人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立劇場でモーツアルト「フィガロの結婚」を観る~冴えわたる九嶋香奈枝のスザンナ!

2013年10月27日 08時44分42秒 | 日記

27日(日)。昨日、午後2時から初台の新国立劇場でモーツアルトの歌劇「フィガロの結婚」を、続いて午後6時から上野の東京文化会館小ホールで古典四重奏団のコンサートを聴きました 今日は「フィガロの結婚」について書きます

 

          

 

本来は10月20日(日)のプルミエ公演を観る予定だったのですが、急きょこの日に予定変更になったものです 幸い、大型台風の影響は思ったほどではなく、小雨が降る程度で無事に新国立劇場に到着しました

振り替え公演なので席は定期会員席ではありません。いつもの1列後ろの19列、左ブロックの右通路側席です

この公演はアンドレアス・ホモキの演出ですが、私は初めての時から同じ演出ですべて観ているので今回が4回目か5回目くらいだと思います プログラムの「プロダクション・ノート」にホモキのインタビューが載っていて、日付が2003年10月となっているので、最初の公演がちょうど10年前だったのでしょう 演出は白と黒のモノトーン、舞台転換がなく大きな段ボール箱が数個と洋服ダンスが移動するだけ。シンプルと言えばシンプル、手抜きと言えば手抜きの舞台でラ・フォル・ジュルネ(狂おしき一日)が歌い、演じられます 舞台はかなり傾斜がついているので、歌手は滑り落ちないように気を付けながら歌わなければならないので、危険と背中合わせです。斬新な演出家の前ではオペラ歌手も命がけですね

キャストはアルマヴィーヴァ伯爵にレヴェンテ・モルナール、伯爵夫人にマンディ・フレドリヒ、フィガロにマルコ・ヴィンコ、スザンナに九嶋香奈枝、ケルビーノにレナ・ベルキナ、マルチェリーナに竹本節子ほか。演奏はウルフ・シルマー指揮東京フィルです

アルマヴィーヴァ伯爵役のモルナールは夫人の目を盗んでスザンナやバルバリーナにちょっかいを出す”ちょい悪おやじ”を見事に演じ精力的に歌いました 伯爵夫人役のフレドリヒは魅力的な容貌で歌も上手く、第2幕冒頭の「愛の神様」をはじめ素晴らしい歌声を聴かせてくれました

フィガロ役のヴィンコはハリのあるバリトンで、伯爵から婚約者スザンナを守る機転に満ちた召使を歌い演じました ケルビーノ役のベルキナは深みのあるメッゾで、アリア「自分で自分がわからない」「恋とはどんなものかしら」を歌い上げました

そして、何と言っても今回の公演で最も冴えていたのはスザンナを歌った九嶋香奈枝です 彼女の歌うアリア、デュエットそして出ずっぱりの演技は、このオペラがタイトルこそ「フィガロの結婚」ではあるけれど、実は「スザンナの結婚」であることを知らしめてくれました 歌が上手なのは言うまでもなく、コケティッシュで、機転が効いて、浮気が許せない真面目な、そんな魅力に溢れるスザンナを見事に演じました

モーツアルトのオペラ、とくにこの「フィガロの結婚」は、アリア、重唱、合唱と、次から次へと流れてくる音楽に厭くことを知りません モーツアルトは最後にはすべての人を許します。モーツアルトのオペラはハッピーエンドでなければなりません

それにしても、10年同じ演出・舞台をやってきたのだから、そろそろ別の新しい演出でやって欲しいと切望します

 

          

 

オペラが終わりカーテンコールが始まったのは午後5時15分。私はカーテンコールに2回まで付き合って、拍手とブラボーが交差する会場を後にして、そそくさと次のコンサート会場に向かいました

はたして午後6時から上野の東京文化会館小ホールで開かれるコンサートに間に合うのか?この続きはまた明日

 

          

 

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