ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『まさ夢いちじく』

2006-06-16 05:57:20 | 息子と読んだ本のこと・絵本

まさ夢いちじくC・V・オルズバーグ 作・村上春樹 訳

ひどく神経質で気難しいビボット氏は、飼い犬のマルセルにも、ひどい仕打ちを繰り返す。彼の仕事は、歯医者さん。
その日、朝一番にやってきたのは、予定外の患者。歯が痛いおばあさんだった。
強欲なビボット氏は、予定外のお金が入るならと治療を引き受ける。ところが、おばあさんが、治療費代わりに差し出したのは、「いちじく」。なんと、食べた日に見た夢が現実になるという。
「いちじく」の魔力が本物だと確信したビボットは、自分が大富豪になる夢を見られるように、自分自身に催眠をかけることを思いつく。そして、大富豪になる夢を見ることができるようになったある夜。彼は、とうとう決心して、大切に保管していたいちじくを食べようとしたのだが・・・
果たして、強欲なビボット氏の夢は、かなうのか?可哀想な犬・マルセルは、どうなるのか???


なんと言っても、独特な色のリアルな絵が、この不思議な物語の雰囲気を盛り上げるてくれている。ビボット氏の神経質な眉毛を見ているだけで、嫌~な気持ちになれてしまうのだから、すごい魔力。そして、物語の結末のページの絵の素晴らしさ!
それより、なにより、この物語だ。不思議で、怖くて、痛快で・・・私と息子の間には、久しぶりに、ピンと緊張が走りました。読み終わった後は、二人でそろって、深い深いため息です。
オルズバーグを教えて下さった方々に、感謝・感謝の一冊でした。