「おふたりは、北一族の村に、何をしに来られたのですか??」
北一族の村に向かって、歩き出して数分。
クリミアのおしゃべりは止まらない。
「最近は何かと物騒ですし、旅の仲間は多い方がいいと思いません?」
そして、そのおしゃべりは、アヅチに向けられている。
マツバはと云うと、ひとり、少し先を歩いている。
「どうですか、アヅチさん!」
「えぇえ?」
「ほら、私ってお料理得意じゃないですか!」
「あれが、まじでか!!」
「あっ」
クリミアは、突然自由行動。
「きれいなお花が!」
寄り道スペシャル!!
なんというか
物語も、後半。
旅慣れしてきたアヅチとマツバからすると
クリミアの歩くスピードは、遅い。
この調子で、いったい北一族の村にたどり着けるのか!?
なんだかなぁ、と、マツバはただ前方を見る。
とても複雑な道なんです。
それこそ地元民しか知らないような獣道で
トラップも数多くあるんです!!!
(「夢幻章伝」53:78行目引用)
「いったい、どこが複雑なのかしら・・・」
マツバは呟く。
ただ、ひたすらに一本道。
迷いたくても、迷えない。
何かトラップがあるとすれば、・・・クリミアだ。
「ねえ」
マツバは振り返る。
「先に行っていてもいいかしら」
「え、ちょっ」
「どうぞ~」
待ってくれよーーーー
アヅチの声が聞こえた気がしたが、マツバはスタスタと進んでいく。
スタスタと進んで、マツバは(一応)先ほどのことを思い出す。
えーっと、重要そうな単語。
飛び出せ注意じゃぁああああああ!!
飛び出せ
飛び出せ
・・・どこかで聞いたことのあるセリフ。
うーん、とマツバは思い出す。
「あ、そうか」
東一族の、調子こいた宗主の息子かなんか、だった。
嫌いなものはピーマン。
お前のものは俺のもの。
「はっ。そりゃ気を付けなきゃよね」
やれやれと、マツバは首を振る。
「身内にあんなんがいたら、大恥ね!!」
・・・・・・。
「あ!!」
と、急に、クリミアが、声を上げる。
「見てください!」
「ん?」
「着きました! 北一族の村に到着です!!」
「ここが、」
北一族の村!
「私もときどき来るんですけど、いいお店がいっぱいあるんです」
クリミアのお喋り、ふたたび炸裂。
「北はそもそも商人の町とも云われまして、とにかくお店が多くて」
以下
クリミアによる北一族の説明。
北一族は、白~金色の髪。
服装は、民族衣装と云う堅苦しいものではないのですが、
マフラーや帽子を着用してる人が多いです。
でも、見てください。
北の市場には
西一族をはじめ、東一族や谷一族、遠くの南一族が集まっています。
商人の町と云うことで、商いの自由があるので
いろんな一族が商売をしているんですね。
もちろん、北の品ぞろえは天下一品!
なんだって揃うと云われています。
なんだって揃うけれど
やっぱり買ってほしいのは、豆乳ですね~
北一族の朝食には欠かせない豆乳!
さっそく、飲みましょうねv
あっ
あそこのお店は、かわいいものが多くって、
値段も安くって、
誕生日プレゼントなんかには・・・
・・・クリミアのおしゃべりは、まだ続く!!
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