モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

ペレニアル・フラックス (Perenial Flax)の 花。一日花。

2009-04-28 08:53:49 | その他のハーブ
(写真)ペレニアル・フラックスの花


最初に開花する花はもっとも美しい。
久しぶりの出会いであり新鮮な驚きがよみがえる。

しかも、5千年前から人類とともに歩いたフラックス。
その太古の知を感じさせる透きとおった青は目にしみる。

朝日が昇る頃に深いブルーのつぼみとなり、日が昇るにしたがって花開くが、夕方5時頃には散る。
たった一日のためだが、このブルーの花は決して手を抜いていない。永遠に続くかと思われる完璧な仕上がりでお目見えできる。

五千年の年輪がありそうだ。
風が吹けば柔らかく受け流し、一緒にしなる。外見からは強さを感じないが、内剛外柔でとても強い芯を持っている。

コモンネーム(Common names)の推移が残っていて、植物の名前の呼ばれ方がわかる。
1806年には単にフラックス(Flax)であり総称されていた。1845年にはフローリング・フラックス(Flowering flax)と花が強調され分化する。さらに多年生であることから1878-1942年には現在も使われているペレニアル・フラックスとなった。
現在もっとも使われているのは、花色をさらに強調した「Blue flax」となっている。

(写真)ペレニアル・フラックスの葉と花


ペレニアル・フラックス(Perenial Flax)
・アマ科アマ属の耐寒性がある多年草。ただしフラックスは1年草。
・学名はLinum perenne.L.。英名Blue Flax、Perenial Flax、Linseed。和名 アマ(亜麻)
・原産地はヨーロッパになっているが、中央アジアではないかとともいわれている。
・草丈30~60cmで細長い茎が風にそよぐように直立する。
・茎の先に花穂をつけ、青い花をつける。朝花を開き陽が沈む頃に落ちる。
・開花期は5~8月と長く咲くが、4月末から咲き始めた。
・夏の開花後に茎をカットする。
・日当たりと水はけのよい肥えた土壌を好む。
・フラックスの種子から亜麻仁油が取れるが、リノール酸、オレイン酸などが含まれておりうれしい贈り物だ。(ただし、自分で採油するのは注意が必要です。)
・茎からは、耐久力に優れた繊維がとれこれで織った織物がリネンとなる。
・日本には、17世紀に中国から渡来し亜麻仁油をとるために栽培されはじめた。

命名者
1.リンネLinnaeus, Carl (1707-1778) 、1753年
2.ラマルクLamarck, Jean Baptiste Antoine Pierre de Monnet de (1744-1829)、 1779年改定
3.Villars, Domínique (1745-1814) 1787年改定
ドミニク・ビラース、フランスの植物学者。1805年にストラスブールの植物学や医学教授
4.Gussone, Giovanni (1787-1866) イタリアの植物学者ナポリ大学の教授。

          

<Contents of the last year>
古代エジプトから人間に有用な植物であり、
茎は上質の織物となり
タネは薬用の油が取れる。

しかも、栽培が簡単ときているから申し分ない。

鉄鋼とガラスとエレベーターがあったから摩天楼が建築できたように
フラックス(属名 Linum)の茎の繊維リンネルがあったから
長期間の航海に耐えられる帆となりロープとなり繊維の強靭さが生かされた。
羅針盤、大型船、リンネルがそろって15世紀からの大航海時代が始まったともいえそうだ。

日本には、17世紀に中国から渡来し亜麻仁油をとるために栽培されはじめた。

21世紀ともなると
大“後悔”時代のメタボリックシンドロームを気遣ったありがたい成分オレイン酸がこの植物にはあり、食油を選ぶ場合はオレイン酸がはいったものを選ぶことになる。

フラックスからつくられた高級織物リネンは
自重の20倍まで湿気を吸収しかつ空気中に放出するようなので、夏涼しく冬暖かいという特色を持ち“天然のサーモスタット機能”とも言われている。
ベットのシーツなどには最適で贅沢ではあるが豊かな安眠が約束されるようだ。

茶色に薄い黄色が入ったリネンの自然の色合いである“亜麻色”のベットシーツは
肌に優しく静電気、アレルギーなどから守ってくれ、親から子へと代々受け継がれてもよい生活良品でもある。


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2 コメント

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亜麻色の髪の乙女 (花ひとひら)
2009-04-28 20:44:57
小さな零れる花にオオイヌノフグリがあります。私はこの花がもっと大きかっつたら素敵だなと夢見ていました。最近はブルーの花もおおくなりましたが、この「ペレニアル・フラック」はそんな思いを叶えてくれそうです。
エッ!そんなに簡単に栽培ができるのですか。しかも油もとれ、繊維も利用出来るとは、言うこと無しですね。
青い花はリネンになって亜麻色の髪の乙女になるのですね。
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花ひとひらさん (tetsuo)
2009-04-29 14:10:37
オオイヌノフグリは初めて知りましたが、日本原産ではなくヨーロッパの花なんですね。
感じが似ています。良くご存知で。
花後に茎を刈り取り繊維を取り出してみます。
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