「足が」
「折れている・・・」
アヅチとマツバの視線は、少年の顔から足へ。
そんな少年は、ただいま仁王立ち中。
「拙者は、サッカーに命を懸けておる!」
どーーん、と、少年が云う。
「足は命!!」
「「・・・・・・」」
「さあ、治療費をよこすのだ!!」
えーっと。
「君は谷一族の少年かなぁ??」
へび呼ロイドが容姿を見て、キコキコする。
なるほど
確かに、トウノやミィチカと同じ格好だ。
「迷子なら、パパとママを探してあげようよぅ」
「そうだな」
「そうね」
うんうん、と、頷くアヅチマツバに、少年は地団太を踏む。
「むむむ、拙者を子ども扱いとは!」
許さずまじ!
「いでよ」
少年は、片手を上げる。
「いでよ、弟子!!」
「「弟子!!?」」
と
ぽーん
ぽーーーん
ぽーーーーーーん
ころころころころ・・・・
ころころころ
・・・ぴたっ
「・・・!?」
「これは
「サッカーボール??」
そう、サッカーボールです。
「これが、拙者の弟子なり!」
「・・・・・・」
「・・・へぇ」
「そりゃあ」
「サッカー少年のお友だちよね」
「くぅう!」
少年は、顔を真っ赤にする。
「なんだ、その、痛い子を見る目は!!」
「だって、なぁ」
と、アヅチ。
「ええ、そろそろ行きましょうか」
と、マツバ。
ふたりは荷物を持つ。
「ええい! 待たれよ!!」
少年は再度、仁王立ち。
「拙者は、高貴な(?)谷一族!」
「!!?」
「父マホ、母チホより、受け継がれし我が名」
「まさか!」
「あ、」
「あ?」
「アホ!!?」
アヅチ云っちゃった。
「ア・リ・ーだ! アリー!!」
アリーはびしりと指をさす。
「何が何でも、治療費を払うなり!」
ぽーーん
ぽーーーーーん
「治療費ってあんた、立ってるじゃない」
ころころころころ
にゅいーーーん
サッカーボールが転がり、
そして
「手と足が生えたーー!!? おぎゃー!!」
へび呼ロイドの絶叫。
「何よ」
マツバが云う。
「あんたの同僚だって、そう変わらないじゃない」
「え? あ、うん。そうだっけ?」
「さあ、弟子よ」
アリーが云う。
「拙者たちの恐ろしさを見せつけようぞ!!」
「了解ナリ」
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