私は刺激を求めて彷徨い歩く。
子供の頃から、全てが無だった気がする。
誰も私に刺激を与えない。
楽しい事も悲しい事もない。
寂しいという感情だけがいつも渦巻いていた。
誰も私に気がつかない。
大声で泣いても誰も振り向かない。
地団駄を踏んで怒っても誰も相手にしない。
まるで生活に色がなかった。
誕生日も誰も祝わない。
姉の誕生日も知らない。
弟の誕生日も知らない。
誕生日を祝う事を知ったのは小学校に上がってから。
友達が誕生日の次の日に自慢げにプレゼントを見せた。
その時初めて誕生日を祝うのだと知った。
私は自分の誕生日も知らなかった。
毎年自分の誕生日に母に「今日は何の日か知ってる?」と聞くと
「さぁ?何の日だっけ」と言われた。
誰も私におめでとうとは言わなかった。
私も誰の誕生日にもおめでとうとは言わなかった。
クリスマスもない。
サンタクロースはうちには来ない。
サンタクロースと言う存在すら小学校に上がるまで知らなかった。
お雛様もなかった。
友達の家の五段飾りのお雛様が綺麗で、可愛くて何度も何度も見に行った。
楽しい刺激など何もなかった。
毎日恐怖に怯えるわけでもなかった。
父は恐い存在だった。
何時怒り出すか分からなかった。
でもその殆どは無視だった。
私達兄弟は部屋の片隅でジッと静かにしている限り
怒られる事はなかった。
父が帰ってきたら布団にもぐって寝るだけだった。
どんなに学校や友達の悩みを抱えても相談する人はいなかった。
相談しても母の背中が振り向く事はなかった。
自分で解決しなきゃ。
頼れるのは自分だけ。
泣いたところで誰も気がつかない。
遠くで「ちっこは何を泣いてるの?」と聞こえる時はまだマシ。
様子を見に来て「どうしたの?」と聞いてくれる事は一度もなかった。
ただ、虚しく、自分は無用の存在に思えた。
刺激が欲しい。
自分が活躍する場所が欲しい。
生きている意味が知りたい。
親にすら誕生日を覚えてもらえない自分。
抱かれた記憶も、膝に乗った記憶もない。
なぜ生まれた?
どうして自分はこの世に生まれたのだ?
ずっと、ずっと想っていた。
「神様、なぜですか?なぜ私はここにいるのですか?」
何度も真っ暗な空に聞いた。
悲しくもない。
苦しくもない。
楽しくもない。
だから私の感情は飢えていた。
心のそこから怒りたい。
心のそこから泣いてみたい。
心のそこから喜んでみたい。
そうして、私は夫と出会った。
夫との生活はジェットコースターのようだった。
苦しいと言いながら満足していたのだ。
今、夫を失って私は新たな刺激を求めだした。
だから、毎日がこんなに苦しいのだと知った。
穏やかな毎日は私に恐怖を呼び起こさせる。
駆り立てられる渇望感は私を蝕んでいくだろう。
心の奥底に深く深く沈んでいた扉が今開いた。
今日も私の話を聞いてくれてありがとう
子供の頃から、全てが無だった気がする。
誰も私に刺激を与えない。
楽しい事も悲しい事もない。
寂しいという感情だけがいつも渦巻いていた。
誰も私に気がつかない。
大声で泣いても誰も振り向かない。
地団駄を踏んで怒っても誰も相手にしない。
まるで生活に色がなかった。
誕生日も誰も祝わない。
姉の誕生日も知らない。
弟の誕生日も知らない。
誕生日を祝う事を知ったのは小学校に上がってから。
友達が誕生日の次の日に自慢げにプレゼントを見せた。
その時初めて誕生日を祝うのだと知った。
私は自分の誕生日も知らなかった。
毎年自分の誕生日に母に「今日は何の日か知ってる?」と聞くと
「さぁ?何の日だっけ」と言われた。
誰も私におめでとうとは言わなかった。
私も誰の誕生日にもおめでとうとは言わなかった。
クリスマスもない。
サンタクロースはうちには来ない。
サンタクロースと言う存在すら小学校に上がるまで知らなかった。
お雛様もなかった。
友達の家の五段飾りのお雛様が綺麗で、可愛くて何度も何度も見に行った。
楽しい刺激など何もなかった。
毎日恐怖に怯えるわけでもなかった。
父は恐い存在だった。
何時怒り出すか分からなかった。
でもその殆どは無視だった。
私達兄弟は部屋の片隅でジッと静かにしている限り
怒られる事はなかった。
父が帰ってきたら布団にもぐって寝るだけだった。
どんなに学校や友達の悩みを抱えても相談する人はいなかった。
相談しても母の背中が振り向く事はなかった。
自分で解決しなきゃ。
頼れるのは自分だけ。
泣いたところで誰も気がつかない。
遠くで「ちっこは何を泣いてるの?」と聞こえる時はまだマシ。
様子を見に来て「どうしたの?」と聞いてくれる事は一度もなかった。
ただ、虚しく、自分は無用の存在に思えた。
刺激が欲しい。
自分が活躍する場所が欲しい。
生きている意味が知りたい。
親にすら誕生日を覚えてもらえない自分。
抱かれた記憶も、膝に乗った記憶もない。
なぜ生まれた?
どうして自分はこの世に生まれたのだ?
ずっと、ずっと想っていた。
「神様、なぜですか?なぜ私はここにいるのですか?」
何度も真っ暗な空に聞いた。
悲しくもない。
苦しくもない。
楽しくもない。
だから私の感情は飢えていた。
心のそこから怒りたい。
心のそこから泣いてみたい。
心のそこから喜んでみたい。
そうして、私は夫と出会った。
夫との生活はジェットコースターのようだった。
苦しいと言いながら満足していたのだ。
今、夫を失って私は新たな刺激を求めだした。
だから、毎日がこんなに苦しいのだと知った。
穏やかな毎日は私に恐怖を呼び起こさせる。
駆り立てられる渇望感は私を蝕んでいくだろう。
心の奥底に深く深く沈んでいた扉が今開いた。
今日も私の話を聞いてくれてありがとう