円形のハンドルを手で回し、昔ながらのレトロ調の機械から氷が削り落とされていく。ガリガリと軽快な音が、せみしぐれとまじり合う。京都府大山崎町大山崎の山崎聖天(観音寺)で16日、夏恒例の氷接待が営まれ、参拝者を迎えた。
同寺では1月のぜんざい、2月の甘酒やかす汁、11月の大根だきと主要な仏事に合わせて地元の人たちが奉仕して参拝者をもてなしている。
盆の時期には明治期からかき氷を提供してきた。境内は天王山のふもとの急な石段を登りきった場所に広がっている。この時期に訪れた人は山門をくぐって本堂に至るまでに汗がにじむ。
仏前に供えられた小豆で作ったあんが透明なガラス器の底に盛られ、削られた氷には特製の透明なみつがかけられる。この日は時折雨がぱらつき高い湿度のなか、参拝者は氷の冷たさと境内の豊かな緑、せみや鳥の鳴き声など五感で涼を感じているようだった。
【 2014年08月17日 11時03分 】
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