TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」124

2022年07月26日 | 物語「続・夢幻章伝」
「集まりし、光ょおおおおおお!!」

かれこれ30分経過。

「光、よぉおおおお!!」

なんかもう、飽きた。

「おなかすいたわ、私」
「俺も」
「そろそろ仕事に行かなきゃ」
「私は当番ですわ」
「眠い」

「じゃあ」

解散っ!

マツバとアヅチは、店の集まるところへと行く。
砂一族は観光地でもなく
そもそも村外の者を迎えるような作りにはなっていない。

それでもほんの少しある、食堂など。

「へいらっしゃい! 砂一族以外の方!!」
「「毒の入っていない普通の料理、く・だ・さ・い!!」」
「てやんでい!」

江戸っ子?的な板長(砂一族)は、手際よく料理を準備する。

「毒の入っていない料理って、何が出てくるのかしら?」
「なんでもいいよ、腹減った」

「へいお待ちぃ!!」

どどん。

「こ、これは!?」

「とってもおいしい〇の丸煮込み。〇〇を添えて!」

「え!?」
「なんだってぇ!?」

「だから〇〇の煮込み、成分〇〇だこんちくしょう!!」

「「伏字過ぎる!!」

「ちょっと危な過ぎるわ!」
「このさいパンだけでもいい!」

「へいお待ちぃい!!」

「こ、今度は!?」

「特製ハーブ〇〇をふんだんに使った〇〇パン! 今日のおすすめぇ!」

「飲み物だけにして!!」

「〇〇ちょっと入れちゃう、香る〇〇ジュース!」

「水をくれ!」

「それにも〇〇入れちゃう、〇〇風味ウォーター!!」

あかん。

「くっ、何も食べられないとは」

外に出た、アヅチ&マツバ。

「この暑さで何も食べないんじゃ、体調悪くなっちまうぜ!」
「ぅう、東一族の村に戻って、お風呂に入りたい!!」

アヅチはデオドラントシートを取り出し、流れる汗を拭きとるのであった。



一方そのころ

「光ょおおおおおお!!」

「ガンバ! コロイド!!」

「ひかりぃいいいいいいいひょおおおお!!」

「ガンバぁああああ雨降れー!!」

早く外に出たい。
というか
結構臭いこれを、なんとかしたい。

「光っ、ひかりぃいいいいいい!!」
「雨ぇええええええええ!!」

へび呼ロイドの頑張りは、まだ続く!





NEXT


「続・夢幻章伝」123

2022年07月19日 | 物語「続・夢幻章伝」
牢の扉を挟んで向かい合う三人(?)

「うぅう、アヅチ、マツバぁ」

「へび……呼ロイドぉ」

ごくり、と息を呑むアヅチとマツバ。

前回までのあらすじ。
~へび呼ロイドが決壊でえらいこっちゃ~

「「「…………」」」

「いや、もう、なんか、ね」

ぽつり、ぽつり、と
言葉を紡ぐへび呼ロイド。

「今のオイラは
 皆の記憶を消すためなら
 悪の力にも手を染める勢いキコ」

闇のへび呼ロイド。

「止めい!!!」

「どこか近くのコンビニで
 ウェットティッシュとかおしりふきとか買ってきて欲しいキコォ」

まだ時代がコンビニとか追いついて無いから。

「でもどうするの?
 いつまでもこの状態でへび呼ロイドを閉じ込めておくつもり?」

問題解決になってないわよ、とマツバ。

「そうねぇ、
 砂漠では数少ない恵みの雨を待つか、
 貴重なお水を使っても良いと思える何かをして頂くか、」

もしくは、と砂一族の毒研究者シマは呟く。

「蠱毒って興味あるのよねぇ」

「こどく!!」
「人々が漫画とかで取得する謎知識のうちのひとつ蠱毒!!」
「なんか、毒のある色々なものを戦わせて、最強の毒作る呪術的なあれ!!」
「良い子は真似しちゃいけないよ!!」
「マネできんだろ、ふつう」

漫画で取得する謎知識、他には青龍白虎玄武朱雀とか。

「オイラ、毒ヘビじゃ無いキコ」
「でもこの状況で砂一族が喜ぶ(?)のって
 やっぱり採れたてホヤホヤの毒だよな」
「無理無理無理無理キコォ!!」
「でも無毒種だと思われてたヤマカガシにも実は毒とかあったろ!!」
「そんなちょい前の世間の話題とか出されても
 無理なもんは無理キコォオオオ」

「落ち着きなさい!!」
「ぐふっ!!」

なぜかアヅチが
落ち着けのビンタを食う。

「諦めちゃダメよ!!
 へびがダメなら上の部分があるでしょ!!」

「うえ?」
「つまり、キコ」

皆の視線がへび呼ロイドの風船部分に集まる。
へび呼+コロイドのコロイド部分である。

「がんば!!コロイドがんば!!」
「うぇええええ、そんな、
 オイラ、チンダル現象はできても毒とかそんな」
「いや、何で俺ぶたれたんだよ!!?」
「実に興味深い」(砂一族エアーメガネをクイっとする動作)

そもそも、コロイドとは一体。

「奇跡を起こすのよ!!」

「ぅおおおお、奇跡ぃいいいい!!!」

とりあえず叫んでみるコロイド。

「ぅおおおお。光ぃいいいい!!!」

全てのことに意味はある。
光あれ、善のコロイド。

「いやでもやっぱり
 ぅおおおお、闇ぃいいいい!!!」

この世の全てを消し去り、
何もかも無かった事にしなくては、闇のコロイド。

「………キコ」

する事が特に無いので
若干暇なへび呼。

これで毒が生まれるのであろうか。

そして、コロイドの心に巣食った闇が
遙か湖の底で眠る、
あのラスボスを蘇らせてしまう!!!


ぎゃずーん(遠くでエフェクトがかかっている感じで)


ついでに誰も気がつかないが
アヅチの荷物の中には
兄のモモヤが持たせたハンカチ、ティッシュ、
そしてこのご時世なのでウェットティッシュとアルコール、マスクが
入っているのであった。


NEXT


「続・夢幻章伝」122

2022年07月12日 | 物語「続・夢幻章伝」
りようし祭り
今回は、想像にお任せするとして

「はぁい!」

そこにやってきた、シマ(前回の夢幻章伝でも登場した砂一族の女の子)

「フワにヨシお帰りぃ! それからお久しぶり、南一族さん!」

「あー知ってる」
「見慣れた顔が増えたな」

「どうした、シマ?」

フワが云うと

「先に到着してるあのヘビの件について」

頷く、シマ。

「いろいろ崩壊した件について」
「ヘビと風船、どっちが崩壊したのか気になる件について」
「こうなったら違う何かに転生したいヘビと風船の件について」
「私はおなかが減っている件について」

みんなでいろいろ云ってみる。

「とにかく、こちらでぇす♪」

はいっと手を挙げたシマに、4人は続く。

「はあ、あのヘビさんからは何が抽出出来るのかしら」

ウフフと笑うヨシ。

「へび呼ロイドなら、前回もう搾り取られているわよ」

確かにそんなことあった。

「まあまあみなさん。では、こちらをご覧くださーい」

たどり着いたのは

「こ、これは!」
「知っている、ここ!!」

「ああそうね。南一族さんたちには懐かしいわよねぇ」
「何があったんですの?」

そう、ここは

「「前回、いきなり閉じ込められたところー!!」

~あらすじ~

へび呼ロイドの同僚たちが砂一族の水や食料を荒らしたおかげで
アヅチ、マツバは共犯者とみなされ、砂一族の特製牢に閉じ込められたのだ!

「まさか、また何か問題が!?」
「落ち着くのよアヅチ! 私たちは通りすがり!!」

「いや、そうじゃなくて」

シマは改めて、牢を指さす。

小窓から除くのは

「「へび呼ロイドー!!?」」

「あっ! アヅチぃ!マツバぁあああ!!」

「何やってるんだよ!」
「そうよ! 何をしでかし、」

と、

ここで気付く。

「・・・・・・」
「・・・くさい」
「くさいな」
「ええ、くさい」

なんか、臭ってる。

「そうでぇす!!」

シマはクラッカーを鳴らす。

「よくぞ気付いていただけました!」
「えぇえ!?」
「いったい何よ!!」
「考えたらわかるじゃな~い」

シマは云う。

「だって、崩壊したのよ」

ちょっと成分が入った水を飲んだために、砂漠でおなかが緩くなっちゃったへび呼ロイド。

「でも、ゴメンナサイ」

うるっと、シマは涙を流す。

「私たち砂一族は水がとても貴重!」

「はっ!!」
「つまり!!」

「お身体を流していただくほどのお水がないんですぅううう!!」

くさいから閉じ込められているのであった。





NEXT


「続・夢幻章伝」121

2022年07月05日 | 物語「続・夢幻章伝」
昔は夏休みの部活でも
水分は補給しなかったよ、とか
エアコンなんて無かったとか言うけれど

「昔とは夏の暑さが違うのよ!!」
「温暖化、酷暑、水不足、節電、節水
 だが、この暑さ。俺達は耐えることが出来るのか」
「小まめな水分補給を!!」
「塩飴!!」
「ポ●リ!!」
「ソ●ティラ●チ美味しい!!」
「首に巻くタイプの保冷剤、オススメ教えて欲しい!!」

やいのやいのと大声で話しながら
砂一族の村に辿り着くアヅチマツバ。

思った事全部声になって出るタイプの人か。

「エアコン?節電?なんのことでしょう?」
「異世界の話だから
 深くつっこんじゃダメよぉヨシ」

ギャグ時空に連れて行かれちゃうよ。

「まあ、なにはともあれ
 ようこそぉ砂一族の村へ」

その名の通り、砂漠を進んだ先にある村。

薬の扱いに長けたという名目の
毒のスペシャリストの集まりという砂一族。
奥の方に見える僅かな緑地も
薬草という名の毒の草なんだろうな~。

「さて、と」

砂一族の地に降り立つマツバ。

「頂こうじゃない。
 砂一族のウエルカムドリンクとやらを!!}

はぁい、と
どこからともなく現れるメニュー表。

「こちら無料のものから有料のものまで
 どうぞお好きなドリンクを選んでね」

アヅチはメニュー表を覗き込み、
ピントが合わなくて少し後ろに身を引くという
老眼の人の動きをする。

「無料~有料は、うん、わかる」

「そうなのです、この砂漠の村では
 水分、食料の確保が本当に大変。
 少しお値段が張るのはご了承頂きたいですわ」

ご理解頂けるかしら、とヨシ。

「うんうん。
 で!!この値段表記がマイナスなのは何?」

「よくお気づきになられましたね」

キラキラと眼を輝かせるヨシ。

いや、だって、太字アンダーラインマーカーワードアート、
周りにキラキラ装飾、と
見てくれと言わんばかりの強調具合。

「それは、飲んだ人がお金を受け取れるという
 なんともお得なドリンクですわ!!」

「え?」

ニコ、と無言の微笑みを浮かべるフワ、ヨシ。

「なんで飲んだ方が貰えるのよ?」

問いかけには答えず
ただただ、ニコ、と同じく無言の微笑みのその他砂一族。

ニコニコ(無言)
ニコニコ(無言)

「入ってるな~、これ、色々と」
「治験のバイト感覚かしら?」

無難に無料ではないが高額ではないドリンクを頼むアヅマツ。
もはやウエルカムドリンクというか
普通に飲み物注文した状態だったがそれはそれ。

「さぁ、それでは歓迎の宴を!!」

「お待ちなさい!!」

提案を制するマツバ。

これは確実に宴も毒入りご飯。
 ↓
普通に美味しいご飯が食べたい
 ↓
今の流れから行くと
毒入りじゃない物はきちんとお金を払わねば。
 ↓
お財布の準備が必要。

「………」
「おい、マツバ?」

「とりあえず、へび呼ロイドと合流したいわ」

どーん!!

「あ、ああ!!そうだな!!」

俺としたことが、
まずは大切な仲間との合流が第一だった、と
心を打たれるアヅチ。

「あとは観光とかしたいわね!!」

普通に労働には対価が必要、と考えるマツバ。

「観光と言っても、ウチの村
 観光向けの村じゃないからねぇ」

見る所はそんなに無いわよ、とフワ。

「そうですわね~、
 見所ありそうな、ど……お薬の生成所も
 村民以外立ち入り禁止ですし」

社外秘。

「理容師とかどう?」
「そうですわね、理容師なら!!」

砂一族の理容師は、薬(という名の毒)に次いで水辺でも有名。
北一族の村で年に一度開かれる水辺三大りようし祭においても

海産加工物販売、海一族の漁師。
ジビエ、山の幸、山一族の猟師。
確かな技術、砂一族の理容師。

「として、沢山の観光客がブースに訪れるという」


「「どういう祭り、それ!!!!!!!」」


NEXT