<ベルサイユ>は1660年代に入って着工、一応の完成が90年代、
「太陽王」ルイ14世が権力と財力をほしいままに、当代随一の造園家ル・ノートルに作らせた。
<古典主義庭園の最高頂点>だが、ときはすでに次の時代の庭園様式へ移行しようとしていた。
~自然庭園、英国庭園のイレギュラーな庭園へ
1625 ベイコンの「随想録」;「庭について」
ミルトン 「楽園の喪失」
1630年代 ウィルトン・ハウス庭園
1694年~ チャッツワース庭園
映画でもル・ノートルが「わたしはもう古い」云々と言っている場面がある。
伝統と調和を重んじ、無機的、幾何学的な彼が、サビーヌの有機的な色彩の庭にかぶせるように情愛を感じていく。
噴水に囲まれた野外の舞踏場。硅石とアフリカやマダガスカル産の貝を階段状に積み上げたデザイン、
大家ル・ノートルとほんの小さな無秩序(原題 a little chaos)を愛するサビーヌの感性が融合した新しい庭作り。
脚本アリソン・ディーガンの手腕に感銘を受けた。
そんな庭園移行期の主人公サビーヌのロカイユの木立「舞踏の間」のフィクションは、庭園史上も興味深いし、
ケイト・ウィンスレットとマティアス・スーナールツのロマンスに加えて「二度美味しい」映画だった。
監督アラン・リックマン
ケイト・ウィンスレット: サビーヌ・ド・バラ
マティアス・スーナールツ: アンドレ・ル・ノートル
アラン・リックマン: ルイ14世
<ストーリー> 映画.comより
ベルサイユ宮殿の庭園建設家として抜擢された女性庭師の物語を、「愛を読むひと」「タイタニック」のケイト・ウィンスレット主演で描いた。「ハリー・ポッター」シリーズで知られるイギリスの名優アラン・リックマンの監督第2作。
17世紀フランス。国王ルイ14世は、栄華のシンボルとしてベルサイユ宮殿の増改築を計画していた。国王の庭園建築家アンドレ・ル・ノートルとともに「舞踏の間」の建設を任されたのは、無名の庭師サビーヌだった。伝統と秩序を重んじるル・ノートルはサビーヌと対立するが、彼女の持つ自由な精神に次第に惹かれ、中心的な庭園造りをサビーヌに任せることにする。監督・脚本のリックマンはルイ14世役で出演もしている。
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