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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」37

2021年05月18日 | 物語「続・夢幻章伝」
「これが」
「噂に聴く、南一族の魔法」

どう、と言われると、

凄まじい威力だ。
豊かな大地と温厚な人柄の南一族。
彼らが敵に回ろうものであれば
どの一族もかなり手こずるであろう。

でも、

なんで害虫(同僚)に効いているのか意味が分からない。
呪文も、意味が分からない。
ポーズとか、
心打たれる年代と、
別の意味で過去の自分とか思い出して
うわぁああああってなる年代と
様々であろう。

ユウマ、ヤイノ、
ロ=フタミさんは頷く。

そんな感想を
可もなく不可もなくやり過ごす
素敵な呪文がこちら。

「「「凄いなあ」」」

「あ!!ずるい!!」
「いっそ正直に言ってくれよ!!」
「思った事をすぐに口に出さず
 一度考えることも大事キコキコ」

「いや、それにしても」

無力状態となった害虫(同僚)の様子に
山一族ズは目を見張る。

「お前達は、災いの元凶じゃなくて
 災いを解決する者という事だったんだな」

疑って悪かった、と詫びるユウマ。

「いいのよ、
 こういう道中人助けも悪くないわ。
 水戸黄門みたいで!!!」
「マツバ、今はBSとかでしか放送あってないから
 分からない世代もいるかもキコキコ」

個人的には、やっぱり初代がオススメ。

「ええ~、それじゃあ私のスペシャルブレンド
 “なんか、いい感じの毒”の出番は!?
 これじゃあ、ただの出てきただけの人もごもご」
「ヤイノ頼むから黙っててくれよ!!!」

「毒って言ったわね……今」
「言ったねぇ、キコキコ」

「違うんだよ、俺はもしもの時の………うん?」
「もしもの、何よ………うん?」
「あれぇ、キコキコ」

ユウマの視線を追い、後ろを振り返るマツバ。
そこには。

「お前達、大丈夫か!?」

同僚達に走り寄り、
そして手を差し伸べるアヅチ。

「動きを止めるためとは言え、手荒な真似を」
「びぎぃ」
「………え、分かっている?
 止めてくれてありがとう、だって?」
「「「ぴぎゃぴぎゃ!!」」」
「お、お前達!!!!」

ぶわあああ、と同僚達に囲まれるアヅチ。
らん、らんらら。

「ははは、
 やめろって、くすぐったいぜ」

あはは、うふふ。

「………」
「………」
「………」

「こほん!!」

マツバは大きな咳払いをする。

「あ~、あれね。
 取り憑かれてるおるわ、虫に」

らん、らんらら。
ちょっと厳しい。

「ええっと、アヅチ、だったよな」

歩み寄るユウマ・ヤイノ。
ぽん、とアヅチの肩を叩く。
そして、笑顔で縄を取り出す。

「逮捕ぉおおおお!!!!!」
「実験んんんんん!!!!!」

「え?なんだよ」

「お縄だ!!
 お縄を頂戴するぜ!!」
「これね、最初は苦いけれど
 後から甘みがくるから、ぐいっと一息に」
「それはまだだヤイノ。
 とりあえず族長の所に連れて行くぞ」

白いふわふわ(同僚)を纏いしアヅチ。
ずるずると引きずられていく。

「まて、誤解だ。
 こいつらは本当は素直な良いやつで!!
 きっと何者かに操られて」

「やっぱり関係者じゃねぇか!!」

ずるずる引きずられていくアヅチ。

「ちょっと、そこの二人」

ヤイノはこっそり逃げようとしていた
マツバとへび呼ロイドに声をかける。

「もちろんあなた達も一緒よ!!」

「おおおおいらたち別にキコキコ」
「そうよ、アヅチを見捨てて逃げるとか
 そう言う事では無く」

いいのいいの、とヤイノは呟く。

「占いを無しにしても最初から分かっていたというか」
「どういう意味よ!!」
「いやいや、だって」

ヤイノはへび呼ロイドを指差す。

「謎の喋る丸いフワフワ。
 どう見たって、災いの害虫(同僚)の仲間でしょ」

同僚って言ってるしね。

「あわわわわ」
「良いわよ、覚悟決めるわ。
 でも、スタンプラリーは押して下さい!!!」

わいのわいの。

皆が立ち去った畑。
一人残されるロ=フタミさん。

「えっと」

やけくそとは言え
スタンプラリー開催期間中の
山一族メイン観光となるはずだった
害虫駆除体験。もしくは見学ツアー。

それが、今、

「終わって……しまった!????」

まだ、スタンプラリーは始まったばかり。
参加者はまだまだ訪れる予定。

「どう、しよう」

同じ山一族の奥さんとか、
海一族に嫁いだ妹とか、
その旦那である古い友人とか

相談してみたらいいと思う!!!!


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