人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

映画「舟を編む」を観る~辞書作りに命を懸けるある男の物語

2013年10月22日 07時00分32秒 | 日記

22日(火)。昨日、会社帰りに文京シビックホールに隣接する「文京アカデミー」に「響きの森クラシック・シリーズ」2014-2015シーズン・セット券を引き取りに行きました 来年5月から再来年3月までの間に4回のコンサートを聴きますが、S席で19,000円、1回あたり4,750円と割安です。プログラムと出演者は10月3日付toraブログで紹介したとおりですが、オケは東京フィルハーモニーです 座席は今まで通り、1階17列のセンターブロック通路側席を押さえました

 

          

 

  閑話休題  

 

先日もこのブログで紹介した東急沿線スタイルマガジン「SALUS」11月号に音楽ライターの飯尾洋一氏が「コンサートの事件簿」という連載コラムに「『感動の形』クラシック流」というタイトルでエッセイを書いています 要約すると、

「クラシックのコンサートは、何回もカーテンコールをやる。それは演奏中に舞台と客席との間に応答がないからだ せめて拍手とブラボーでカーテンコールを繰り返して喜びを表現したい カーテンコールを何回で終わらせるのか、客席とステージとの”あうんの呼吸”で決まれば良いが、たまに気が合わない時がある。分かり易い終わりのサインは、客席の照明がついた時が最後のカーテンコールということだ 楽団が居なくなっても拍手が鳴り止まないこともたまにある。特別な名演奏が誕生したという証拠だ 指揮者だけがステージに姿を現す。この『ソロ・カーテンコール』には、そうめったには出会えない

まったくその通り。ですが、私の場合、カーテンコールは5回までが限度です。それ以上は付き合っていられません。拍手が続いていようが、さっさと帰宅します。はっきり言って”普通の”コンサートの場合、カーテンコールはチャチャッと終わりにして欲しいと思います ところで、カーテンコールの回数もそうなのですが、私はその内容も問題だと思っています

例えば、オーケストラの場合、指揮者が管楽器奏者を一人一人立たせたり、楽器グループごとに立たせたりしますが、やり過ぎると途中でウンザリします 外来オーケストラの場合は比較的淡泊なのですが、特に日本のオケを日本の”客員”指揮者が振るケースでは、「あんた、オケの一人一人全員を立たせるつもりかい」と思うような、しつこいカーテンコールが少なくありません。楽員を持ちあげて印象を良くして「また呼んでちょうだいね」という意図が見え隠れしているようで、とても嫌な感じがします もちろん、演奏者は指揮者に指名されて嬉しいでしょうが、限度というものがあります。それに、どうして管楽器奏者だけが指名されるんでしょうか?弦楽器だって頑張っています・・・・・ということで回数が増えるのでしょうか。きりがありません やっぱりチャチャッとやってください

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日に続き20日に飯田橋のギンレイホールで観た映画のうち、2013年制作の「舟を編む」のことを書きます

原作は「まほろ駅前多田便利軒」で第135回直木賞を受賞、本作で2012年本屋大賞第1位に輝いた三浦しおんです

出版社・玄武書房に勤める馬締光也(まじめみつや)は、営業部で変わり者として煙たがられていたが、言葉に対する非凡なセンスを買われて辞書編纂部に異動になる 新しい辞書『大渡海(だいとかい)』を編纂するため個性派揃いの先輩編集者たちと、見出し語24万語、完成まで15年の作業に取り掛かる編集方針は「今を生きる辞書」。「ら抜き言葉」などに代表される、いわゆる現代若者言葉も収録する辞書が目標だ

ある日、下宿先のおばあさんの孫娘・林香具矢(はやしかぐや)に出会うが、口下手な馬締はプロポーズできず、達筆な筆の手紙を書く。達筆すぎて読めない香具矢は職場の上司に読んでもらい恥ずかしい思いをする。しかし、それがきっかけで二人は結ばれる。そして、三校、四校・・・・と校正作業が続き、15年後見事に「大渡海」は完成する

 

          

 

役者揃いです。主人公の馬締光也には、見るからに真面目な感じの松田龍平 その妻・香具矢には何を演じてもぴったりはまる宮崎あおい お調子者の先輩編集者には、”いかにも”という感じのオダギリジョー そして辞書編集部のベテラン編集者陣は加藤剛、小林薫、伊佐山ひろ子といった個性派で固めています

なぜ「舟を編む」というタイトルなのか、の答えはチラシに次のように書かれています

「辞書は、言葉の海を渡る”舟”。ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために」

辞書を編纂するという仕事がいかに地道で根気の求められる作業か、それに携わっているのは「言葉」が大好きな人たちなのだ、ということが何気なく伝わってくる映画です

 

          

コメント
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