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TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」44

2021年06月11日 | 物語「続・夢幻章伝」
今度こそ、スタンプをもらい
山一族の村をあとにする。

「いやぁ、恥ずかしかったな!」
「ほんと、もうこんな思いはイヤ!」

あんなにかっこよく(?)去ったのに
スタンプ忘れて、カムバック
ましてや身内の前、ルック。

(ラップ調で)

「それにしても」

マツバはスタンプを見つめる。

「あんたの親父さん、スタンプラリーもう終盤だったじゃないの」
「俺たちより先に出発してるとはいえ、早いよなぁ」
「耕運機のスピードだけとは思えないキコキコ!」
「なんとかして追いつくしかないわ!」

と、云いつつ

マツバの視界に、へび呼ロイドの同僚ずが入る。

「いえ。お祓いも必要ね!」
「悪霊扱いキコキコ!」
「結構、暖かいけどな!」
「これからの季節、暖かさはいらなくない?」

マツバはアヅチのセリフを斬り捨てる。

そして、天を指差す。

「考えてもみなさいよ」

「ええ?」
「何をキコキコ?」

「1週間前のことよ!」

――1週間前

それは、同僚たちが、水辺の各地で猛威をふるっていたころ。

「まだその爪痕は新しいわ」
「壮大なストーリーだったかのように!!」
「しかもこれからは、私たちがそのときに旅した村へと進むのよ」
「つまり!!」
「あのとき悪者を退治していた者たちが、悪者をまとってくることを想像してごらんなさい!」
「なっ!!?」
「どう考えてもおかしいじゃない!!?」

白きふわふわをまといし者たち
我が村を侵略せんと欲す。

「いや、まといし者たち、じゃないわ」

自分でつっこむマツバ。

まとっているのは、アヅチのみ。
単品。

「怯えて、いるんだと思う・・・」

だからこそ、同僚たちはアヅチにまとわりつく。
恐怖から身を守るために。
暖かさを求めるために。

「いや。だから、これからの季節、暖かさはいらなくない?」

マツバは頷く。

「お祓いが先ね」

「お祓いじゃなくてぇ!」

へび呼ロイドは飛び出す。

「北風と太陽方式で、無理矢理じゃなく、優しさで離れてもらうしか!」
「ええい! 悪霊に取り憑かれとるぅ!」
「悪霊じゃないキコキコ!!」

収拾つかない。

「今一度、確認するキコキコ!!」

へび呼ロイドは、再度飛び出す。

「いったい、何に操られているキコキコ?」
「・・・ピッ、ピギャッ」
「つまりキコキコ?」
「ピ、ピギャア、ピギャ」
「キコ? キコキコキコ」
「ピピピギャア、ピピピギピピャア」
「キッキコキコ」

「何を」
「話しているんだ?」
「早く結論出さないと、今夜の宿泊にも関わってくるんですけど」
「お前の親父さんところに泊まればいいじゃん(in西一族の村)」
「去ね!!!」

「とりあえずの話だと」

へび呼ロイドが振り返る。

「操っているものはわからないけど」
「おいおい・・・」
「わからないって・・・」
「何か音が聞こえてくると、意識がなくなって」
「音?」
「音??」
「気付けば悪いことしちゃってる、ってキコキコ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「ハーメルンみたい」

つまりは、よくわからん。

「とにかくお祓いしちゃう?」

マツバまだ云う。

「北一族と云えば、魔法ピカイチだし!」




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