『遊んで、遊んで、遊びました~リンドグレーンからの贈りもの』
シャスティーン・ユンググレーン著
うらた あつこ訳
すっかり、リンドグレーンの大ファンになってしまった親子に、紹介して頂いた一冊。ようやく、借りてくることが出来ました!
それにしても・・・その本を手にした瞬間のおかしさったら!なんと、おばあちゃんリンドグレーンが、木に登っているではありませんか!さ、さすが!
私の読んでいる横では、息子が、その「おばあちゃんリンドグレーン」の姿に、目をキラキラと輝かせておりました。「これ、リンドグレーン?何歳のとき?すげえ!すげえ!」と。
さて、インパクトの強い表紙をめくった先には、リンドグレーンが、どんなに幸福な子ども時代を過ごしたのか、どのようにして物語が出来たのかについてインタビューした記事が、彼女の作り出した物語の抜粋と共に書かれていました。
驚いたのは、なんと、エーミールの悪戯も、ピッピの考え出す奇抜な遊びも、すべて、リンドグレーンの経験に基づいているということ。そこには、彼女の少女時代が生き生きと綴られていて、まぶしい程でした。
一気に読み上げた後、ほっと一息ついて読んだ訳者あとがき。
彼女は、リンドグレーンの作品からは、どれも「子どもであることのすばらしさ」が伝わってくる書いています。子どもであることのすばらしさ!繰り返して読みながら、何故か、ぼろぼろと涙がこぼれました。ああ、子どもは、子どもであること、ただ、それだけで素晴らしいのだなあ!
親は、ときに手助けしながら、見守っていくのが役目。自由に、彼らの想像力にまかせ、「遊んで、遊んで、遊ばせてあげる!」のが役目。それって、当たり前で、簡単なようで・・・でも、この現代の日本では、一番、難しかったりします。
私は、リンドグレーンや、その両親のように、「危ないからやめなさい!」と言わないで見守り続けることができるだろうか?
私は、「うちの子は、遊んで、遊んで、遊ばせる!」と、いつでも、胸を張って言えるだろうか?(ああ!「ゲームを買ってあげないと、仲間ハズレにされるかもしれないわよ」と進言された時の、私の動揺っぷり!思い出すなあ~)
もしも自信がなくなったら、もしも不安になったら、また、この本を読み返そう。リンドグレーンの素敵な言葉に、また会いに来よう!