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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」69

2021年09月07日 | 物語「続・夢幻章伝」
「ちょっと待って」

マツバも意味ありげに沈黙を破る。

「私も何かおかしいと
 思っていたわ」
「マツバ。キコキコ」

同僚の事、気に留めていてくれたんだね、と
へび呼ロイド、喜びの眼差し。

そして、ぴらり、と
スタンプラリーの台紙を取り出すマツバ。

「この、絶妙な余白は
 実はスタンプもう一個必要とか
 そう言うアレじゃないの!!?」

2個押されたスタンプ。
だが、確かに余白あまりまくりである。
ドキドキ波乱の展開!?

「そして、粗品とか貰えるんじゃないの!?」

マツバは西一族でもらった
粗品に味をしめている。
お父さん、娘さんちゃっかりさんに育っているよ!!

「おいおい」
「同僚の話じゃなかったキコキコ」

同僚、
もう北一族編では出てこないんじゃ無いかな。

「それはね、お嬢さん」

突然物凄いオーラを放つ人が現れる。

ざわめき出す周囲の人々。
飛び交う黄色い歓声。

「あれは一度仲間に見捨てられパーティを追放されるも、
 強大な力を身につけ転生して戻り
 全ての悪を退治した後この村を治めることになった希代の魔術使いでもある
 北一族の村長!!!」
「そして、本人はモテないパッとしない俺
 と言いつつも、
 作画では結構整った顔で描かれるという」
「ヒロインもめっちゃ美人で転生令嬢」

「だ、誰!!?」
「村長だって、キコキコ」
「最近のライトノベルの要素載せてんなぁ」
「そんな人が何をくれると言うの(粗品)!!?」

さあ、とラノベ村長が示すままに
スタンプラリー台紙を差し出すマツバ。

取り出したペンで
スタンプ台紙の余白部分に
ささささ、と何かを書き入れる。

「私のサインだ!!」

「「「サイン!!!?」」キコキコ!!」

そして、

ぎゅっとマツバの手を握る。

「いつも応援ありがとう」

「「「握手!!!?」」キコキコ!!」

「なんて羨ましい」
「いいなぁ、私もサイン欲しい」

ざわざわ。

これは、ファンであれば
めっちゃ嬉しいやつ。
ファンで、あれば。

いや、村長ってアイドルなのか!?

「………」

マツバ、めっちゃ渋い顔。

「マツバのやつ一応空気を読んで
 大人しくしているな」
「めっちゃ顔渋いけどキコキコ!!」

「さあ、そこの君たちも!!!」
「あぁああああ」

そして、渋い顔のマツバの横に
さらに渋い顔のアヅチが並ぶ事に。

「最後にそこのキミィ!!」
「おいらぁ!!!?」

が、差し出された台紙に
サインを書き込もうとして
北一族村長は手を止める。

「あ、君はスタンプ集まってないから
 ごめんね」

「お断りされたキコキコ!!!」

そしてとぼとぼ、と
北一族の村を後にする3人。

「なんか、どっと疲れたわ。
 粗品貰えなかったし」
「そもそもなぁ、
 タダほど高いものは無いって言うからな」
「決して欲しくは無かったけど
 貰えないなら貰えないで悔しいキコキコ」

もう、日が暮れてしまう。
夕日を背に3人は進む。

谷一族の村では良い事あるといいね!!


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