「さあ殺してくれ」
と可愛そうな鳥はそう言って
頭を水の上に垂れ、
じっと殺されるのを待ち構えました。
が、その時、
鳥が自分のすぐ下に
澄んでいる水の中に
見つけたモノは何でしたろう。
それこそ自分の
姿ではありませんか、
けれどもそれがどうでしょう、
もう決して今は
あのくすぶった灰色の
見るのも厭になるような
前の姿ではないのです。
いかにも上品で美しい白鳥なのです。
その白鳥は今となってみると
今まで悲しみや苦しみに
さんざん出遭ったった事が
喜ばしい事だったという
気持ちにもなるでした。
「醜い家鴨の子」 アンデルセン 著
人気ブログランキングへ
この白鳥の子が
卵のときから白鳥の中で誕生し、
白鳥の群れの中で
すくすくと育っておれば
なんの問題も、他のモノから
とやかく言われることもなったのに、
どういう理由だか、
家鴨の卵と混じってしまったことで
その白鳥の子は、
醜い家鴨の子として、
育たざるを得なかった
そして醜い家鴨の子として育ったことで、
白鳥の存在感を改めて学ぶことができた。
逆にみっともないという理由だけで
言葉に出来ないような迫害を受けてきた
みっともないとは普通ではないということ、
ちょっと背が高い、
ちょっと色が違うというだけで
いじめられてしまう。
みんなと違うことは個性であり、
幸せであるはずなのに
その他大勢、偏差値評価、
今この人間社会の物指しという
評価基準を見直す時期…!
とアンデルセンは伝えたかったのかもしれない。
そして個性のある子どもに、
勇気を与えてくれたのかもしれない。
今こうした絵本や童話を大人が
改めて読む時であると痛感している
完
早起き鳥
人気ブログランキングに参加
読者の皆様のご支援に心から感謝申し上げます。