「満樹も視てあげようか」
「ん?」
「先視」
「俺の未来を見てどうするんだ」
「だって、何か判るかも」
「何かって?」
「な、に、か」
山一族の村を出て、海一族の村へとふたりは向かう途中。
どちらにしても
一度、海一族の村の方へ出ないと、南一族の村へとは行けない。
「どうしたらいいんだ?」
満樹は立ち止まる。
「俺見習いだから」
「知ってる」
「なかなかに上手くいかないし」
「だから、どうしたらいいんだ!」
「手を」
ツイナが、手のひらを出す。
先ほど京子にしたように、手を取る、と云うこと。
「こうか」
「うん。そう」
満樹とツイナは手をつなぐ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「見える」
「・・・・・・?」
「ここは、東一族の村・・・?」
「うん・・・?」
「なのかな?」
「おいおい」
ツイナはぐっと目を閉じる。
「満樹、・・・」
「・・・・・・」
「満樹の、家族?」
ツイナは首を傾げる。
「満樹の家族は、・・・兄さんが特殊?」
「それは、どこかで俺が云ったぞ」
「いや、・・・違う」
「・・・・・・?」
「満樹の兄さんは、ちょっと特殊」
ちょっと、って
「どちらかと云うと、満樹の方が、・・・特殊?」
「特殊?」
「お母さんが、・・・うーーーん」
「?」
「いや、お父さん、か?」
「??」
「でも、満樹はよい流れの中にいる」
「よい流れ?」
「無理をする必要はありません」
「???」
「これからも、あなたらしく過ごすことを心がけて!」
「結局、今日の運勢か!!」
てへっと、ツイナは舌を出す。
「俺なりに頑張ったんだよー」
「はいはい。ありがとな」
「満樹、つれないなー!」
「ん? 待て」
満樹は、ふと何かの気配を感じる。
人。
「誰、」
「誰だ?」
「おぉおおお!?」
「「!!!」」
突然に人が現れ、
「西、」
「一族!?」
容姿からの、ふたり判断。
「いや、ほんと、俺狩りの途中で」
その突然現れた西一族?は、照れくさそうに
「何か、お邪魔しました~」
「・・・!!?」
「えっ、これ!?」
山の中で、
ひっそり
手をつないでいた
他一族同士の男ズ。の図。
「「いや、違うし!!」」
「大丈夫! ほんと大丈夫!!」
あはは~と、通りすがりの西一族は去ってゆく。
「「違うし! 違うしー!!」」
ドンマイ、満樹&ツイナ。
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