース・ペーターセン(ソプラノ)、ゲシュヴィッツ伯爵令嬢にスーザン・グラハム(メゾソプラノ)、シェーン博士/切り裂きジャックにヨハン・ロイター(バスバリトン)、シゴルヒにフランツ・グルントヘーバー(バリトン)、アルヴァにダニエル・ブレンナ(テノール)。指揮はローター・ケー二クス、演出はウィリアム・ケントリッジです
この公演の大きな特徴はウィリアム・ケントリッジによる演出です 2010年のMETライブ、ショスタコーヴィチのオペラ「鼻」と同様、スケッチをコマ撮りしたアニメーションを舞台の背景に大きく映し出し、舞台上の歌手陣とのコラボレーションを図ります
自分の欲望通りに生きる天衣無縫なルルだが、何故かその魔性に引き付けられて男たちがすり寄ってくる。しかし、誰一人として長続きはしない。嘘つきで自由中心的なルルは最後には男に殺されてしまう 世紀末ウィーンにルルを登場させたベルクはルルを「可愛い女」と呼んだ
ルルを歌ったマルリース・ペーターセンは昨年のMETライブ、モーツアルト「フィガロの結婚」でスザンナを鮮やかに歌い 演じたソプラノ歌手です それが今回はベルクの「ルル」。この人のレパートリーの広さには驚愕します 2つのオペラを聴いた範囲では、ベルクの方が彼女に合っているような気がします。それもそのはず、彼女はこの十数年の間に10回の異なる演出でこのルルを歌い、演じているのです それにしても、モーツアルトの「調性音楽」と比べてルルの「無調整音楽」は歌うのが超難しそうです
第1幕が正味で約1時間、第2幕が約53分、第3幕が約1時間と、約3時間のオペラで、ペーターセンはほぼ出ずっぱりですが、何の苦も無くルルを歌い演じています これは驚くべきことです。幕間のインタビューで「ルルを歌うのは今回が最後になる」と語っていましたが、彼女が歌わなくなったら、いったい誰がルルを歌うのだろうと心配になるくらいです
と、ここまで書いてきて 何なんですが・・・・
ベルクやシェーンベルクは、正直言って苦手です。今回の「ルル」もまったく予習なしで観て聴いたのですが、”普通のオペラ”と違って”心地よさ”を求めて聴くと裏切られます そんなことは理解しているのですが、このオペラにはついていけません 周りの人を見ていても同じような反応のようでした
隣席の老齢のご婦人はイビキをかいてお眠りあそばしていましたし、前席のご婦人は第1幕の途中で姿を消し、そのまま席に戻ることはありませんでした かくいう私も、第1幕などはいつの間にか目が閉じてウツラウツラしていたことを告白しなければなりません。私の周りだけでこういう状態ですから、劇場の全体状況はルル説明するまでもないでしょう
それでも、観なければ、聴かなければ、何も語れないのです