瓶だし紹興酒がうまい店が神田神保町すずらん通り沿いにある。
中華料理店だが、「SANKOUEN」となると単なる中華料理店ではない。
西洋料理の経験があるシェフがいるのではないかと思えるほど、
横浜中華街では味わえない味がある。
1階入り口を入って左手にウエイティングバーを兼ねたカウンターがあるが、
このカウンターの左端がお気に入りの席で、
目の前に、瓶だし紹興酒の“瓶”がある。
これを眺めながら、
ロック、熱燗などもいいが、常温で飲むのが一番味がわかってうまい。
この日のメニューだが、
白菜のクリームソース煮が食べたかったので、
また、自分でもつくりたいのでその参考もかねて
近いメニューがあったが、無理をお願いしてつくってもらった。
この1品が決まると、
瓶だし紹興酒に合う1品を選ぶことになり、地鶏の季節野菜炒めをお願いした。
最後の仕上げは、当然チャーシューメンのチャーシュー抜きネギソバとした。
白菜のクリームソース煮

地鶏の季節野菜炒め

白菜のクリームソース煮は、とても中華とは思えない味で、
1cmぐらいの短冊に切られた白菜がシャキッとクリームソースとからまり、
おいしくいただけた。
古本屋さんをうろうろして冷えた身体を温める最適な一品だった。
う~む。
これを再現するのは厄介だな。ドロットせずにサラリと仕上げるのは・・・
身体が温まり、エンジンが廻り始めたので、
瓶だし紹興酒を1杯だけ飲むことにした。もちろん常温で。
口に含むと、多少とろみがあるスッキリした甘さが舌をうち、
飲み干すと、くどい後味が残らない。
アルコールというものを飲んでいるのだ、ということを意識させないので
水ではないが、水みたいな気分にさせる。
かって、グラスが面倒になり、デキャンタで頼み、相当飲んだことがあるが、
同量の日本酒を飲んだ場合は、翌日完全に使い物にならないこと間違いないが、
瓶だし紹興酒の場合は、そうならなかった記憶がある。
水みたいな気分とは、こんな経験からもきている。
地鶏というだけに固めの鶏肉が、野菜・きのこなどとからまり、
紹興酒の味を消してしまう。
仕上げのチャーシュー抜きネギソバは、
胃にやさしい上品なスープと細めんがマッチし、結構な本日のコースでした。
神田神保町には、中華のいい店がまだある。