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長崎の鐘 その2

2008年06月10日 | トマス小野田神父(SSPX)のひとり言
アヴェ・マリア!

 愛する兄弟の皆様、
 ミサ聖祭の信仰宣言(クレド)では、こう言います。「我ら人間のために、我らの救いのために、天から降り、聖霊によって童貞マリアから托身し、人間となり給うた」と。

 侮辱を受けたにもかかわらず、攻撃を受けたにもかかわらず、無視され侮られ屈辱され冒涜され忘恩を受けたにもかかわらず、この侮辱した人間のために、この攻撃した人間のために、無視し侮り屈辱を与え冒涜し恩知らずの人間のために、敢えてその罪の償いと赦しのために、天主様は人となってお生まれになったのです。それがクリスマスです。

 全ての人は、そして全ての民族は、天主様の前で、大きな罪を犯し、赦された存在です。

 全ての人間・民族は、天主様から赦される手前、自分の兄弟に赦しを与えないわけにはいきません。10億円の負債を憐れんでチャラにしてもらった人間が、どうしてその兄弟の10万円の負債の返済を要求して、兄弟を告発することができるのでしょうか。10億円の返済を免除されつつ、10万円の負債の返済を、債務者の子供たちに、子々孫々に要求し続けることができるのでしょうか? 天主様の正義は、負債を赦すことを要求するのです。憐れみを受けたのだから、憐れむことを要求するのです。それが天主様の正義です。天主の正義は、憐れみなのです。

 天主様を恐れない政治家は返済せよ、謝罪せよ、というかもしれません。天主様から厳しい正義を要求されることも知らずに、兄弟の子々孫々にまで謝罪と賠償を要求するかもしれません。

 しかし、真の天主様の代理者は、カトリックの司教様や司祭は、天主様の正義である憐れみを、相手を赦すことを、兄弟たちにまず促すのではないでしょうか。過ちは人間の業、赦すは天主様の業。

 長崎のクリスマスの鐘は、天主様が人間を赦すために生まれ給うことを、天主様がまず人間を憐れみ給うことを、天主様が人間に天主様の正義である憐れみを要求することを、それこそが本当の天主様の与え給う平和であり、天主様の正義であることを告げているのです。それこそが、本当の正義と平和なのです。それこそが、旧教の精神です。

 長崎の鐘は、アンジェルスの鐘でした。主の御使いの告げの鐘、天使の告げの鐘でした。
 2000年前のクリスマスの夜の、天使たちの歌を準備した、天使の告げの鐘です。「天のいと高きところに天主に栄光、地には善意の人々に平和!」というクリスマスの天使たちの歌を準備した天使の告げの鐘です。何故なら平和は天主様からの賜物だからです。天主様無しに人間だけの力で本当の平和を作り出すことは出来ないからです。「天のいと高きところに天主に栄光!地には善意の人々に平和あれかし!」

 浦上には、この善意があり、感謝があり、赦しがあり、平和がやってきたのです。そしてこの平和は、日本に広がったのです。長崎の鐘、平和と赦しの鐘は、終戦後、長崎から日本に鳴り響いたのです。私たちの主は、私たちを赦すために生まれ給うた、イエズス・キリストは、私たちの祖国日本を赦し給うた、浦上の8000名の聖なるはんさいのいけにえによって、浦上の感謝によって、日本を赦し給うたと、天主様の正義の鐘がすでに鳴り響いたのです。

 願わくは、この長崎の鐘の精神が世界中に鳴り響きますように! 願わくは、この天主様のクリスマスの憐れみという精神が世界中に鳴り響きますように!

 
 私は、先週金曜日からのバコロドのミッションが終わり、これからイロイロに戻ります。

無原罪の御宿りよ、我らのために祈り給え!

トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)

--このブログを聖マリアの汚れなき御心に捧げます--

アヴェ・マリア・インマクラータ!
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