トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

飲み込んだ涙

2007-04-27 17:51:11 | 元夫婦
私に教えてくれているKさんは真面目という言葉がぴったり当てはまりそうな感じがする

丁寧な言葉遣い、腰の低さ、私が間違っても顔色ひとつ変えず
「はいはい。じゃあこれとこれを直して」と淡々と話す

たまに冗談かなと思うような面白い事を言ったりする
思わず笑ってしまい振り向くと無表情のまま頷いていたりする

同じ課の人達もいつも難しい話をしている。
他の課が和気藹々やっている印象とはちょっと浮き上がった感じがする

それでも皆さんとても親切で私は居心地が良いと感じていた
コピーを取っていると同じ課の女性がやってきてちょっと立ち話をした。

話の中で私にKさんは飲み会も一次会で帰ることが多く
お酒も飲めないと言った

「そうだと思った。。。」と心の中で呟いた

ある日Kさんが電話を掛け始めた
突然いつもと全く違う声で「お父さんです」と言った
家族と話をする事が楽しくて仕方がないという印象だった

そこからは暖かい家庭の匂いが感じられた
入学したばかりのお子さんがいるのだと言っていた

電話を切って仕事を始めたKさんの横顔を、そっと覗いてみるといつもの厳つい顔をしたKさんだった
きっとKさんは家族以外何もいらないんだろうなって思った

ただ働いて守って暖かいものに包まれて生きていく
そういう人なんだろうなって思った

なぜか目の奥がジンジンとして泣きそうになった

私が必死で求め続けても決して手に入らなかったものを
やすやすと当たり前のように育んでいる人がいる

誰かに依存する事もない。
何かを得すぎる事もない。
あるものをあるがままに受け入れ生きている人がいる

Kさんからは揺らぐことのない安心感の中で生きている空気を感じた
誰も入ることの出来ない
誰も壊すことが出来ない
そんな世界。

あー。世の中にはこんな風に生きている人がいるんだ
私の求めるものを作り上げられる人がいるのだ
その事にとても感動した

私はKさんに会えて良かったなと思ってまた涙を飲み込んだ

今日も私の話を聞いてくれてありがとう