モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

ワレモコウ(吾亦紅、吾木香)の花

2008-09-23 09:02:04 | その他のハーブ

(写真)ワレモコウの花


秋を代表する名花、ワレモコウ

このワレモコウには、いくつかの言い伝えがあるが、
「 われもこうありたい 」というはかない想いでつけられたという“ワレモコウ”
この説が一番似合っている。

花姿から受ける印象は、渋さを感じるし、孤高でもある。
秋は尾花にしても哲学する植物が多い。

源氏物語では、兵部卿(ひょうぶきょう)の宮(匂宮)は、
香りがするので珍重した庭木として吾木香をあげているが、
“見栄えがしない”という当時の評価が描かれている。

『老いを忘れる菊、衰え行く藤袴、見ばえのしない吾木香などをすっかり色香があせてしまう霜枯れの頃までも珍重なさるという風に、殊更めかしく、匂いを愛でるということを主にしてお好みになります。』
(参考:京都府 源氏物語千年紀 匂宮(におうのみや)) 

美意識あるいは美的評価の違いを改めて感じる。


ワレモコウの近縁種に“サラダバーネット(salad burnet)”がある。
和名では、オランダワレモコウと呼んでいるが、古典的なハーブの一種で、
傷の止血として、ビタミンCが豊富なのでサラダとして食するなど大活躍しており、
ヨーロッパから新大陸への移民の必携・常備薬&食品でもあった。

ワレモコウ、地楡(ちゆ)、サラダバーネットなど呼ばれるが、止血剤として洋の東西で使われてきたハーブだ。

(写真)ワレモコウのつぼみと葉


ワレモコウ(吾亦紅、吾木香)
・バラ科ワレモコウ属の耐寒性がある多年草。近縁種にサラダバーネットがある。
・学名は Sanguisorba officinalis。英名は Great burnet(素晴らしいワレモコウ)。
・和名はワレモコウで主な漢字は2種ある。(吾亦紅、吾木香)
・北海道から九州、中国からシベリア・ヨーロッパに広く分布する多年草で、陽当たりが良い山腹、草原に自生する。
・草丈は70~100㎝程度で葉は切れ込みがあり楡(にれ)の葉に似る。中国では、この植物を地楡(ちゆ)と呼んだ。
・開花期は8月~10月。花弁がなく赤紫の穂状のようなものは萼(がく)で赤黒く色づく。この姿から別名ダンゴバナとも呼ぶ。
・漢方では根を乾燥させたものを地楡(ちゆ)と呼び、生薬でタンニンを含み止血剤として用いられる。

名前の由来
Sanguisorba(サングイソルバ)は、ラテン語の「sanguis(血)」+ sorbere(吸収する)」が語源。根にタンニンが多く、止血効果のある薬として利用されることから。
officinalis : 薬用の,薬効のある

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