Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた

2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

『はい、私はあなたを愛しています。あなたがすべてです。あなただけを求めています。あなたを全ての霊魂に与えたい。』

2022年10月26日 | お説教・霊的講話

2022年9月3日 修道院お説教
小野田神父

聖父と聖子と聖霊との御名によって、アーメン。

愛する兄妹姉妹の皆様、今日は聖ピオ十世教皇様の祝日です。聖ピオ十世会の守護の聖人、聖ピオ十世教皇様です。ですから今日聖ピオ十世教皇様がなさったことを一緒に黙想いたしましょう。

今日の福音で主はペトロに尋ねます。
『ヨハネの子シモン、あなたはこの人たちよりも私を愛しているか?』
ペトロは答えます。
『主よ、そうです。あなたがご存知の通り私はあなたを愛しています。』
同じことを主は3回聞いて、ペトロは同じことを3回答えます。

イエズス様が教皇様とそしてまたすべての司祭、ご自分の代理者に求めることは、まさにこのことです。イエズス・キリストに対する愛です。ヨゼフ・サルト聖ピオ十世教皇は子供の時から、イエズス様に対する愛に特徴付けられていました。天主に対する湧き出る愛と、その天主による愛によって、隣人に対する愛に深く形づけられていました。特に今日は教皇様となって、いったい何をなさったかを黙想しましょう。

1903年8月4日ヨゼフ・サルトは教皇に選ばれました。教会にとっては非常に難しい時代でした。なぜかと言うと、フリーメイソンが教会を破壊しようと一生懸命になっていたからです。聖ピオ十世教皇様は、イエズス・キリストへの愛として十字架として受難のカリスとして、これを受け入れました。

最初の回勅で何をおっしゃったかと言うと、『私の願いはたった一つ、天主の利益が私の利益である。私は天主の代理者としての他の何ものをも求めない。私はイエズス・キリストがすべてであって、イエズス・キリスト以外の何ものをも求めない。すべてをキリストにおいて復興させる。復活させる。イエズス・キリストだけを求めている。もしも私に別のことを何か探るなら全く無駄だ。』
これが聖ピオ十世教皇様のプログラムでした。

イエズス・キリストを愛したがためにイエズス・キリストにすべてを捧げたためにイエズス・キリストだけを霊魂たちに与える、これしか他には破壊された今の社会を救う方法がない、ということでした。

そのために聖ピオ十世教皇様は何をなさったでしょうか。

司祭を聖なるものとすることです。司祭たちがイエズス・キリストを愛するように、イエズス・キリストの似姿になるように、第二のキリストになるように、イエズス・キリストの生き写しになるようになること、これを求めました。

特に司教達に、司祭たちの養成を注意深く見守るようにと、霊的にも学識にもそして規律にも聖徳の高い司祭を生み出すようにと、あなたたちの一番の関心はこれでなければならない、だから神学校を最も大切に考えよ、とおっしゃいました。イエズス・キリストの司祭を通して全世界をキリストにおいて復興させようと思いました。

次に、司祭を聖なるものとする他には何をしたでしょうか。イエズス・キリストの教えをそのまま伝えることです。特に公教要理を、イエズス・キリストの教えを説教させることによって、イエズス・キリストを伝えようとしました。特に司祭が公教要理を大人達にあるいは子供達に教えて、現代のいろいろな異説とか異論に反対することができるように、そういう反対意見に対応できることができるように準備させようとしました。

頭だけではありませんでした。ご聖体を大切にして、そして特にご聖体を子供達に与えることによって、イエズス・キリストを与えようとしました。イエズス・キリストを受けることによって、私たちはますます聖となることができます。ですから教皇様は御聖体の教皇様とも呼ばれています。

そればかりだけではありませんでした。司祭は何のために存在するかと言うと、ミサ聖祭を捧げるためにあります。十字架の生贄を再現させることにあります。このミサが最も美しく捧げられることができるように、司祭が聖徳で飾られるのみならず、グレゴリオ聖歌で美しいミサを捧げることができるように配慮しました。

そればかりではありません。特に聖ピオ十世教皇様の苦しみはフリーメイソンの対立でした。現代では、お金持ちたちが世界の富のもしかしたら半分をあるいはもっと多くを持っているような人たちが国家を越えて国家よりももっと上に自分達の株式会社を立てて、それを通して世界を支配しようとしているかもしれません。

その当時今から100年前は、国家があたかも最も神聖であって、国家よりも聖なるものがなく権威あるものがないかのように宣伝していました。国家は教会の上に立つものであるかのように、イエズス・キリストが建てた教会を支配することができるかのように宣伝していました。それがフリーメイソンのイデオロギーでした。教会を自分の支配下に置くためにすべてをしました。

例えばどんな事があったかというと、フランスではフランス革命直後にナポレオンとピオ七世が政教条約を結んでいました。しかしフリーメイソンのフランス共和国はこの政教条約を一方的に破棄しました。教会の立場を認めないで、教会はスポーツクラブやサッカークラブと同じ立場だ、そして教会の財産を没収する、もしも教会が当局のいう通りにしなければ追放する、と非常に厳しい脅迫と脅しをかけました。

聖ピオ十世は何を考えたかというと、イエズス・キリストでした。イエズス・キリストのすべて、そっくりそのまま全部でした。イエズス・キリストがそのまま霊魂たちに与えられる事でした。もしもイエズス・キリストの教えが歪められてしまうなら、イエズス・キリストの教えの通りを私が教えることができなくなるならば、それならば没収するが良い。好きにすれば良い。

しかし私はイエズス・キリストを自由に宣教する。イエズス・キリストの教えのままを教える、でした。そのような毅然とした態度を見てフランス政府は聖ピオ十世に何もすることができませんでした。恐れて何も、手を触れることさえもできませんでした。そのおかげで教会は自由を維持できました。

聖ピオ十世はいつもイエズス様の呼びかけにこう答えました。
『シモン・ペトロ、お前は私を愛するか』
『はい、私はあなたを愛しています。あなたがすべてです。あなただけを求めています。あなたを全ての霊魂に与えたい。全世界を、あなたを与えることによって復興させたい。健康にさせたい。永遠の命に導きたい。そのあなたを与える司祭を養成したい。』

では、聖ピオ十世教皇様にお祈りいたしましょう。私たちにもこの教皇様の愛を、イエズス・キリストに対する愛を、与えてくださることができますように。聖ピオ十世教皇様のお考えに従って私たちの修道会がイエズス・キリストを愛し、霊魂を愛することができますように。イエズス・キリストを、そのまま伝えることができますように。

最後にマリア様にお祈りいたしましょう。聖なる司祭を私たちにたくさん与えてくださるように。多くの司祭召命を私たちに与えてくださりますように、お祈りいたしましょう。

聖父と聖子と聖霊との御名によって、アーメン。



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