人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

古典四重奏団でモーツアルト「弦楽四重奏曲」を聴く~レクチャーコンサート

2013年10月28日 07時00分49秒 | 日記

28日(月)。一昨日の朝日新聞別刷り「be」の連載コーナー「キミの名は」に「セロテープ」が取り上げられていました このコーナーは商品名の”語源”を解き明かすもので、毎週意外な発見があります 今回の「セロテープ」は、てっきり「セロハンテープ」とばかり思っていましたが、実は音楽好きの社員が弦楽器のセロ(チェロ)から発想し、採用されたとのことです 発売元のニチバンによると「セロテープ」の発売後、「セロハン」と「テープ」をくっつけた一般名称の呼び方が広がったということです。ただ、なぜその社員がチェロから商品名を発想したのかまでは書かれていないので、本当に知りたいことが分からないのが残念です

 

  閑話休題  

 

一昨日の土曜日、新国立劇場でモーツアルト「フィガロの結婚」を観た後、上野に移動し、東京文化会館小ホールで古典四重奏団のコンサートを聴きました 今日は古典四重奏団の「ムズカシイはおもしろい!!~モーツアルト・弦楽四重奏曲演奏会レクチャー付きコンサート」のことを書きます

 

          

 

この日の午後5時17分、初台の新国立劇場で「フィガロの結婚」を観終わって、そそくさと会場を後にして地下鉄で市ヶ谷まで行き、JRに乗り換えて秋葉原へ。そこで山手線に乗り換えて上野へ。会場の東京文化会館小ホールに着いて座席に着いたのは開演2分前の5時58分でした。まさに滑り込みセーフ こういうコンサートのハシゴは落ち着いて音楽が聴けなくなるので、よい子はマネしないでね

会場はかなり空きがある状況で、半分も埋まっていない感じです。すごくもったいないです 私は左ブロックの中央近く通路側席を押さえました

古典四重奏団のレクチャー付きコンサートは、シューベルトの弦楽四重奏曲を取り上げた時に初めて聴いて、いい企画だと思い、出来るだけ聴きたいと思っていたコンサートです 室内楽好きにはたまらない企画ですね 本当はシリーズすべての公演を聴きたいのですが、9月23日もそうでしたが11月4日も別のコンサートの予定が入っているので聴けません。非常に残念です

例によって午後6時から30分間、演奏曲目のレクチャーがありました。ペラ1枚のレクチャープログラムのタイトルは「ヴォルフガングのお友達、ジョン・バックの正体は?」となっています

ジョン・バックとはロンドンに渡って活躍したヨハン・クリスチャン・バッハ(大バッハ=セバスチャンの末子)です。ロンドンではヨハンはジョン、バッハはバックと読むのです

チェロの田崎瑞博さんがレクチャーしてくれるのですが、この人はかなりの博識です クリスチャン・バッハのクラヴィア協奏曲を取り上げ、それがモーツアルトの曲に形を変えて採用されていることを演奏を混じえながら説明します。クリスチャンの曲を聴くとまるでモーツアルトそのものに聴こえます。お互いに刺激し合って作曲したのでしょう

一旦15分間の休憩を入れて、前半は弦楽四重奏曲①ト長調K.156「ミラノ四重奏曲」(第3番)、②イ長調K.369「ウィーン四重奏曲」(第9番)、③ニ長調K.575「プロイセン王四重奏曲第1番」(第21番)です

 

          

 

1曲目のK.156に入りますが、例によって演奏者の前には譜面台がありません。彼らはレパートリーすべての曲を暗譜で演奏します 素人の私にはこれが信じられません。この曲に限らず、まさにアイコンタクトによる”阿吽の呼吸”で演奏します このカルテットは1986年東京藝大・大学院の卒業生によって結成され、以来同じメンバーで27年も続いているので、お互いの音楽観は理解しているのだと思います

どの曲の演奏がどうの、というよりも、すべてが新鮮に響きます いま目の前で生まれたばかりの音楽を聴いているような感じがします

3曲目のK.575「プロイセン王四重奏曲第1番」はヴェラー弦楽四重奏団の演奏によるCDが愛聴盤ですが、演奏スタイルが違います。だから面白いのです

 

          

 

ここでまた15分の休憩を挟んで後半に入ります。弦楽四重奏曲第15番ニ短調K.421「ハイドン四重奏曲第2番」です。モーツアルトは弦楽四重奏曲を23曲作りましたが、短調の曲はこのK.421とK.173の2曲だけです。第1楽章の冒頭部の”哀しさ”をどう表現すれば良いのか。カルテットは切々とメロディーを奏でます しかし、われわれが哀しいと思っている時には、モーツアルトは笑みを湛えています

このカルテットの演奏は、「また是非聴きたい」と思わせる魅力があります プログラムにはさみ込まれたチラシの中に、日本モーツアルト協会第554回演奏会のがあり、古典四重奏団がK.157「ミラノ四重奏曲第3番」、K.458「ハイドン四重奏曲第4番”狩”」、K.464「ハイドン四重奏曲第5番」を演奏することになっています。幸いにもコンサートの予定が入っていないので是非チケットを買いたいと思います

 

          

 

もう一枚、12月31日に東京文化会館小ホールで開かれる「ベートーヴェン弦楽四重奏曲9曲演奏会」にも古典四重奏団が出演し、ラズモフスキー第1番~第3番を演奏します これは非常に魅力的なのですが、12月31日の年末の午後2時から9時半までかかるというので、今でも躊躇しています。入場料は8,000円ですが、クァルテット・エクセルシオとルートヴィヒ弦楽四重奏団も出演して9曲を分担するのでリーズナブルかな 途中まで聴いて帰ってくるという方法もアリかなとも思いますが、順番からすると最晩年の作品を演奏するエクセルシオが最後になりそうなので、それはできないと思います。だから今だに迷っているのです

 

          

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする