TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」4

2017年07月28日 | 物語「約束の夜」

満樹は空を見る。

務めを終え、また、日が落ちる。

いつも通り東一族の村を出て、道を歩く。

途中、何かの音。

彼は立ち止まり、振り返る。
馬車がやってくる。
北一族の村へと向かう馬車。

走り去る馬車を、満樹は見る。

北一族や南一族。
もちろん、東一族も乗っている。

馬車が見えなくなると、満樹は再度歩き出す。

あたりには誰もいない、はず。

道をそれて、適当な場所に満樹は坐る。
空は、暗い。

彼は寝転ぼうと

「おい!」

「――――っ!?」

「何してる」
「何だ……。驚いた」

満樹は息を吐く。

そこに見慣れた、……同じ一族の者がいる。

「お前、務めは終わっているんだろう」
「もちろん」
「なら、一緒に北にでも行かないか」
「北に?」
「そう」
「何をしに?」
「遊びに、だよ」

満樹は首を振る。

「断り」

「断るなって」

「他一族に会うのが面倒くさい」

「何だよー」

彼は、満樹の横に坐る。

「こんなところで、つまらん」
「別に」

満樹はちらりと彼を見て、云う。

「お前も遊んでいる場合じゃないだろう」
「何で?」
「勉強しに行けよ」
「大丈夫だって」
「いや、しろよ」
「俺。結構、頭がいいのかもしれない」
「うわ……」

その言葉に、満樹はため息をつく。

「お前が医師になっても、絶対に診てもらわない」
「大丈夫だって」

彼は笑う。

「ちゃんとやっているからな!」
「ちゃんと?」
「そう」
「務めも、医師の勉強も?」
「やってる」
「お前、遊んでるところしか見たことないけど」
「まさか!」

彼は、再度笑う。

「俺だって、お前と同じで真面目だろ?」
「真面目……」

「そうだな、うん」

彼は云う。

「強いて云うなら、もう少し鍛錬をして、お前みたいに強くなるかな」
「強い?」

満樹は彼を見る。

「強い、俺が?」

「ああ。満樹は強いだろう」

彼が云う。

「お前ぐらいの体術出来るやつは、そうそういない」
「…………」
「お前より上と云うと、俺の兄弟か、宗主のところのやつ、か」
「宗主のところの……」

満樹は彼の言葉を繰り返し、

「次男さんか」

思い当たる人物にたどり着く。

「それぐらいだろう」
「いや、そこと比べるなよ」

「やれやれ」

彼は立ち上がる。

道の方へと戻っていく。

「早めに村に戻れよ、満樹」
「判ってる」
「んで、明日の夜は付き合え」
「断り」

彼は笑いながら、姿を消す。

満樹は寝転ぶ。

夜空を見る。
夜が更けていく。



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「約束の夜」3

2017年07月25日 | 物語「約束の夜」

「美和子!!
 ちょっと美和子!!!!」

京子は美和子の腕を掴むと
人目の付かない場所に引っ張り込む。

「わ、なになに、
 どうしたのよ京子」

私なにかした?という美和子に
なにか、じゃないわ、と
京子が詰め寄る。

「お兄ちゃんを見かけたって本当?」

あ、と
美和子は気まずそうに視線を逸らす。

「どこから聴いたの?」
「回り回って!!」
「内緒にしててって言ったのに」

誰のことを言っているのか分からないが
もう、と美和子は不満げに言う。

「内緒って何!!
 どうして、隠すの!!!」

「違うわよ、落ち着いて。
 黙っていたのは悪かったわ」

ごめんなさい、と
美和子は京子をなだめる。

「似たような人を遠くから見ただけなの。
 一瞬だったし、西一族の格好じゃなかったわ。
 きっとただの勘違いよ」
「……でも、似ていたのね」

ほら、と美和子は言う。

「あなた必ずそうなるでしょう。
 確証が出来ないから
 期待させたく無かったのよ」

耀が、生きているかも知れない。

間違いかも知れないが
今の京子にはそれだけで十分だ。

「どこで、見たの?」

「だから、ごめんなさい。
 勘違いよ」

「どこで?」

「京子」
「いいの、間違いでもいいから。
 お願い教えて」

美和子は京子のためを思って言っている。
人違いであれば
立ち直れないかもしれない。

それでも。

「美和子、お願い」

ため息をついて美和子が答える。

「北一族の村よ」



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「約束の夜」2

2017年07月21日 | 物語「約束の夜」

その日の務めを終えると
満樹(まき)は足早に村を出る。

日は落ちようとしている。

普通、東一族は
日が沈むと、自身の住む場所へと戻る。

けれども、彼は村の外で過ごすことが好きだった。

人目を避けるように、村を出たあと、
そのまま、静かな場所へと向かう。

北よりの砂漠。

ここには滅多に、砂一族は現れない。

彼は身に付けた武器を外す。放る。
砂漠に寝転ぶ。
空を見る。
月が光っている。

星は見えない。

風が吹く。
砂が舞い上がる。

誰もやってこない。

彼は寝ころんだまま。目を瞑っている。
風や砂の音を聞く。

何か、歌を口ずさむ。

時が過ぎ

辺りが、明るくなってくる。

彼は目を開く。
日が昇ろうとしている。

ふと、彼は身体を起こす。

「誰だ!」

声だけが響く。

彼は立ち上がり、周囲を見る。
けれども、誰もいない。

満樹は武器を身に付ける。

砂漠を後にし、東一族の村へと戻る。



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「約束の夜」1

2017年07月18日 | 物語「約束の夜」

その日の狩りを終えると
京子(きょうこ)は足早に広場を抜ける。

「あら、今日は早いのね。
 寄っていかない?」

声をかけられて、
ごめんなさい、また今度、と
会釈を返す。

西一族の狩りは、
獲物を捌き終えるまでが一連の作業だが
今日は帰りなよ、と
班の皆が声をかけてくれたので
ありがたく言葉に甘えている。

途中の店で、
不足していた香辛料や調味料を買うと
まっすぐ、自宅に向かう。

帰宅して、お茶を一杯飲んだ後、
少し早めの夕飯の準備をする。

下味を付けておいた鶏肉を取り出し、
トマトと煮て、チーズをのせる。

それが終わると、別の鍋の様子を見る。

「いい香り」

野菜が多く、具が大きいスープ。

どちらも兄の好物。

「あら、今日はごちそうね」

母親が帰宅して、台所を覗き込む。

「今日はお兄ちゃんの誕生日だもの」

そうだったわ、と
母も台所に立つ。

「今日ぐらいは、ね」

それからサラダと簡単なデザートを作り、
テーブルに並べていく。

三人分の食器を並べ、
食卓に着く。

食事前に祈りを捧げる。

「いただきます」
「いただきます」

京子は閉じていた目を開ける。
正面に座っていた母親は
どこか遠くを見ている。

視線を追う。

窓側の誰も座っていない席。

「……大丈夫よ」

京子は母親に言う。

「きっとどこかで元気にしているわ」

兄の耀(よう)が失踪してもうすぐ1年になる。

去年の誕生日は
こうやって好物を囲んで
母親と3人、兄を祝った。

それからひと月も過ぎない頃
兄は北一族の村に出かけていった。

村の所用で
一週間程で戻る予定だった。

「お兄ちゃん、お土産よろしくね」
「お土産っていってもなぁ」
「谷一族の首飾りは売ってあるかしら」
「おいおい
 随分と値のはるものを」
「ほら、少し早めの私の誕生日プレゼントと言う事で」
「早すぎだろう」

考えておく、と
耀は京子の頭を撫でる。

優しい兄は、そう言いながらも
いつも希望する土産を買ってきてくれる。

けれども、一週間が過ぎて
予定の日を過ぎても
耀は帰ってこない。

どこかで何かがあったのだろうか、と
知り合いに声をかけ
京子も母親も北一族の村へ探しに行った。

けれども、予定していたその日
耀は北一族の村にすら辿り着いて居なかった。

分かったのはそれだけ。

家族に心配をかける人ではない。
黙って居なくなる人ではない。

途中の道のりで不慮の事故にあった
そういう事だろうか。

諦めなくてはいけないが、
そうできない自分が居る。

せめて今日ぐらいは。

京子は誰も座っていない
その席に向かい声をかける。

「お兄ちゃん、お誕生日おめでとう」


それから、ひと月も経たないうちに
兄を見かけたという話が舞い込む。



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新作対談

2017年07月14日 | 物語

対談、まだありました(笑)!

今回は、TOBA次回作が生まれてしまった
ライントークです。

時間軸としては
水辺対談より、こちらが先でした(^^;

それではどうぞ~


(22:50開始)


と:水辺終了後のTOBAブログ
  何をするか考えよう!!

と:イラストはスキャンが出来ないことには
  私は載せられない~
  と、云うか
  まったくイラスト描いてない~
  描けるのか私!

ば:対談か質問コーナーかな?
  再来週の火曜の更新からになるから

ば:来週中には作らなきゃ??

ば:草稿状態で
  対談か10の質問作ろう!!

と:こう云うテーマ、とか
  話したいテーマが決まれば
  草稿も進みそうよね

と:私の理想はライントークみたいな
  本当にTOBAが対談してる
  そんなのが希望なのだけど、
  時間がかかるよね~

ば:ラインでトークして
  それを写せばよいよ!!

ば:案外一番早かったりして(笑)

と:やってみる!?

ば:質問もとりあえず
  書き込んでおくね~!!

と:水辺を細かく章に分けて
  そのくだりのトークするとか、どうかな?

と:出会い篇
  杏子が西にやって来た篇
  一緒に暮らしている篇
  湶くん篇
  圭くん南篇
  杏子、巧くん篇・・・こんな?

ば:出会い篇!
  その辺り読み直したい!!

と:読み直したら
  トークテーマも自然と出来るかもね☆

ば:今日明日で読み直しておく!!
  (書き直したい所とか出てくる予感(汗))

ば:湶くん篇というくくり

ば:湶くん、今回の水辺からだけど
  いいキャラになったよ!!

ば:圭くん弟案もあったけれど
  兄にしてよかった!!

と:ちょっ!
  思い出したことを伝えたい!!
  私この前の水辺草稿で
  「真都葉は元気だ」って入力したら
  「真都葉は元亀だ」って変換されたんだよ!
  これって夢幻だよね!!?(笑)
  パソコンさん!

ば:パソさんが、水辺でなく
  夢幻で学習しとる

ば:私も思い出したこと
  いっていい!!
  何回も言ってるかもだけど

と:落雷広司くん?

ば:構想段階では
  佳院くんが圭くんの兄だった!!

ば:落雷広司くん!!!

ば:広司くん!!
  なんか、TOBA的4コマでかいたな~

と:いやブログトークでも
  何度も出てる(笑)

と:佳院くん兄説
  待ってく覚えていないんだよ!!

ば:佳の字に、圭が入っとる(笑)!!

ば:圭の字入ってるシリーズ!!

と:水辺のネタ(笑)!!

ば:なんか、高校の頃の
  交換レターに書いてあったよ
  なんか!!
  発掘したい!!!

と:んもう、
  今、佳院くんとのシリアスな
  再会シーンを考えておるのに(笑)
  圭くんの兄って!!
  それを考えた私、恥ずかしい!!

と:圭くんのマジ兄と
  元兄

と:同人ネタっぽいっ!!

ば:マジ兄と元兄!!!

と:どっちかが
  浮気相手の息子

と:それって元兄
  佳院くんか・・・

ば:圭くんの兄は2人いる!!

ば:メンズが3人かぁ

と:いや、前妻の息子?
  どちらにしても
  佳院くん(仮)の
  立ち位置がよくないな~

と:圭くんを妹にしてみる?

ば:女の子欲しいよね!!

ば:メンズ3人は、あれだ
  あれあれ!!!

と:Y

ば:Y!!

と:あれは・・・
  兄弟じゃないよね!!

と:TOBA新作で!!!

ば:水辺トークから
  新作が誕生

ば:圭くん、圭子ちゃんに(笑)!!

と:これは、・・・
  妹を取り合う話なの?(笑)

と:勇さんと、蛍子なの??

ば:そうなの!!

ば:そうなるのかーー!!

と:圭子ちゃん
  字を変えてあげて!!(笑)

ば:くしくも
  蛍子さんの読みが
  けいこさん、とも

と:!!?

と:そうしよう!!

ば:圭くん父が
  あっちでふらふら
  こっちでふらふら、に!!

と:それ、

と:あの人だよ!

と:えーーと

ば:翼くん!!

と:それそれ!!

と:じゃあ
  翼くんの話ってこと

ば:繋がった(笑)!!

ば:そこに繋がった!!!

と:時代決定!!

と:翼くん×浩子=高子

ば:翼くんなら
  そうだよね、

ば:高子さんのからみも!!

と:それとも、
  また別の女の人かな?
  蛍子ちゃんのお母さん。

と:必要だよね、キャラ表!(家系図)

ば:作ろう作ろう!!

と:やったー!!

と:元兄とマジ兄は
  新キャラだね!

ば:この場合
  高子さん=けいこちゃんにすると
  もはや湶ぬんまで
  からんできてややこしいかな??

ば:けいこちゃんは
  新キャラのもう1人の西一族との子で
  いっとく??

ば:自分で言っといて
  なんだけど、
  すごいごっちゃりした人間関係
  図になってしまう

と:既存のキャラを
  そこまで使うと
  元兄は、フキくんになるよ(笑)

と:マジ兄は
  100%新キャラだね!

ば:まずはキャラ表だね!!

と:よし
  既存キャラバージョンと
  新キャラバージョンの
  2パターンでやってみようよ

と:わくわくする!!


(しばらくスタンプが続く:笑)


ば:めっちゃ楽しい!!

と:「そろそろ(夢幻と水辺の続き)」は
  ねかせて
  こっち、早く連載したい!!

と:でも、
  内容は何も決まっていない!!(笑)

ば:今日は新作品と
  新キャラのことを
  考えながら寝なきゃ。

と:寝よう(笑)

ば:そして
  水辺締め対談も
  忘れないように、だよ(笑)

と:楽しすぎて
  目が覚めたけど(笑)

と:明日、考えよ~

と:イメージを沸かすためにも
  翼くんのイラスト
  ばしょちよろしく!!

と:かっこよく!

ば:描こうにも最初のデザイン
  どこになおしたっけな

ば:ハードル上げない!!!

ば:(翼くんのイラスト画像)

と:それ!

ば:とりあえず今日は
  これ見て眠って(笑)!!

と:トークさかのぼったら
  翼くんは
  最初、ヒロヤくんだった

と:琴葉ちゃんの弟が
  じゅんくん、てのも
  見つかった!

と:ならず者、で
  さかのぼってね!

ば:私、あれなんだよ!!
  スマホ修理に出してるから
  1回トーク消えてるの!!

ば:でも、じゅんくんの
  イラストあった!!

と:そうなのかー

と:見たい見たい!

ば:(じゅんくんのイラスト画像)

ば:たぶん、これだと


(23:50終了)


この対談のあとも
ちょこちょこラインしながら、話をつめてます。
来週ぐらいから
連載できるかな??

どうぞ、お楽しみに~!