「えええええええええぇえぇえええ???」
飛雨乃の世界征服宣言に
スネークバルーンこと
へび呼ロイドはおののく。
「飛雨乃まさか、ギャーズンの手先だったの!!」
そうだとしたら、
もの凄い策略家だ。
全く、気がつかなかった。
「俺は常々思っていたんだ」
「はい―――??」
「主人公サイドより
ちょっと影のある敵サイドの方が
人気あるってな!!!」
あ、これ多分手先でも何でもないパターン。
そしてそんな感じで人気が出るのは
敵として登場していたキャラが仲間になった場合だ。
「今までの償いをどう果たせば良いのか、とか
思い悩むシーンが読者の心をって
うわあああああ、同僚達やめてぇえええええ」
へび呼ロイドに
マジックボールことかつての同僚達が襲いかかる。
一方、武闘対決会場では。
「これ、ウチの村にも出たお騒がせ生物ね」
「せっかくのお楽しみが台無しじゃない」
辺り一帯の騒ぎに
もーう、と
砂一族のフワとシマがブーイングを起こす。
「「せっかく東一族と遊んでたのに~」」
会場の舞台では
ちょうどタツキVSフワ、の戦いが始まったばかりだった。
「台無しだわ~」
「ぱぱっと片付けちゃう?」
「おいおいお前ら
ここで爆発は止めろよな」
ちょい待ち、とタツキ。
「それぐらい分かっているわよ」
「他一族の村ではスマートに過ごして問題は起こさないの」
「これ、常識♪」
「よく言うぜ、砂が」
まぁ、でも原因を突き止めねば、と
タツキにフワ、シマ、は
同僚達の発生源と見られる
料理対決会場に向かう。
そして、その会場に辿り着き
同僚の中心に居る
トウノを見て、タツキが叫ぶ。
「あれは、俺が一回戦で
こてんぱんに倒してしまった谷の兄さん!!」
「あ~あ、知らないんだ」
「きっと、心に傷を負ってしまったのよ」
言ってやろう言ってやろう
先生に言ってやろう、な感じで
フワ&シマがタツキを囲む。
「やめろよ、砂!!
泣いちゃうだろうが、俺が!!」
場面は戻って、へび呼ロイドへ。
「同僚た」
「ぎしゃぎしゃーー!!」
へび呼ロイド絶体絶命のピンチ。
「みんな!!おいら達同僚じゃないか
思い出してよ、あの時の
共に乗り越えたサービス残業。
なんだか合わない現金過不足。
飲み明かした、もつ鍋会。
いくら払ったのか記憶がおぼろな代行運転代。
あの同僚時代を!!!!」
「……同僚って、そういう同僚だったのか」
ざっと、へび呼ロイドをかばう様にアヅチが登場。
「アヅチ!!」
へび呼ロイドに襲いかかろうとしていた同僚ズを
マツバがはたき落とす。
「マツバ!!」
「2人とも、2人ともおおおおおおおお」
へび呼ロイドの目に
光るものが溢れる。
「おいら達、
なんとか同僚を取り戻そうと必死で
2人のことをうおうお」
「へび呼ロイド」
いいのよ、と、マツバはへび呼ロイドの手を取る。
「会社ってそういうものだから。
所詮、表面上の付き合い」
「ぎqwせdrftgyふじこlp;」
へび呼ロイド謎の叫び。
「代行代金の割り勘、
おいら達もしかして上手く計算出来てなかったのかな」
うわー!!!と半泣き。
「さて、役者は揃った様だな」
ふはは、ふーはははは!!と
飛雨乃が暗黒微笑を浮かべる。
「虫けらどもよ、
一瞬で終わらせてやる。
そして始まるんだ、この俺の
ネバーダークネスキングダムが!!!」
「すごい、そんな台詞口に出していう人
本当に居たのね!!」
「やめろ!!
なんだかむず痒くなる!!」
それ、今考えたの?
それともずっと練ってた持ちネタなの?と
アヅチとマツバは
ぞわっと鳥肌が止まらない。
「出でよ我がしもべ、
ビッグマジックボールぅうううう!!!」
どーーーん。
その声に導かれる様に、
天(?)から、ひとつの球体舞い降りる。
……んぼーーん。
ステージで大きくはねた、その物体は。
「こ、こいつは!!!」
その物体はとてつもなく巨大な……同僚!
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