文化財でたどる楊谷寺の変遷 京都・長岡京

2014-07-07 14:37:46 | 歴 history

 柳谷観音楊谷寺の寺宝庫展「棟札(むなふだ)と古文書でたどる楊谷寺の景観」が、京都府長岡京市浄土谷の同寺で開かれている。阿弥陀(あみだ)堂 (念仏堂)を再興した江戸初期の棟札をはじめ、釣鐘堂の建築図面、境内図、帳面といった寺に伝わる文化財約20点が飾られ、景観の変遷や改修の様子などを たどることができる。

 建物の建築や修理の記録として残る棟札は7本を展示する。最も古いのは、1614(慶長19)年に地震による損壊から再興された阿弥陀堂宮殿の棟札。大山崎町の妙喜庵出身の禅僧、芳室士荃(ほうしつしせん)が再興に携わったことから「楊谷禅寺」と記されている。

 本堂を修理・再興した江戸期の寛延や弘化年間の棟札などもあり、市教委生涯学習課は「各時代の棟札が残っており、建物の経歴をたどることができる。修理などには(当時の)神足村の大工が関わっていた」とする。

 一方、釣鐘堂の建て替え図面は1813(文化10)年に描かれ、念仏堂裏の山手にあった釣鐘堂が同年に護摩堂裏に移されたことが分かる。市教委によると釣鐘堂は1897(明治30)年、現在地に再移転したという。

 ほかにも、本堂と念仏堂・飯炊き小屋を結ぶ廊下が描かれた明治期の境内図、参詣者をもてなす門前の茶屋や滝が記された絵図なども並べる。京都の三条大橋や祇園、大阪の天神橋などに、本尊開帳を知らせる立て札を設置するため、奉行所に提出した願書を控えた帳面などもある。

 寺宝庫展は7月13日まで。

【 2014年07月07日 08時42分 】



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