そこは砂一族の村を出て
少しだけ進んだ砂漠。
「なぁ、マツバ
俺たちこのスタンプラリー
優勝する事が出来ると思うか?」
どこか達観した様な
また、哀愁を帯びた様な表情(かお)で
アヅチが言う。
「無理でしょうね」
マツバもただ前だけを向いて
そう答える。
だって、無理だもん!!
逆回りで回っていたであろうアヅチ父と
山一族の村(物語序盤)ですれ違ったもん!!
「俺たち結構寄り道しちゃったし!!」
「アヅチの親父さんが
手を抜くとか考えられないし!!」
「「あ、ぁぁあああ」」
のたうち回る2人。
嗚呼、嗚呼、優勝者に与えられし豪華賞品よ。
「2人ともどうしたキコ!?
急に現実に向き合う覚悟が出来たキコか??」
「俺たちだって
まぁ、ある程度覚悟はするぜ、潔く!!」
「ええ!!
いつまでもウジウジしないわ!!」
「「でも!!」」
「この負けが確実にわかる状態で
今、村に寄りたくねぇ!!!」
「そこから最後の村に行くモチベとか
絶対下がっちゃう!!!!」
『おお、アヅチにマツバ、
まだスタンプラリーやってたのか。
あと一つか、頑張れ!!
父ちゃん応援してるぜガハハハ!!』
心の中のアヅチ父が豪快に笑ってる。
(しかも悪意とか無く、純粋に、応援する感じで)
「全然覚悟出来てないし、ウジウジしてるキコ」
砂一族の村から
最後のスタンプラリーがある海一族の村には
砂→東→南→海
というルートで行くのが一般的なのです。
「「行~き~た~く~な~い~」」
は、とアヅチが閃く。
「なあ、前回の旅で
俺東一族の村から砂漠までワープしたよな」
「東一族の転送術、ね!!」
なるほど、とマツバもぴーんとくる。
「いやいやいや、
その手があったか、見たいな雰囲気だしてどうするキコ!?」
東一族の転送術。
かなり特殊で、東一族の中でも一握りしか使えない。
とってもレアな魔法なのです。
「そんなもんはな、
やってみなきゃ分からんだろ!!」
「そうよ最初から諦めてどうするの」
諦めちゃあれだ、試合終了ですぞ!!
「うーん、東一族の魔法と言えば魔方陣だよな。
魔法発動すると魔方陣が現れるあれ」
しかし、アヅチ達の南一族式魔法はタイプが違う。
「ので!!
地面に直接魔方陣描くわ!!」
木の枝でガリガリするマツバ。
「確か!!こんなだった気がする!!
ついでに、めでたい言葉も書いとくわ!!」
一富士二鷹三茄子とか書いちゃう。
「すでにぐだぐだキコ」
「よし、あとは着陸地点をイメージしつつ、
それっぽい呪文を唱えてみるか!!」
青い海。
白い砂浜。
カニ食べ放題。
ヘイマスター。
「「コクナイセン、エコノミークラス、ハヤワリ28!!!」」
カッ!!!
願いよ!!想いよ!!届け!!
「搭乗手続きは出発の20分前までにキコ!?????」
それぞれの様々な感情と
天候と、気圧配置と、今日の運勢と、風水とかと、
何もかもの偶然が重なり合い渦を巻き
奇跡が起こる。
「え?」
「これは!??」
一方東一族の村では
任務を終えたアマキタツキ、
これから番台当番のトキ
偶然通りかかったリクイン様が雑談をしていた。
仲良いのか悪いのかどっちなんだ君たち。
「………うん?」
ふと、アマキが動きを止め砂漠の方を見つめる。
「アマキ兄さんどうしたの?」
「いや、………なんだろう、この感覚」
「腹でも壊したのか?」
「それはリクインだろ」
「ねえ、リクイン様じゃなくていいからさ、兄さんぐらい付けない!?」
「みんな、静かに」
なにか、
なにかがやって来る。
じっと、神経を研ぎ澄まし
ただ、何かの気配がする方を見つめるアマキと
その雰囲気に気圧されて沈黙する一同。
「「「…………」」」
「来る」
らん、らんらら、らんらんらん。
らん、らんらららん。
どこか遠くから
何か小さな生き物がささやいているような
謳っているような声が聞こえてくる。
らんらんらら、
ふわり、と
それは東の空、太陽の方向から
らんらんらららん。
現れるはアヅチ、マツバ、へび呼ロイドを乗せ
空を飛ぶ無数の同僚達。
ら、らららららんらんらん。
なんとなく淡い光を携えて
アマキ達の上空を通り過ぎる。
るーるーるる、るるるるる
るーるーるるるるるうる
そして、南の空へと向かい
飛んでいく。
るんるんるんるるるるる
るーるるるーるーるー。
そのままその姿は遠ざかり
やがて見えなくなる。
「………え、ええ」
「………うわぁ」
「………今の何、」
アマキ、タツキ、トキ、はやっとで言葉を絞り出す。
ぽつり、とリクイン。
「熱で寝込んでるとき見る夢かよ」
NEXT
少しだけ進んだ砂漠。
「なぁ、マツバ
俺たちこのスタンプラリー
優勝する事が出来ると思うか?」
どこか達観した様な
また、哀愁を帯びた様な表情(かお)で
アヅチが言う。
「無理でしょうね」
マツバもただ前だけを向いて
そう答える。
だって、無理だもん!!
逆回りで回っていたであろうアヅチ父と
山一族の村(物語序盤)ですれ違ったもん!!
「俺たち結構寄り道しちゃったし!!」
「アヅチの親父さんが
手を抜くとか考えられないし!!」
「「あ、ぁぁあああ」」
のたうち回る2人。
嗚呼、嗚呼、優勝者に与えられし豪華賞品よ。
「2人ともどうしたキコ!?
急に現実に向き合う覚悟が出来たキコか??」
「俺たちだって
まぁ、ある程度覚悟はするぜ、潔く!!」
「ええ!!
いつまでもウジウジしないわ!!」
「「でも!!」」
「この負けが確実にわかる状態で
今、村に寄りたくねぇ!!!」
「そこから最後の村に行くモチベとか
絶対下がっちゃう!!!!」
『おお、アヅチにマツバ、
まだスタンプラリーやってたのか。
あと一つか、頑張れ!!
父ちゃん応援してるぜガハハハ!!』
心の中のアヅチ父が豪快に笑ってる。
(しかも悪意とか無く、純粋に、応援する感じで)
「全然覚悟出来てないし、ウジウジしてるキコ」
砂一族の村から
最後のスタンプラリーがある海一族の村には
砂→東→南→海
というルートで行くのが一般的なのです。
「「行~き~た~く~な~い~」」
は、とアヅチが閃く。
「なあ、前回の旅で
俺東一族の村から砂漠までワープしたよな」
「東一族の転送術、ね!!」
なるほど、とマツバもぴーんとくる。
「いやいやいや、
その手があったか、見たいな雰囲気だしてどうするキコ!?」
東一族の転送術。
かなり特殊で、東一族の中でも一握りしか使えない。
とってもレアな魔法なのです。
「そんなもんはな、
やってみなきゃ分からんだろ!!」
「そうよ最初から諦めてどうするの」
諦めちゃあれだ、試合終了ですぞ!!
「うーん、東一族の魔法と言えば魔方陣だよな。
魔法発動すると魔方陣が現れるあれ」
しかし、アヅチ達の南一族式魔法はタイプが違う。
「ので!!
地面に直接魔方陣描くわ!!」
木の枝でガリガリするマツバ。
「確か!!こんなだった気がする!!
ついでに、めでたい言葉も書いとくわ!!」
一富士二鷹三茄子とか書いちゃう。
「すでにぐだぐだキコ」
「よし、あとは着陸地点をイメージしつつ、
それっぽい呪文を唱えてみるか!!」
青い海。
白い砂浜。
カニ食べ放題。
ヘイマスター。
「「コクナイセン、エコノミークラス、ハヤワリ28!!!」」
カッ!!!
願いよ!!想いよ!!届け!!
「搭乗手続きは出発の20分前までにキコ!?????」
それぞれの様々な感情と
天候と、気圧配置と、今日の運勢と、風水とかと、
何もかもの偶然が重なり合い渦を巻き
奇跡が起こる。
「え?」
「これは!??」
一方東一族の村では
任務を終えたアマキタツキ、
これから番台当番のトキ
偶然通りかかったリクイン様が雑談をしていた。
仲良いのか悪いのかどっちなんだ君たち。
「………うん?」
ふと、アマキが動きを止め砂漠の方を見つめる。
「アマキ兄さんどうしたの?」
「いや、………なんだろう、この感覚」
「腹でも壊したのか?」
「それはリクインだろ」
「ねえ、リクイン様じゃなくていいからさ、兄さんぐらい付けない!?」
「みんな、静かに」
なにか、
なにかがやって来る。
じっと、神経を研ぎ澄まし
ただ、何かの気配がする方を見つめるアマキと
その雰囲気に気圧されて沈黙する一同。
「「「…………」」」
「来る」
らん、らんらら、らんらんらん。
らん、らんらららん。
どこか遠くから
何か小さな生き物がささやいているような
謳っているような声が聞こえてくる。
らんらんらら、
ふわり、と
それは東の空、太陽の方向から
らんらんらららん。
現れるはアヅチ、マツバ、へび呼ロイドを乗せ
空を飛ぶ無数の同僚達。
ら、らららららんらんらん。
なんとなく淡い光を携えて
アマキ達の上空を通り過ぎる。
るーるーるる、るるるるる
るーるーるるるるるうる
そして、南の空へと向かい
飛んでいく。
るんるんるんるるるるる
るーるるるーるーるー。
そのままその姿は遠ざかり
やがて見えなくなる。
「………え、ええ」
「………うわぁ」
「………今の何、」
アマキ、タツキ、トキ、はやっとで言葉を絞り出す。
ぽつり、とリクイン。
「熱で寝込んでるとき見る夢かよ」
NEXT