8日(金)その2。よい子は「その1」から見てね。モコタロはそっちに顔を出してます
昨夕、大手町の日経ホールで、日経ミューズサロン「ハンガリー国立ブダペストオペレッタ劇場専属歌手によるニューイヤーコンサート」を聴きました。今年の初コンサートです
ハンガリー国立ブタペストオペレッタ劇場は、ハンガリー最古のオペレッタ劇場で、レハールやシュトラウスなどのオペレッタだけでなく、ミュージカルも上演しているそうです 音楽監督のラースロー・マクラーリはリスト音楽院卒で、今回5人の歌手をバックアップするオケの指揮者を務めます 出演はソプラノ=モーニカ・フィシュル、アンナマリ・ダンチ、テュンデ・フランコ、テノール=ジョルト・バダース、ミクロシュ・マーテー・ケレーニです
自席はF列11番、センターブロック左から3つ目です。会場は9割くらいは入っているでしょうか ステージ上には小オーケストラのために椅子が並べられ、右手奥には小ぶりなピアノがスタンバイしています
オケの面々が登場します。管楽器は、フルート、オーボエ、クラリネット、トランペット、ホルン、トロンボーンが各1人、弦楽器は左からコントラバス、チェロ、ヴィオラ、ヴァイオリン(2)、右奥にピアノという編成です 小柄な指揮者マクラーリが登場してオペレッタの幕が開きます
プログラムは下の写真の通り、主にハンガリー生まれのエメリヒ・カールマンをはじめとして、レハール、ヨハン・シュトラウスらのオペレッタ(喜歌劇)からのアリアやデュエットなどです
曲によって歌手が入れ替わり立ち替わりするわけですが、ハンガリー国立歌劇場でも活躍するテノールのジョルト・バダースとソプラノのモーニカ・フィシュルが中心的な歌手だと言っても良いでしょう 二人とも無理なく会場の隅々まで響き渡る美しい声の持ち主です
テノールのケレーニとソプラノのダンチは二人とも若く、歌って踊って魅せるタイプの歌手ですが、激しく踊りながら息も切らさず歌いまくります ソプラノのテュンデ・フランコはメンバーの中で一番のベテランですが、歌に踊りに貫禄を見せます
プログラム前半のハイライトは最後の2曲、レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」から「女、女、女のマーチ」と同じく「グリゼットの歌」です 「女、女、女~」では、テノールの2人が日本語で「女、女、女」と叫び、笑いを取ります 「グリゼットの歌」ではキュートなダンチを中心に、専属バレエの男女2組を交えてフレンチ・カンカンが賑やかに踊られます 新年早々ラッキーです
後半もカールマンのオペレッタを中心に楽しい歌と踊りが続きます 曲によっては、歌に合わせて会場の観客が手拍子をするのですが、後ろの席の人が曲に合わせて私の椅子の背中を蹴るのには閉口しました 本人は興に乗っているのかも知れませんが、こちらは興ざめです
左隣席は老夫婦なのですが、歌手が歌うと、歌に合わせて口ずさむのです。私が知らない歌でも口ずさんでいたので、相当オペレッタに詳しい夫婦だと思います まさか元ウィーン駐在大使かなんか?仕事しないでオペレッタばかり聴いていた
右隣席は中年男性なのですが、この人も、歌に合わせて身体を前後に、あるいは左右に揺らし、積極的に手拍子を打っています また、曲に応じて「ブラボー」を連発しています。相当、オペラやオペレッタを聴くのに晴れている感じがします
ところがこの男、とんでもないヤツだということが最後に判明します 最後の曲、カールマンの「チャールダーシュの女王」の「ヨイ ママン」がアンコールに入るとき、胸ポケットからおもむろにスマホを取り出して、堂々と目の高さに上げてステージ上の歌手たちを撮影し始めたのです しかも2度も 会場は熱狂しているので、会場アテンダントの人は気が付かないでしょう。よほど注意してやろうかと思いましたが、最近はポケットにナイフやノコギリを偲ばせている男も少なくないので、注意の言葉を呑み込みました いくらオペラやオペレッタに詳しくても、こういう常識のカケラもないヤツはクラシックを聴く資格はありません。ひとことで言えばサイテーです
気を取り直して言えば、今回の公演は新年の最初に聴くコンサートとして最高に楽しい公演でした 日経ミューズサロンには当たり外れがありますが、今回は大当たりだったと言えるでしょう アンケートにも「とても良かった」に〇を付けておきました。これからもこういう楽しいコンサートを期待します