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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」58

2021年07月30日 | 物語「続・夢幻章伝」
「今ならまだキャンセルきくんじゃない?」

「当日キャンセル不可なんだよぉ!!」

「ドタキャンする??」

「ドタキャン!!」

それは、連絡を入れず、会場に現れないこと作戦。

「でもアヅチ。名まえも一族も登録しちゃってるキコキコ!!」
「だア!! しかも、連絡先実家の電話番号だわ!!」

もしもし~
こちら、南一族のアヅチさんのお宅でよろしいでしょうか?
本日、北一族んんんんりっぴっくぅうう、のサンバ大会に登録いただいております。
まだお姿見えないのでお電話させていただきました。
当大会は、6人ずつのダンスとなりますので、
お一人様でも欠けると、ダンスが無駄になってしまいます。
至急ご連絡いただきますよう、お願い申し上げます~

「6人規定って、某社のコ●ナワクチンか」

本当にドタキャンは困ります。

「でも、世の中にはクーリングオフという制度がキコキコ!!」
「そんなものここでは通用しねえ」
「仕方ないわね、衣装どうするの?」
「衣装の話ぃいいい!!」

と、そこで、

プルルルルルル

鳴り響く、呼び出し音。

「はい、もしもし!」
「俺だ! タクトだよ!!!」
「何!!」

「そして、いつから、私たちに電話機が」

「昨日の一件で改めてクリミアを惚れさすために、俺もサンバ出るからな!!」
「嘘だろ、おい!!」
「あの爆発トラブル時、好きな女も守れねぇなんて・・・」

そのトラブルの原因は、あなたの彼女です。

「まさか、マツバの父親にとられるとは!!」
「その話やめて」
「負けない。俺は、負けない」
「2回云ってるわ」
「そして、俺が勝つー!!!」

朝から電話の向こうで、タクトはうるさい。

「はぁ、でもね、仕方ないの。衣装がなくて」
マツバは大きくため息をつく。
「このままだと、あなたの不戦勝よ」

「「な、に、!!!」」

勝ちたい。
けれども、それは、本当の勝ちなのか。
それでいいのか。
何か術があるのでは、、、!!

電話の向こうでタクトは燃える。

「大丈夫! 衣装のひとつやふたつ」

「勝ち進んだときのために、何着かほしいところね」

「任せとけ、マツバ! 元カノのために」

「それは違う」

こうして、マツバとへび呼ロイドは一足先に会場へと向かう。

昨日、すでにスタンプをひとつゲットしているマツバは余裕だ。
屋台で10時のスイーツ、かき氷を頬張る。

本日の会場は、雰囲気がひと味違う。
サンバ大会で我こそは優勝せんと、気合が入っている人々。

「はあ、もう夏も本番で暑いったらありゃしない」

サイダーも持って、マツバとへび呼ロイドはミストの下へと行く。

「アヅチ出番まだかなぁキコキコ」
「どのタイミングで出るか、誰とマッチングされるか、そこが重要ね」

華やかな衣装。

会場のアナウンスが、はじまっていく。

ちゃっちゃちゃらっちゃ、ちゃっちゃちゃらっちゃ
ちゃちゃちゃ、ちゃちゃちゃ、う!!

「北一族んんんんりっぴっくぅううには、毎日目玉競技があります!」

軽快なマイク節。

「昨日の豆乳料理対決のように、何かドラマが生まれるのでしょうか!!」

「最後爆発オチとか、もういいわ」

「さあ、恥を脱ぎ捨て、思う存分踊ってください!!」

ちゃっちゃちゃらっちゃ、ちゃっちゃちゃらっちゃ
ちゃちゃちゃ、ちゃちゃちゃ、う!!

ただただサンバ
ただただサンバ

う!!

「みんな衣装すごいわ」
「過激だキコキコ」
「ついでに化粧もすごい」

そして、笑顔。

「アヅチそろそろキコキコ」
「タクトもまだ登場しないわね」

「ふふ」

突然、横から笑い声。

「うちのタクトも次の登場よ」
「クリミア!」
「はい、差し入れのクッキー」

かわいい包装で、中身は見えない。

「この季節、クッキーって気分じゃないわ」

マツバは上手いこと断った!

「そして、うちのチナツも登場よ!」
「なんですって!?」

さらに横に、ケート。

「チナツもまさかサンバ大会に!?」
「ええ。そしてこれ、失敗クッキーの差し入れよ!」
「最初から失敗品渡すな」

ちゃっちゃちゃらっちゃ、ちゃっちゃちゃらっちゃ
ちゃちゃちゃ、ちゃちゃちゃ、う!!




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