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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」23

2021年02月23日 | 物語「続・夢幻章伝」
なんや、かんや、と
色々な事はあったけれど。

ポン!!

無事、西一族の村2個目のスタンプをゲットする二人。

「よっしゃ」
「これで、さらに
 3個目があるよとか言わないでしょうね!?」

ああん?と父親に詰め寄るマツバ。
お年頃。反抗期。

無い無い、と首をふるマツバの父親。

「だが、真都葉。
 折角なんだ、今夜ぐらい泊まっていっ」

「よっしゃ!!
 それじゃあ、心置きなく出発出来るわね。
 行くわよものども!!!」
「ものども、って俺達の事か!?」
「ゴーゴー!!」

勢いよく扉を開けて出て行くマツバ達。
父親の提言はスルーされた。

「うん?」

と、店の入り口付近にカゴが置いてある。
大量に詰め込まれたパン。

なんだこれ、ごんぎつね、か。

「……これは、沢子のパンだな」
「ふうん。ここまで来たけれど、
 中の雰囲気にジャマしちゃ悪いと思ったのかしら」

そうよね、と言うコトハにマツバ父は頷く。

「真都葉」
「………持っていくわよ。
 お礼、言っておいて」
「ああ、必ず」

パンをバックに詰めようとしたマツバは
そうだわ、と袋を取り出す。

「コトハ、これあげる」
「なにこれ?」
「クッキー。伯父さん作よ」

「父さんの!?」

ふん、ふうん、と
しげしげとクッキーを受け取りながら
何とも言えない表情を浮かべるコトハ。

こちらはこちらで
色々複雑な様で。

料理得意なのか、マツバ&コトハの父親ズ兄弟。

「まあ、俺は週末だけの
 雇われ店長だけど」
「急に会話に飛び出さないでくれます!?」

相変わらず父親に厳しめのマツバ。

「あ!!!!!」

思い出した、と
パチーンと指を鳴らすアヅチ。
動作がいちいち古くさい。

「なんなのよ、うるさいわね」
「思い出したぜ、偽飛び出せ小僧だ」
「???」

どうした、どうした、と言う
皆の目線がアヅチに集まる。

「ほら、東一族の浴場ですれ違った
 あの飛び出せ小僧。妖精さんの!!」
「ああ、アヅチが髪の毛引き抜いたやつね、キコキコ」

「何を言ってるんだ君たち」

怖っ、と引き気味のマツバ父。

「だからさ、おっさん!!」
「……おっさん!?」
「おっさんに似てるんだあいつ。
 東一族っていう割には、白髪だったしな」

なんならマツバより親子っぽい。

「似た顔の人も居ると言うが
 俺に東一族の知り合い……なんて」

いやまさか、と首を振るマツバ父。

「そんな事より、さっさと進むわよ。
 日が暮れる前に!!!」
「真都葉っ!!」

待ってくれ、と呼び止める父。

マツバは足を止める。
自分になんというのだろう、
今さらこの村で一緒に暮らそう、と
そう言うのだろうか。

「これを」

「………これ、は」

それは、風呂敷に包まれた三段の重箱。
なおかつフルーツとかのデザート系は
別に二段の重箱に入れてあるという。

「「「運動会の時のお弁当!!!!」」」

「おばあちゃん(マツバ父の母親)と
 同じ事してる!!!!!!」

「また、顔を見にそちらに行く」
「はぁ?」
「…………その時は、ちゃんと話そう」

「考えてあげなくもない」

「真都葉」

父親とコトハに見送られ村を後にするアヅマツ一行。

一歩一歩進む。
大量のパンに、重箱弁当+デザート重。
それをえっちらおっちら抱えて。

「………」
「………」
「………」

ちなみに、
南一族の村でそれぞれの家族が持たせた
弁当の空箱も持っている。

「久々に実家に帰ったら
 大量の野菜を持たされた一人暮らしの学生か!!?」



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