人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ハンガリー国立ブダペストオペレッタ劇場専属歌手公演を聴く~日経ミューズサロン

2016年01月08日 07時01分23秒 | 日記

8日(金)その2。よい子は「その1」から見てね。モコタロはそっちに顔を出してます

昨夕、大手町の日経ホールで、日経ミューズサロン「ハンガリー国立ブダペストオペレッタ劇場専属歌手によるニューイヤーコンサート」を聴きました。今年の初コンサートです

ハンガリー国立ブタペストオペレッタ劇場は、ハンガリー最古のオペレッタ劇場で、レハールやシュトラウスなどのオペレッタだけでなく、ミュージカルも上演しているそうです 音楽監督のラースロー・マクラーリはリスト音楽院卒で、今回5人の歌手をバックアップするオケの指揮者を務めます 出演はソプラノ=モーニカ・フィシュル、アンナマリ・ダンチ、テュンデ・フランコ、テノール=ジョルト・バダース、ミクロシュ・マーテー・ケレーニです

 

          

 

自席はF列11番、センターブロック左から3つ目です。会場は9割くらいは入っているでしょうか ステージ上には小オーケストラのために椅子が並べられ、右手奥には小ぶりなピアノがスタンバイしています

オケの面々が登場します。管楽器は、フルート、オーボエ、クラリネット、トランペット、ホルン、トロンボーンが各1人、弦楽器は左からコントラバス、チェロ、ヴィオラ、ヴァイオリン(2)、右奥にピアノという編成です 小柄な指揮者マクラーリが登場してオペレッタの幕が開きます

プログラムは下の写真の通り、主にハンガリー生まれのエメリヒ・カールマンをはじめとして、レハール、ヨハン・シュトラウスらのオペレッタ(喜歌劇)からのアリアやデュエットなどです

 

          

 

曲によって歌手が入れ替わり立ち替わりするわけですが、ハンガリー国立歌劇場でも活躍するテノールのジョルト・バダースとソプラノのモーニカ・フィシュルが中心的な歌手だと言っても良いでしょう 二人とも無理なく会場の隅々まで響き渡る美しい声の持ち主です

テノールのケレーニとソプラノのダンチは二人とも若く、歌って踊って魅せるタイプの歌手ですが、激しく踊りながら息も切らさず歌いまくります ソプラノのテュンデ・フランコはメンバーの中で一番のベテランですが、歌に踊りに貫禄を見せます

プログラム前半のハイライトは最後の2曲、レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」から「女、女、女のマーチ」と同じく「グリゼットの歌」です 「女、女、女~」では、テノールの2人が日本語で「女、女、女」と叫び、笑いを取ります 「グリゼットの歌」ではキュートなダンチを中心に、専属バレエの男女2組を交えてフレンチ・カンカンが賑やかに踊られます 新年早々ラッキーです

後半もカールマンのオペレッタを中心に楽しい歌と踊りが続きます 曲によっては、歌に合わせて会場の観客が手拍子をするのですが、後ろの席の人が曲に合わせて私の椅子の背中を蹴るのには閉口しました 本人は興に乗っているのかも知れませんが、こちらは興ざめです

左隣席は老夫婦なのですが、歌手が歌うと、歌に合わせて口ずさむのです。私が知らない歌でも口ずさんでいたので、相当オペレッタに詳しい夫婦だと思います まさか元ウィーン駐在大使かなんか?仕事しないでオペレッタばかり聴いていた

右隣席は中年男性なのですが、この人も、歌に合わせて身体を前後に、あるいは左右に揺らし、積極的に手拍子を打っています また、曲に応じて「ブラボー」を連発しています。相当、オペラやオペレッタを聴くのに晴れている感じがします

ところがこの男、とんでもないヤツだということが最後に判明します 最後の曲、カールマンの「チャールダーシュの女王」の「ヨイ ママン」がアンコールに入るとき、胸ポケットからおもむろにスマホを取り出して、堂々と目の高さに上げてステージ上の歌手たちを撮影し始めたのです しかも2度も 会場は熱狂しているので、会場アテンダントの人は気が付かないでしょう。よほど注意してやろうかと思いましたが、最近はポケットにナイフやノコギリを偲ばせている男も少なくないので、注意の言葉を呑み込みました いくらオペラやオペレッタに詳しくても、こういう常識のカケラもないヤツはクラシックを聴く資格はありません。ひとことで言えばサイテーです

気を取り直して言えば、今回の公演は新年の最初に聴くコンサートとして最高に楽しい公演でした 日経ミューズサロンには当たり外れがありますが、今回は大当たりだったと言えるでしょう アンケートにも「とても良かった」に〇を付けておきました。これからもこういう楽しいコンサートを期待します

 

          

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「トップガン」「アンタッチャブル」を観る~新文芸坐

2016年01月08日 06時37分51秒 | 日記

8日(金)その1。わが家に来てから468日目を迎え、お姉ちゃんの小道具用のニスの匂いを嗅ぐモコタロです

 

          

          ニスはヴァイオリンに塗るらしいけど、お姉ちゃんは何に塗るの?

 

  閑話休題  

 

昨日、池袋の新文芸坐で「トップガン」と「アンタッチャブル」の2本立てを観ました 「トップガン」は1986年、トニー・スコット監督による119分の映画です

 

          

 

「トップガン」とはアメリカ海軍に所属するトップ1%のエリート・パイロットのこと トップガンの仲間入りしたマーベリック(トム・クルーズ)と相棒のグースは厳しい訓練を受ける そうした中、マーベリックは女性教官チャーリー(ケリー・マクギリス)と恋に落ちる また、選ばれた中のトップは誰かでアイスマンとライバル争いする。ところが、訓練中の事故によ親友のグースが死に、マーベリックは責任を感じてトップガンから身を引こうと考える しかし、上官たちのアドヴァイスを受け、気持ちを新たにして仲間たちとともにトップを目指す。そうしたことを通してマーベリックは成長していく そして、遂に彼は敵ミグ戦闘機との実戦に出撃し味方の戦闘機を助け、ミグを撃墜する

この映画の魅力は戦闘機同士のスピード感あふれる戦闘もありますが、若き日のトム・クルーズの魅力が一番でしょう 凡人には無茶と思われる戦い方を批判されながらも天才パイロットとしての資質を発揮するマーベリックを魅力たっぷりに演じています トム・クルーズのMISSION IMPOSSIBLEへの挑戦はこの映画から始まったのかも知れません

2本目は「アンタッチャブル」です。1987年、ブライアン・デ・パルマ監督による120分の映画です

 

          

 

舞台は1930年、禁酒法下のシカゴ。財務省から派遣された特別捜査官エリオット・ネス(ケビン・コスナー)は街を牛耳るギャングのボス、アル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)に戦いを挑む ベテラン警官のマローン(ショーン・コネリー)、射撃の名手ストーン、税理士のウォレスらに支えられ、カポネへの捜査が始まる しかし、カポネの差し向けた殺し屋によって、ウォレスが、次にマローンが殺され、ネスも狙われる それでも、彼らはついに会計帳簿を入手し、脱税の疑いでカポネは逮捕される が、裁判所の陪審員は全員カポネに買収されていることが分かる。ネスは裁判長に裏で話をつけ陪審員を全員入れ替えることに成功する これによってカポネの弁護士はカポネの有罪を認める

この映画を観るまで「アンタッチャブル」(手に負えない ならず者)とはアル・カポネが率いるギャング団のことだとばかり思っていましたが、そうではなくて、手負えないギャング団を相手に無謀に思える闘いを挑むネスたちのチームのことだと知りました

ケビン・コスナーはこの映画によって一躍トップスターに踊り出たそうですが、巨悪に対し銃を持って敢然と挑む特別捜査官を勇ましく演じています 味があるのは007で名を売ったショーン・コネリーです。最初はショボい巡回の警察官を演じていましたが、一旦ネスの仲間に入ることを決心してからは、むしろネスの教師役を引き受けるほど頼もしい警察官を見事に演じていました そして、何といってもロバート・デ・ニーロのアル・カポネが魅力です

映画の中では、セルゲイ・エイゼンシュテインの有名な映画「戦艦ポチョムキン」の中に登場した、赤ん坊を乗せた乳母車が階段を下っていくシーン(「オデッサの階段」)も出てきます エンリオ・モリコーネの音楽は全編、この映画の品格を高めています 観る側はネスになったつもりで最後まで息つく暇がありません。単なるギャング映画ではありません。傑作です

 

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