トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

我家の登山遠足

2008-06-09 21:23:00 | ポエム
小さなお尻をひょこひょこ揺らして
あーちゃんはどんどん山を登って行った。

最初はお兄ちゃんが先にどんどん登って行っちゃって
見えなくなったのに途中でバテてた。

それを軽々と追い越してどんどん登っていくあーちゃん。

確かに先生が行ったとおり道幅も狭く、坂道も石の階段が続いているような山だった。
片側は崖になっている。

そんな風景もお構いなしにちょっと休むとあーちゃんの姿が見えなくなりそうで
ついて行くのが必死だった。

頂上に着くと足元に町並みが広がっていた。

岩場に座りみんなでお弁当を食べた。

前の晩に雨が降ったらしく、足場は泥で滑りやすくなっていた。

一休みして坂道を下った。
先生が心配していたのが嘘のようにあーちゃんはスタスタと降りていった。

『まってー。あーちゃん、すべって転んじゃうよ』

と言っているうちにスッテーンとあーちゃんがしりもちを着いた。
おしりは泥だらけ。

あーちゃんは「エヘへ」と笑ってまたスタスタと降りていった。

途中で笹笛を作った。
子供の頃はよく作って遊んだ。

あーちゃんはそれがすごく気に入ったらしく何本も作って
『プープー』と吹きながら山を降りた。

初夏を思わせるほど暑い一日だった。
あーちゃんは家に着くまでずっと歌を歌っていた。

『お母さん。面白かったね。楽しかったね』

何度もそう言った。

『お母さん、良い日曜日だったね』お兄ちゃんが言った。

『うん。そうだね』と言ったら、鼻の奥がつんとなった。