モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

人形町 「よし梅(yoshiume)」

2007-08-03 10:08:29 | グルメ

汐留・新橋駅ビルにあるカウンターバー“side by side”で飲んでいたら
ママから、人形町「よし梅」の“ねぎま”を紹介された。

“ねぎま”は、ネギ+マグロであり、
マグロをネギと炊き合わせて食する江戸からの庶民の食べ物だ。
冷凍技術がなかった江戸時代は、トロなどはすぐ腐ってしまうので、
捨てられていたそうだ。
猫も見向きをしなかったというから
もったいない。

この捨てられる直前のトロをネギと炊きあわせで食べたのが “ねぎま”であり
現代では、もつ鍋・ホルモン(ほうるもの=捨てるもの)焼きに似ている。

ネギは、トロの臭みをとりうまみを出すので絶妙な組み合わせを考えたものだ。

この“ねぎま”の伝統を引き継ぐ店は少なくなっており、
たまに、すし屋でやっている場合がある。

人形町の「よし梅」は、
昭和2年創業というから老舗が多い人形町では新しい部類に入る。
しかしながら、人形町の情緒がある店であり、
私には、古い・懐かしい店作りだが、若者には新鮮な古さを感じるだろう。

左奥のカウンターに案内され、メインの“ねぎま”鍋を頼み、
ついでに、店の腕を見るために突き出し・お造り・炊き合わせを頼んだ。



最初に出てきた“ドジョウひしほ”は絶品だったので、
最後にテイクアウトをお願いした。
ドジョウをから揚げし、ひしほでからめたものだが、ドジョウのほろ苦さとひしほの
甘さが絡み合い日本酒のつまみとしてなかなかのものだ。

お造り・炊き合わせは可もなく不可もなくで、今では記憶に残っていない。



記憶に鮮烈なのは、やっぱり“ねぎま”鍋だ。
材料は、マグロ(トロ、赤身)・豆腐・シイタケ・エノキ・春菊・ねぎ。
普通の鍋風に煮えにくいものを先にいれ、マグロはしゃぶしゃぶ風に
色が変わったら食べる。

トロはおいしくないが、赤身は絶品だ。
口の中でかむと、身がホクとほぐれ、やわらかいうまみが口の中に広がる。
最高級の牛ステーキと同じ感覚だが、
牛ステーキは、パワフルでエネルギー多消費型だが、
“ねぎま”は、地球環境にやさしい味がする。

最後は、残った汁で雑炊となるが、満腹であった。
今度行くときは、印象の薄い物を捨て、“ねぎま”鍋+雑炊一本で十分と思った。

初めてのヒトは、7千円のコースがいいかも。
“ねぎま”“かも”鍋が選択できる。
酒は種類がないので魅力なし。

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