ICTで農業課題解決 京都南部、実用化へ提案次々

2018-02-05 10:40:25 | 賞 prize
 相楽東部3町村(笠置町、和束町、南山城村)が抱えるさまざまな課題を、情報通信技術(ICT)で解決できないか考える催しがこのほど、和束町で開かれた。耕作放棄地再生や鳥獣害対策などのテーマについて、携帯アプリや、さまざまな機器をインターネットにつなぐ「IoT技術」で解決するアイデアが提案され、実用化も視野に入っているという。

 催しは、京都府と、共有の仕事場を運営する「Impact Hub Kyoto」(京都市上京区)、IT団体などでつくる「共創ラボCO―LAB Kyoto」などが呼び掛けた。3町村の住民のほか、町村外からも参加があり、昨年9月に現地視察などを行って班ごとにアイデアを練り、11月に発表会をした。

 耕作放棄地再生について考えた班は、利用者が農業を疑似体験するゲームと連動して農家が野菜などを育て、利用者に野菜が実際に届くアプリを提案した。利用者が増えるほど現実の農地利用も広がる仕組みだ。肥料などをゲームで課金することもできるという。

 班リーダーで農業やIT事業を手掛ける丸田義之さん(31)=木津川市加茂町=は「あなたの畑を見に来ませんかと誘い、地域まで足を運んでもらうこともできるかもしれない」と思い描く。

 鳥獣害対策がテーマの班は、人工知能(AI)による学習でカメラが捉えた猿、鹿、イノシシ、鳥と人間を判別できるようにした機器と、赤外線センサーで生き物を感知すると音を鳴らす機器を試作。機器をIoT技術で連動させ、センサーが感知した動物をカメラで識別、動物ごとに苦手な音を鳴らして追い払うアイデアを提案した。

 農家と援農者のマッチングをするアプリを提案した班もあった。農家がアプリで「台風が来そうなので近日中に作物を収穫したい」といった求人情報を発信し、援農者を募る。都市部が近いことも人口流出の要因になっている3町村の立地を逆手にとり、都市部から気軽に援農に来てもらえるようになれば、との思いを込めた。

 いずれも試作段階だが、ニーズがあれば実用化も検討する。問い合わせは共創ラボ075(384)0350。

【 2018年02月04日 17時00分 】




最新の画像もっと見る

コメントを投稿