Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた

2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

スウェーデンの聖ブリジッタの生涯は、私たちにどのようなことを教えているのか。

2023年01月03日 | お説教・霊的講話

2022年10月8日(土)修道院での説教

父と子と聖霊との御名によりて、アーメン

愛する兄弟姉妹の皆様、今日は聖ブリジッタという聖女の祝日を祝っています。聖ブリジッタという名前を聞いたことがあるかもしれません。いったいどのような人だったのか、一緒に黙想して、遷善の決心を立てることにいたしましょう。

聖ブリジッタという方はスウェーデンの聖人で、1303年に生まれました。お父さんもお母さんも非常に高貴な貴族で、王とも繋がりがあって、非常に敬虔な方々でした。お父さんは特に聖地巡礼にも行ったり、またお母さんは子供が8人あって、聖ブリジッタはそのうちの一人でした。とても信仰に熱心な家族に生まれました。

ある時、まだ八歳だった頃、聖ブリジッタは十字架像のイエズス様を見てこう尋ねました。
「イエズス様、一体誰があなたをそんなに苦しめたのですか?」

すると、イエズス様は神秘的に彼女にこうお答えになりました。
「それは、私の愛を軽蔑する多くの人がそうするのだ。」

その時に、聖ブリジッタは幼いながらイエズス様の愛を愛で返そうと思いました。十歳の頃から、頻繁にイエズス様からの啓示を、話を受けるようになったとのことです。聖ブリジッタが受けたいろいろな啓示は本として書かれて、私達の所にも伝わっています。

ところで聖ブリジッタは、イエズス様をお慰めするためにぜひ一生をマリア様のように童貞としてイエズス様に捧げたい、と思っていました。ところが、お父さんの命令と願いで「スウェーデンの立派な貴族の男性がいるから彼と結婚しなさい」と言われて、それを断ることができませんでした。13歳の時にこの貴族の男性と結婚しました。そして子供を8人儲(もう)けました。

結婚生活を20年過ごした時に、夫は亡くなりました。子供達はまだ小さいかったのですが、聖ブリジッタは自分の手で子供たちを敬虔に育てました。ついに聖女の8人の子供たち皆が大人になるまで成長します。そのうちの一人はスウェーデンの聖カタリナとして聖人にもなっています。またスウェーデンの王の要請によって、新しく結婚した女王様が外国からの人だったので、スウェーデンの言葉を勉強させたり、あるいは王室のしきたりを教える者として頼まれ、それを一生懸命やりました。

聖ブリジッタは40歳になっても、イエズス様のためにイエズス様の愛に愛で応えたいという望みは消えることはありませんでした。そこで全てを捨てて、修道女になろうと決心しました。修道会に入会して、清貧と貞潔と従順のひっそりとした祈りと犠牲と清貧のうちに生活することを望みました。

ところが既存の修道会に入会するのは許されず、むしろ新しい修道会を創立するようにとの要請を受けました。それに従うためにローマに行き、教皇様に会って、新しい修道会の創立の許可を求めようとしました。

しかしローマに行ってみると、教皇様はあいにく不在で会うことはできませんでした。教皇様の帰りを待ちつつも、その時間を利用して聖地にエルサレムにも巡礼に行きました。その後、聖ブリジッタはついにスウェーデンに帰ることがなく、母国を見ることがなくローマで亡くなります。修道会を創立して亡くなります。

聖ブリジッタにとっては、やろうと思ったことが必ずしもすべてが順調ですべてがうまくいったわけではありません。しかしイエズス様への愛を慰めたいとのその思いが、最初の思いを貫くことができました。いろんな困難があっても、それを乗り越えて貫きました。

では、聖ブリジッタは、私たちにどのようなことを教えているのでしょうか。
どのようなことをしてイエズス様をお慰めしようとしたのでしょうか。
聖ブリジッタの受けた啓示というのは一体何だったのでしょうか。

その当時、イエズス様が特別に選ばれた霊魂たちに教えたのは、ご自分の愛の秘密でした。どのようにしたらイエズス・キリストをお慰めすることができるのか、イエズスはご自分の聖心の秘密を、聖ブリジッタに明かしました。そればかりか聖ブリジッタは、その当時から聖ドミニコがやっていたように、「天にまします」と「めでたし」を唱えながらイエズス様のご生涯を黙想する、つまりロザリオというイエズス様にとても気に入るやり方でお祈りをしていました。

聖ブリジッタが、当時は特別に知っていたような知識や信心は、実は、今のカトリック教会においては公然のことであって、よく広められていることです。

その当時にはほんの選ばれた少数の霊魂達しか知らないことでも、今では私たちが知っています。イエズスの聖心の愛の秘密、ロザリオの力強さ、どれほどロザリオが力があるのか、どれほどイエズス様の聖心を動かしてマリア様の御心を動かすことができるか、私たちは知っています。なんと現代の私たちは恵まれていることでしょうか。

今日ぜひ聖ブリジッタに倣うことにしましょう。困難があっても、イエズス様の愛を慰めることができますように。聖心を愛することができますように。またロザリオをもって、マリア様にお祈りすることができますように、お祈りいたしましょう。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

Photo Credit


アビラの聖テレジアの人生と、聖女が私たちに教えていること

2023年01月03日 | お説教・霊的講話

2022年10月15日(土)大阪での説教

トマス小野田神父

聖父と聖子と聖霊の御御名によりて、アーメン。

今日はアビラの聖テレジアの祝日です。 

アビラの聖テレジアは、スペインの高貴な家庭に1515年に生まれました。
子供の頃から敬虔な両親のもとで育てられたので、幼い頃から聖徳の望みを表していました。ある時、聖人伝を読んで、殉教者の話を聴いて、自分も殉教者になりたいと思って、家をこっそり抜け出して、アフリカへ行って殉教しようと思いました。結局叔父さんに迷子になったテレジアを見つけられて、家に戻ってきましたが、殉教出来なかった代わりに他の祈りと償いで それをその代わりをしようと思っていました。

お母さんが亡くなって二十歳になった時に、家を今度は本当に出て、カルメル会の修道院に入りました。

しかし、最初の18年間は殉教のような生活でした。病気に苦しんで、全く祈りもできず、天からの慰めもなく、何のために修道院に入ったのかと思われるような味気のない生活を送っていました。

しかしそのような、あるいは何のためにという誘惑、あるいは何の味気もないという砂を噛むような生活でも、あるいは役に立たない屈辱の生活を送ったとしても、決してそれを放棄することなく、最後まで耐え忍びました。

その後、十字架の聖ヨハネとともに、より厳しいより厳格なカルメル会の修道生活を送るために、改革カルメル会を創立することになります。

その聖テレジアのもとで、特に聖テレジアのイエズス・キリストに対する愛のためにそのイエズス・キリストのために苦しみたいというその愛に惹かれて、その模範に寄せられて、多くの女性が改革カルメル会に入会しようとやってきました。まったく人間的には、資金もあるいは力も支えもなかったのですが、時には高貴な人々や貴族たちはアビラの聖テレジアの計画に反対さえもしたのですけれども、それにもかかわらず43の修道院を作りました。

アビラの聖テレジアは、これを聖ヨゼフの取り次ぎのおかげだ、と、聖ヨゼフに取り次ぎして決して裏切られたことはない、と、言っています。

アビラの聖テレジアは、こうやってイエズス様のために苦しむか、あるいはイエズス様のために死ぬこと、・・・殉教を望んでいました。結局イエズス様の愛の炎に包まれて、霊魂をイエズス様の元に返します。それはちょうど教皇グレゴリオのもとで、暦の改革の時でした。アビラの聖テレジアが亡くなったのは1582年と記憶しますが、それの10月4日から15日の間の夜のことでした。アビラの聖テレジアのお身体は、今でも腐敗せずに残っています。

アビラの聖テレジアが私たちに教えていることは、苦しみの価値です。

私たちはこの現代世界の人々、この世の人々ともに、苦しみというのは避けるものである、苦しみというのはあってはいけないものである、私たちは苦しまなくて当然であって、苦しむということは一番悪いことだ、と考えがちです。

しかし、イエズス・キリストとアビラの聖テレジアは、聖人たちは、私たちに、いや苦しみこそ私たちがイエズス様に対する愛を証す絶好の時である、機会である、チャンスである、と考えていました。苦しみに大きな価値を見出していました。

有名な話は、アビラの聖テレジアが屈辱を受けたりあるいは馬鹿にされたり辱めを受けたりするその時、それをやった張本人の所に行ってありがとうと感謝した、という話です。

これはただ皮肉で言ったわけではなく、本当にそう思っていたのです。本当にその人が言う通りだと思っていたのです。あるいはそうやって取り扱って当然だと思っていたので、心から聖テレジアはそのような人々に感謝したのでした。感謝できなくても、直接表明できなくても、それを心からありがたく思っていました。アビラの聖テレジアに、私たちもイエズス様の御苦難に倣う恵みをお祈りいたしましょう。マリア様に御取次をお祈りいたしましょう。

聖父と聖子と聖霊の御名によりて、アーメン。


--このブログを聖マリアの汚れなき御心に捧げます--

アヴェ・マリア・インマクラータ!
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