モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

プレモダンローズの系譜 ④ ブルボンローズの誕生

2008-12-31 08:48:36 | バラ

レユニオン島の住人A.M. Perichonは、1817年以前に島にあるバラとは異なる品種を発見し、それを育てて生垣用として配った。島では、耕作地の垣根をバラで囲っており、中国原産のコウシンバラ(パーソンズ・ピンク・チャイナ)とダマスクバラが植えられておりこれらとは異なる品種だった。
コウシンバラ(パーソンズ・ピンク・チャイナ)は、アメリカ・チャールストンでノアゼットローズの片親となっている重要なオールドローズだ。

レユニオン島の説明が必要だが、アフリカ、マダガスカル島の東のインド洋上にある島で、現在は、フランスの海外にある4つの県のうちの1つで、コーヒーの木のオリジナル種ブルボンがあることで知られる。

この島は、大航海時代の1507年にポルトガル人が発見したがこの時は無人島だった。1645年にフランス東インド会社が入植を開始し1714年からコーヒー栽培を行った。
この島でのコーヒーの栽培はシンプルだけに面白いので、興味があればUCCコーヒーのサイトで、「幻のブルボン・ポワントゥの物語」をご覧いただきたい。

コーヒーの木も同じような背景があるが、隔離された島であり二つしかないバラから生まれた第三のバラが誕生した。

ブルボンローズ
・学名:Rosa borbonica Hort.Monac. (Rosa chinensis x gallica)
コウシンバラとガリカの交雑種
・英名:The Bourbon Rose

レユニオン島の植物園長として1817年に着任したフランスの植物学者ブレオン(Jean Nicolas Bréon 1785-1864)は、このバラに興味を持って調べ、ダマスクバラの“オータム・ダマスク”と中国産コウシンバラの変種“パーソンズ・ピンク・チャイナ”との自然交雑種であると考え、1819年にこのバラから得た種と苗をフランスのルイ・フィリップ王のバラ園で働く友人のジャックス(Antoine A.Jacques)に送った。

ジャックスは、1821年に初めて開花させ1823年にはフランスの育種家に苗木を配布した。この種が、「ブルボン・ローズ」と呼ばれるもので、ローズピンクで半八重咲き芳香がある。

このブルボン・ローズは、バラの画家ルドゥテにより1824年に最初に描かれていることでも知られており、ルドゥテは、絵の素晴らしさだけでなくバラの歴史の貴重な資料として使えるほど植物画としても正確性を有していた。

ブルビンローズの重要な役割は、さらに中国産のローズと交配され「ティーローズ」を生み出し、この「ティーローズ」からフランス人のギョーが1867年に「ハイブリッド・ティ」を作出したことにある。現代のバラの多くはこの系統に続く。


コメント    この記事についてブログを書く
« プレ・モダンローズの系譜 ③... | トップ | サルビア・ミニアタから 新... »

コメントを投稿

バラ」カテゴリの最新記事