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TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」111

2022年04月26日 | 物語「続・夢幻章伝」
「泣いてる、キコキコ! 誰か、泣いてるキコキコぉ」

ややこしいけれど、こちらはアマキ&へび呼ロイドペア。

「ああ。・・・うん」

「大丈夫かなぁ。アヅチ、マツバぁあキコキコぉ!」
「姉さんは大丈夫だと思う」
「マツバのみキコキコ!!」

アヅチは。

「兄さんは、宗主様の息子と一緒だ!」
「ふわぁあああああそれが良い単語になぜか聞こえないキコキコぉ!」
「へびさん岩陰に隠れてっ!」

ドォオオオオオンン!!

「きゃぁあああキコキコぉ」
「大丈夫!」
「アマちゃんっ」

現れる砂一族。

3人。

こちらは、ひとり。

へび呼ロイドは見守るしかない。

「きゃははっ!」
「ずいぶんと砂漠を荒らしてんな、東一族」
「俺たちも、総動員させられてんぞ」

アマキは自身の刀を握る。

「あっれぇ? こっち宗主のむっすこじゃないじゃん」
「おいおい。あっちのチームだよ」
「はずれかぁ」

どうする?と、顔を見合わせる、砂一族。

瞬間

再度、爆発音。

「ちょっ! あんたねぇ!」
「新しい薬品すまん!(笑)」
「早く片付けて、宗主のむっすこ氏のほうに加勢に行こうぜ」

砂一族は動く。

「いや、いないわ!」

「ばかな!?」

「こっち」

「何!?」

後方。

倒れる砂一族。

「どういうことよっ!」
砂一族は手をかざす。
「ここで時間使ってる場合じゃないっての!!」

呪文。

「それは、こっちのセリフ」

「!!?」

「かわせ!!!」

「やっ、無理っ!?」

叫び声。

やがて、

砂埃から現れたのは、残るひとり。

「やばすぎだろ、お前」

そして、アマキ。

「あー。うん。宗主の息子には敵わないけど」

「どんだけだよ。東一族」

砂一族は構える。

「はぁ。あたりが悪かったの、俺?」
「どうかな」
「だって、お前とへびだったんだぜ」

東一族の今を象徴するのは蛇云々、砂一族はつぶやく。

「降参な」
「帰る?」
「帰らせてくれるんだろ?」

砂一族は動く。

「おい!」

「はは! まだ爆薬あんのよ!」

「へびさん!!」

ドォオオオオオンン!!

激しく大地が揺れる。

「!!」

なにも、見えない。

そして

もはや、砂一族の姿はない。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

「アマちゃんんんんん!!」

「あ、大丈夫?」

「ちょおぉおおおお!!」

「どうしたの、へびさん?」

「おいら、何かの映画見ていたキコキコぉ!?」

「え?」

「笑い要素がひとつもなかったキコキコぉ!!」




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「続・夢幻章伝」110

2022年04月19日 | 物語「続・夢幻章伝」
「お、おお」
『リク様』

刃物と刃物がぶつかり合う金属音。
動きと共に舞い散る砂塵。

アヅチとマサキコ(リクインの蛇)の目の前で、
到底、夢幻章伝とは思えぬ、手に汗握る戦いが繰り広げられている。

リクインVS砂一族の青年

「これは」
『ええ』

でも、
でも、
ええっとあの。

リクイン、あんまり強くないな。

『えぇ、おっしゃりたい事は
 わかりますよ、南一族のお方』

「いや、俺、別に何も言ってないし!!」

いやいや、と
アヅチはフォローを入れる。

弱いかと言われると、そうでは無いけど。
強いかとなると。

言いたいなー。
でも自分のために戦ってくれてる訳だし
言ったらダメなんだろうなー。
わるいなー。
マツバだったら
きっぱり言っちゃうんだろうなー。
あいつのそう言う所、良いと思うー。

もどかしさに、もぞもぞするアヅチ。

「言いたい事あるなら
 はっきり言えやー!!」

リクイン様がカッとなる。

「そもそもなぁ、お前を送り届けるために
 ここまで来て戦ってんだぞ!!
 だいたいさあ、……だいたい、」

んん?と思案した後、
リクインが「はい」と挙手する。

「ちょっといいですか?」

審議申請。

「はい。どうぞぉ」

砂一族、審議了承。

「いつもの侵略と攻防ならともかく
 今回こいつ(アヅチ)を砂一族の村に届けるために来てるんだけど
 引き渡して終わりでよく無いか??
 お前たちの客人だぞ」

「いやそれねぇ。
 ただの東一族ならそれも有りなんだけど」

これがまた難しいところで、と
砂一族は頭をかく。

「お前、宗主の息子だろ。
 珍しい白髪の東一族。噂は聞いているよ。
 それなら、ちょっと引くに引けないんだよねぇ」

「え?」

ドキっとするリクイン様。

「それはつまり、
 僕は見逃しておけない存在ってこと?」

“お前ほどの強者を前に、
戦いを挑まぬなど戦士の名折れ、
誉れを持って挑ませてもらう“的な。

よせやい、照れるから、と
鼻の下をかくリクイン様。

「見逃せないよ~こんなチャンス。
 本当に実力が無いなら、そう言う奴は前線には出て来ない。
 むしろ村から出さないのが鉄則だろ。
 でも、中途半端に強いから前線には出てくる。
 いいよぉ~、中途半端」

「………ちゅうとはんぱ」

ふ、とリクインは少し俯く。

「知ってるよ、―――そんな事」

そんなしょぼくれたリクインに、
目線を会わせるアヅチと砂一族。

おおい、どうすんだよ。
えぇ、今のアウトだったかなぁ。
アウトだろ、見ろよ明らかに落ち込んでるだろ。
だよねぇ。

「「…………」」

ゴホンと咳払いをする砂一族。

「いや、言い方悪かったね。
 弱くは無いと思うよぉ。ああ、うん。普通」

「………ふつう」

すかさずアヅチもフォローに回る。

「そう!!普通なんだよ!!
 弱いって言ってる訳じゃなく。
 普通。基準は満たしてるってこと。アベレージ。平均。並!!!」

「………なみ」

「そうそう、並の力、
 だから手こずるけど、ウチの実力がある奴が有利になる。
 そうすると、
 有力情報抱えてる敵の一族が手に入るってわけだよ」

欲しいよ~、ぜひとも入手したい人物だよ。
我が社の求める人材だよ~、と。

「さらっと怖い事言うな砂一族」

俺、今からこいつらの村行くんだよな、と
不安を覚えるアヅチ。


「いや、だから、さぁ。
 知ってるって言ってんじゃん」


ダン、と地団駄を踏み、
ぼそりと呟くリクイン。


「自分が一番分かってるのに、
 何回も、何回も」


ぐす、と鼻水を啜る音。

「え?泣?」
「マジ?」


「どうして、そういう酷いこと言うのさ!!!!」


言葉と共にリクインの足元に現れる魔方陣。
東一族式の魔法。
ぼわわわ、と発動に合わせて淡く光り出す。

『出ましたよ、泣き虫リク様』

待ってましたとばかりに
リクインのお付きの蛇、マサキコがキコキコと首を振る。

「「泣き虫リク様!!!!??」」

『リク様は泣いてからが本領発揮なのですキコ』
「どういう事!!??」

感情の高ぶり、
普段かけているストッパーの解除的な、
色々あるけれど。

『子供のケンカとか、
 泣いた方が強い子とかいるじゃないですかキコ』

「いるわ~」
「いるけどぉ」

それが許されるの、
ギリギリ十代前半までじゃない。


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「続・夢幻章伝」109

2022年04月12日 | 物語「続・夢幻章伝」
ぼっかーーーーーーん。

「おお、やってるやってる」

と、遠くで聞こえる爆発音?に
リクインは耳を傾ける。

「よし、今のうちに僕たちも進むぞ」

え?え?と
アヅチが音の方を見つめていると。

ぼっかーーーーーーん(2回目)。

「いやいや、大丈夫なのか向こう!?」

「だーかーらー、そういう作戦だよ」
「作戦!!?」
「テ………アマキが最後に出ただろ。
 で、今みたいにワザと地点を起動させて
 砂一族を一箇所に引きつけんの」

これだから、他一族は分かってないなぁ、と
ため息をつくリクイン。

「一応、こういうのはチーム戦っていうか
 砂一族相手の時は、
 それぞれの特性を生かして動いてるんだよ」

ふうん、とぼんやり納得のアヅチ。

「って事は、一番強いのってアマちゃんか。
 へび呼ロイドラッキーだったな」
「はぁ?なんでそう言う話になるんだよ」
「なんでって」

そう言うのって
一番実力のある人が敵を引きつける担当のでは。

言いかけるアヅチを
リクインのお付きのヘビが制止する。

『お待ち下さい、南一族の方。
 そこは分かっていても言わないお約束』

「お、おう」

『リク様にとって触れて欲しくないポイントなのです。
 色々あるのです。シリアスオブザ東一族。
 最終的に、
 “どうしてそんな酷いこと言うの!!”と
 泣き虫リク様になるのです』

「………泣き虫、リク様」
 
「なんの話!!?
 ってかお前マサキコの言う事分かるのか?」

へび呼ロイドがちょっと特殊すぎて忘れているが
動物と話せるのはかなり特別な世界線。

「いや、分からんが、思いは通じる。
 心の会話?的な?」
「????」

分かるんじゃない、感じるんだ。
けれどリクインは深く考えるのを止めた。

「まあいいや、
 悪かったな、アマキじゃなくて」
『リク様、拗ねない拗ねない』
「俺、妖精さんとペアになれてよかったよ」
『ほら、南一族の方もああ言ってらっしゃる』

「いや、妖精じゃないし!!!」

アヅチは前回ワープして事の顛末を知らないため、
東一族の村での記憶が
リクイン=幸運を運ぶ飛び出せ小僧=妖精さん
になっているのだ。

「きっと、俺達ペアが一位で到着するぞ。
 ついでに宝くじとか当たりますように!!」

「当選祈願すな!!!
 あと、近寄るな、髪の毛も毟るなよ!!」

『日常会話で“髪の毛を毟るな”と
 注意される事もそうそう無いですねキコ』

は!!と
リクインのお付きのヘビ、マサキコは
画面の向こうのあなたに話しかける。

『そもそも、キコって語尾、私が最初ですからね。
 マサキコのキコですからキコ!!!!!』

「マサキコ、どこに向かって話してるのさ」
『いえリク様お構いなく。
 最近コンプライアンスとか色々厳しいもので』

キコキコとマサキコは首を振る。


「大事だよぉ、コンプライアンスは」


うんうん、と頷く砂一族。

「ぶっちゃけコンプラってなんだ?」
「なんかカワイイ言い方をすな!!」
「法令遵守だよねぇ」
「俺は思う、日本語で言おう!!!」
「あ~、そう言うやつ必ず居るんだよな。日本語で~とか」
『どっちも言ったらよいのではないでしょうかキコ』

どっちも。

「 “法令遵守~コンプラ~” って
 ドラマのかアニメのタイトルっぽいねぇ」

砂一族の言葉に、確かに、と頷くアヅチ。
その場合の主演俳優を考えるリクイン様。
月9ですな、と時間枠を推測するマサキコ。

砂一族、の。

「「「…………」」」

「誘導するような、2回の爆発音。
 この隙に乗じて誰か動いているかもって
 さすがの俺達も考えるよぉ」

「まあ」
「そりゃそうだよな」
『ですよねキコキコ』

うぁああ、と距離を取る2人と一匹。

「って事で、来ちゃったぁ(ウインク)」

にっこりと微笑む砂一族に
若干冷や汗をかきつつ
リクインも自分の武器に手をあてる。

「………仕方無い、僕もここで本気を見せるか


確かに、いつも口だけの様だが、
実際砂漠の見張りもこなしている。

これでも一応、東一族の青年。

砂一族に対する戦い方の心得はある。


 ―――はずだから大丈夫、きっと!!!!」

「安心させるような地の文、かと思いきや、
 自分で言っているだけ!!!!」

『やれば出来る子ですよ、リク様は、褒めて伸びる子!!』

「マサキコちょっと黙ってて!!!」

腹をくくるリクイン様。

TOBA-BLOG作品や別館や外伝で
威張り散らしキャラだったり
偉そう、だけど弱い、とか
憎たらしいサブキャラ扱いだったり、
『そろそろ』(幻の未公開作品)とキャラ変しすぎとか、
なんか良い所無かったリクインだけど。

「ジャ○アンだって
 映画では友達思いのキャラになるし!!」

「ガ、ガキ大将!!!!」

輝け!!リクイン様!!!


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「続・夢幻章伝」108

2022年04月05日 | 物語「続・夢幻章伝」
「と、云うわけで」

砂漠に足を踏み入れるへび呼ロイド&アマキペア。

「出発しようか、へびさん!」

「アマちゃん、よろしくキコキコ!」

へび呼ロイドはキコキコする。

「オイラ、アタリ感半端ないキコキコ!」
「それはよかった」
「無事に砂一族の村にたどり着けるキコキコ♪」

うんうん、と、頷くアマキ。

「俺はヘビが苦手なんだ」
「どっきゅーーーーん!!!」

へび呼ロイドは撃ち抜かれる。

「へ、へびが」
「そう。苦手。じゃあ行こうか、へびさん!!」

レッツ☆砂漠!

「待ってキコキコ! いろいろ解決してないキコキコ!」
「置いてくよ~へびさん!」
「待ってアマちゃん! 待ってキコキコぉ!」

このスタート地点には、このペアしかいない。
吹き荒れる砂埃。
なんだかこのあたりは視界が悪い。

「へびさんは大丈夫なんだけど、砂漠には地点があって」

地点
それは砂一族が仕掛けた、魔法。
そこにさしかかると、大きな爆発が起こる。

「ついでに解除しながら進むね!」
「軽く云うキコキコぉ」
「解除すると砂一族に位置バレするんだけど、いいよね?」
「これまた軽く云ってるキコキコぉ!!」

へび呼ロイドは涙目だ。

「オイラはアタリなのか、ハズレなのか」
「いっくよー!!」

ぼっかーーーん。

「ギャアアアァアアアキコキコぉおお!!」
「へびさん声大きいよ?」
「えっごめん、いや、大きいのこっちキコキコ!?」
「はい気を付けて!」
「すまんですキコキコぉ」

ヒュオオオオオオ

吹き荒れる砂埃。

「離れないで、へびさん!」
「風にあおられてるキコキコぉ」
「飛ばされちゃうよ!」
「こりゃアカンキコキコ! 手をつないでキコキコぉ!」
「それはヤダ」
「お味方氏ぃいいー!!!」

ヒュオオオオオオ

「ん?」

アマキは立ち止まる。

「近付いてきたかな」
「えっ! もう砂一族の村!?」
「そんなわけないよ」

アマキ取り出したるは、マイ刀。

「かったなー!!! キコキコ!」
「離れないで、へびさん!!」
「手ぇつないで、アマちゃんキコキコ!」
「それはヤダ!!!」
「キッコー!!!」

巻き上がる砂漠。

「へびさんこっち!!」
「きゃあああえあ!!」

へび呼ロイド慌てふためく。

「こんなの夢幻章伝で求めてないキコキコぉ」
「へびさん!!」
「いつも笑いがそこにあって、それで、スタンプラリーをやっててキコキコ」
「めっちゃ混乱してるよ、へびさん!!」
「オイラぁああ!!」

ぼっかーーーん。

「ぎゃあぁあああ!!」

どうなる、へび呼ロイド&アマキペア!!



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