マルガリータのつぶやき

フォトジェニックな「趣味の記録」:マルガリータの庭、国内海外の旅、グルメ、美術・音楽・映画、自分勝手流読書、etc

うるう29日の大雪

2012-02-29 20:46:17 | マルガリータの庭・2月
昨夜からの雪が降り積もって、足場もあぶなくなりました。
あき様の、お部屋探しもうまくいきましたかしら?
明日からのミュンヘン行きに備えて、花小金井のスパまで行きましたが
    多摩自転車道、人影もまばら。
帰りは、西武線の40分遅れで大変でした。

午後一番にはMデンキさん、総勢5名で、私の書斎のリフォーム打ち合わせでしたが、
靴下が濡れてしまって、古いのを差し上げるハプニングもありました(笑)

 1188様が雪かきで道を。

 こちらは手つかずです。


アドルフの画集

2012-02-25 04:48:50 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
ミュヘン本にミュンヘン映画に、気忙しいなかにも充実した日々です。

今日は、以前に見ていた映画を、あれはミュンヘンが舞台のはずと思い出して、見直しにかかりました。
ヒトラーがまだ画家をめざしていたころの話ですが、
大戦終了後の1918年頃のミュンヘン風俗にアートシーンに、見どころ満載でした。
出発日がせまり時間がないので、とりあえず、よそからの抜粋、転載です。

〝ねこはしる”さんのブログより
 この作品、何より光っていたのは美術の手際で、舞台となる1910・20年代のミュンヘンの街角や、当時の人々の生活様式、風俗の再現に異様なほどの執着を感じた。単に画面に古色を添えるだけでなく、窓ガラスや家具類、各種の生活用具などといった室内インテリアにバウハウスなどの先進的なモードを大いに取り入れており、カメラが丹念にそれらを映し出していく。制作にハンガリーがからんでいるのはロケ地として重用したからだろう。これは意外な掘り出し物だったなと満足して美術スタッフを確認した所、“コックと泥棒、その妻と愛人”などグリナウェイ作品を複数手がけている Ben van Os だった。撮影は Pierre Gill。

 公園の茂みにランプを吊るす小鳥売りや、第一大戦に敗戦した名残で鉄くずの山と化している廃工場の描写など、ディティールまでよく作り込み、撮り切っていた。セリフの端々に、「エルンストは俺よりハンサムか」とか「今度のオープニングにはデュシャンも呼んでるぞ」、「ではクレーなどはいかがでしょう」などと当時の前衛芸術家たちの名がぽんぽん出てくるのが面白い。
 監督はメノ・メイエス、主演はジョン・キューザックとノア・テイラー。メイエスはスピルバーグ作品などの脚本を長く書いてきた人らしい。画商の妻役で翳のある知的な女性を演じたモリー・パーカーなど、脇役のキャスティングも巧い秀作。
"Max" by Menno Meyjes / John Cusack, Noah Taylor, Molly Parker / 109min / Hungary, Canada, UK / 2002 


t​h​c​*​a​1​*​ さんのアートブログより              
MAX (邦題:アドルフの画帖)
第1次世界大戦終了後のドイツ。
政治家になる以前、芸術家を夢想していたアドルフ・ヒトラーと画商マックスの交流。
そのつかの間の時期、ヒトラーが芸術家から政治家へと進む方向を変えた、
正に運命の時とも呼べるような一瞬を上手く演出している。

1918年、第一次世界大戦の終結により、ドイツは戦後の復興を歩み始めようとしていた。
マックスは画商として、古い工場跡をギャラリーに商売をしている。
ニューヨークのスタジオ+ギャラリーを彷彿とさせるが、広い場内には巨大な作品があちこちに飾られている。
抽象主体のいわゆる当時の”モダン”な作品が喝采を浴びる中、ヒトラーの描く絵は旧態依然として
丹念なデッサンを基調にした動物や風景などのあたりさわえりのないものだった。
それをマックスに指摘されたヒトラーは自分の描く真実を絵の中に見出そうと試みるが、
結局は時代を感覚的に読み取り、描画を通して表現する”芸術家”よりも、
演説という手段を通じて自己の存在を主張する政治世界へと進んでゆく。

さて同じ時期、マックスのギャラリーでは、ゲオルグ・グロッスが新進作家として紹介されている。
グロッスが会話を交わしている男性に、マックスはモネの絵はどうかと勧めているシーンがある。
その実業家風男性は、フランス印象派絵画など時代遅れとも言わんばかりの口調で、
グロッスの絵を2枚買うという。
ナチス台頭以前おドイツを激しく糾弾したことで知られるグロッスは、
巷にあふれる自発的犠牲者としての娼婦や色欲の垣間見える醜悪な資本家、
ナチス労働党が羊の皮をかぶった軍国主義者というような矛盾と退廃を皮肉ってみせた風刺作家である。
   

     

「ミュンヘン倒錯の都」今泉文子

2012-02-22 18:17:59 | 本 MEMO


この本もまた19世紀末から20世紀初頭にかけての世紀末論にくくられますが、
「あとがき」の著者解説から、題意を探ると、
「倒錯」ー正反対に倒立した姿。倒錯の鏡に映してみた時のある都市の運命。

「芸術の都、イーザル河畔のアテネ」「居心地のよさ、来訪者の歓待、祝祭性」「人口百万の村」ーミュンヘン革命、反革命、ナチズム
「芸術の都」ー「ビールの都」 「君主の庇護厚き芸術」-「目いっぱいビール漬けの享楽的市民」

「薄っぺらな世紀末論議などたたきつぶしてしまうバイエルン的野太さ、したたかな凡庸さ」-ルートヴィヒ2世、ゲオルゲ、トーマス・マン
「凡庸さ」「正常」-道徳的腐敗。性的逸脱。 (「逸脱」は、時として「凡庸さ」や「正常」を撃つ力を帯びることもある。)

ミュンヘンを軽蔑しつつ、ここを愛し、ドイツを捨てつつ、これを忘れることができない
「腐敗した成り上がり」とヒトラーを罵りつつ、あえて「兄弟ヒトラー」と呼ぶ、トーマス・マンを狂言回しに。


☆1月半ば、ほんの1泊、寒い風雨のなかでの中心部半日観光でしたが、
その後の8日間の旅行中も、思うは「ミュンヘン」ばかり、「どうしてミュンヘンなの?」と人にはいわれるものの、
うまく説明ができないまま、同行したジャスミン様が「何かを体感したって事よ。」など言ってくれるのに「そうそう!]☆

   ♪運よく3月1日から8日まで、ミュンヘン再訪します。
     ただひたすら、「ミュンヘン」、イギリス庭園東際のヒルトン・パークに6連泊、
     何かが進展すればよいのですが♪

「世紀末ミュンヘン」山本定佑

2012-02-21 20:00:23 | 本 MEMO
 

世紀末のミュンヘン本は、数限りなくあるそうですが、私にとってはこの本が基本書になりそうです。
著者のミュンヘン大学留学時の家が、偶然に、シュバービング、カイザー通りだったことから始まるタイムスリップ。

リルケ、トーマス・マン、カンディンスキー、クレー、レーニン、ヒトラー…。若者がミュンヘンを目指した。
基本書の例にもれず、通読~参考書~また通読~の、楽しい繰り返しのはじまりです。


ミュンヘン(スピルバーグ)

2012-02-20 07:56:43 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
ミュンヘン関連の映画を検索すると、スピルバーグ「ミュンヘン」ばかり。

「ミュンヘンオリンピック」テロに端を発したスパイミステリーで、
ミュンヘンものというより、ロンドン、ニューヨーク、と世界中が舞台で、観光気分でも楽しめる映画でした。



映画のあらすじとか詳細
「ミュンヘン」批評のオンパレード
エリック・バナ単独インタビュー

ミュンヘン再訪します♪

2012-02-18 16:45:50 | ドイツ  
一月のクロアチア10日間激安ツァーの「心残り」… 詳細はこちら

あれから、入と出につかの間の滞在だったミュンヘン関連の本やら映画やらで、日を送っていましたが、

風邪から回復した灰色?の脳細胞のフル回転で、
3月1日ANA成田ーミュンヘン 3月7日ANAミュンヘンー成田を押さえました。(ジャスミン様がお供してくれます
  (2人のサーチャージだけでクロアチア1人分に近い(*_*))

ところが、この日程ですと、バイエルン国立歌劇場は〈セヴィリアの理髪師〉しか見られないのです。
前半をウィーンにしようかと思案中です
   
 
 ☆その後の予定です、
  (3月8日~14日 私の部屋の改装;書斎&ラウンジ、書棚収容量1、5倍をめざしています
  3月15日(木)~3月24日(土)  サンフランシスコ、ナパ、カーメル (羽田発着)
  4月27日(金)~5月5日(土)  ミュンヘン、ロンドン(ウェールズ) (羽田発着)

「ドイツ・ミュンヘンの散歩道」

2012-02-15 19:34:57 | 本 MEMO
1月のクロアチアに同道したものの、スーツケースの底に沈没したままだった「ドイツ・ミュンヘンの散歩道」

 疲れているような、そうでないような、肩が凝ってるような凝ってないような日がな一日、思い出すはミュンヘン、
写真が半分の本は(〝マルガリータ”ブログみたいです(笑))こんなコンディション時には最適とばかり…

ドイツ大好き、ドイツ歴20年の著者はいう;
 《バイエルンの州都ミュンヘンは、ほかの都市とは異なる陽気さと鷹揚さを持つ。》

 ・グリュ-ス・ゴット!(グーテン・タークは南ドイツではこうなる)
 ・バイエルンのここちよさ
 ・ミュンヘンからアルペン街道へ
 ・ガーデンライフ
 ・暑さの感じ方
 ・大人の威厳
 ・霧の街

いってみれば「日本人から見たバイエルン歳時記」ですが、
ゆったりとしたバイエルン時間に癒されていったのは、不思議でした。
 

文中、「ミュンヘンで一週間休暇をといるとしたら、こんなのはどうだろう。」から始まる提案には、いよいよミュンヘン熱が上がってきてしまい
   一つのペンションに落ち着き、
       昼は市内観光にイギリス庭園、ビア・ガーデン、カフェテラス
       夜は開場意一時間前の当日券で、クラシックコンサート、オペラ
       
       ローテンブルグまで2時間半(列車)
       ノイスヴァンシュタイン城まで2時間
       ザルツブルグへも2時間(ICE)
       アルペン街道 べルヒテスガーデン~ケールシュタインハウス、
                 ケーニヒ湖、ライト、イム、ヴィンケル、シリアー湖、ガルミッシュ
       ロマンチック街道 リンダーホーフ、オーバーアマガウ、ヴィース教会、フュッセン

 昼の市内観光と夜のオペラくらいは、ミュンヘンに行ってしまえば、今すぐにでもなんとかなる     
 

壱岐&福岡 ④雨の大濠公園

2012-02-13 18:46:16 | 九州 沖縄 壱岐 
福岡最終日は、2時の飛行機出発まで、あき様に福岡タウンを案内してもらう予定でしたが、
朝のポチポチ雨が、8時過ぎには冷たい本降りに、今日明日の雨予報そのままです。

せっかく、空港線天神駅にいるのだからと、2駅先の大濠公園まで、
能楽堂から池の中央の道を突っ切り(靴があめに濡れて重くなってきて(笑))





池をぐるりと廻る道にスタバを見た時はホッとしましたね~
 

スタッフの綺麗な女性2人とも宮崎出身(〝都会”にでてきたばかりで~す、とか)、とてもそうは見えません。(なまりは少し)
おっとり、ゆったりの福岡時間、あき様に言わせると「こちらの人は妙に(プライバシーに)突っ込む」というのも
この、ゆった~り~のせいなんでしょうか。〝地方”の小さい人口密度のせいかもしれません。ほっとするものがあります。

この後、福岡城跡になかなかたどり着けず、
 

バスで天神にもどり、東宝シネマの前まで来ながら「ドラゴン・タトゥーの女」が長すぎて、飛行機に間に合わないのでやめた、とか、 

しまらない結末でしたが、雨の福岡、あき様にはご苦労様でした、
また来週は東京でお会いしましょう



壱岐&福岡 ③福岡タウン歩き

2012-02-12 22:43:44 | 九州 沖縄 壱岐 
昨日に続いて今朝も気持ちの良い青空、コートなしの人もいるくらいです。
何度来ても、空港からのタクシーと地下鉄利用で今だ把握できない福岡タウン、そぞろ歩きには最適な日和と、
夜7時のあき様&M氏との待ち合わせまで、行き当たりばったりのでした。

朝の9時半、祇園から国体道路を天神南の三越まで。
薩摩黒切子が欲しかったのですが、あんなに高価とは(*_*) 出直しです。
 店員に江戸切子を薦められますが、〝浅草っ子が福岡で江戸切子を求む”図なんていただけません。

天神駅構内、バスセンターの横を通り、天神橋口を右折、昨日から気になっていた赤煉瓦文化館
さらに北、須崎公園内福岡県立美術館


西中島橋から川向こうへ、ホテルオークラの手前から博多川沿いに、
川端商店街をブラブラ、櫛田神社のおたふく門が目の前に現れたのにはまたまた(*_*)


再び国体道路にぶつかり、はや12時、カレー店で一休み、
今度は、南方へ、キャナルシティを右手に住吉神社まで。
  

本当の目的は日本庭園楽水園
 

そろそろ足が痛くなってきました。
博多駅方向へ、大博通に面してやっとベローチェ発見、居心地良く2時間近く読書、
日曜日の春めいた福岡中心街、地方都市ならではのコンパクトシティぶりはうれしい、
5時間近くの歩きっぱなし、壱岐温泉効果

あき様&M氏との今宵のお楽しみはあき様一押しの炊き餃子
三越近くの「池三郎」、細長いカウンター席に並列にテーブル、日曜の夜の賑わい。
   
   
初めての味は、美味しくて鍋のおかわり、M氏&あき様の接待にあずかりました。ごちそう様でした。

帰りはすっかり〝通”になった街を、バスのチョイスも難なく、悠々と(笑)

壱岐&福岡 ②中州とシーホーク

2012-02-11 23:22:35 | 九州 沖縄 壱岐 
名湯にまだ暗い5時から、7時から朝食、
 
  

7時半からタクシーで
・黒崎砲台跡、猿岩
   
・筒城浜
 
・岳ノ辻(展望台);壱岐全体を見渡せる壱岐島最高峰
 

今日の素晴らしいお天気はラッキー!というよりほかないらしいです。
(この福岡近辺の冬空は常にドンヨリと、3月になると反対に関東がドンヨリ、福岡はからっとした晴天になるらしい)

9時20分発の高速艇で博多港へ(少々忙しい)
 
 

11時にあき様&M氏、岸壁に登場、海の中島の先端、マリンワールドへ。
土曜の祭日、イルカもスターぞろいの大サービス、充実した水族館でした。
   
  

新居訪問、、ヒルトン、 

夜の中州、春吉橋たもとの「かじ」で再集合です。冬の味覚、アラがこりこりと美味しい。
  
   

中州でタクシーに行き先を、シーガイヤ? シーホーク?で(笑) 宮崎シーガイヤだったら360 ㌔5万円の稼ぎでした。
 

ヒルトンバーラウンジへ移動
今夜は祭日の土曜日、パーティーや披露宴でバーが貸切りで、寿司バーの一角で。
  
 客室から、福岡タワー、シーサイドももちの夜景

  

壱岐&福岡 ①壱岐湯の本

2012-02-10 22:47:34 | 九州 沖縄 壱岐 
今回の3泊4日の福岡行は、あき様&M氏の新居うかがいが大名目ですが、
初日から、一石二鳥どころか三鳥も四鳥もの収穫でした。
いい旅館がありそうだと、寄り道で行った初めての壱岐に、癒され、感動し…
  
  福岡 海の中道、                                 市街の上

・春めいて穏やか、鏡のような玄界灘クルーズ
  
                                 壱岐は意外に大きい、福岡から来て降りると長崎県

・「海里村上」は名旅館☆
   

・「湯の本」の名湯
  
「湯の本」の湯は古湯としても全国有数では?
鉄分が赤く酸化して(大晦日の浅間山荘と同じですがこちらの方がなめらか)、なめると塩辛く苦味も。
塩化物泉なのにPH6、7とはよくわからないところ。

サウナがまた、ムンムンの蒸気式。
この方式は、上野の韓国街のサウナがそうでした。(遅い時間に行くとキムチくさくて大変でしたが(笑))
息苦しくなく肌にも良いのに、近年は乾式ばかりになってしまって、久しぶりの本格サウナでした。
水風呂は客が少ないせいか(全館14室に泊り客10名だけ)、すこし温んでいました。

・玄界灘の海の幸
  

               

・壱岐の人々に(*_*)
・日本の海百選が2つも

司馬遼太郎「街道をゆく」13 壱岐対馬の道 から、夢をはせてから4年あまり、やっと壱岐だけさらっとです。
「壱岐・対馬の歴史的存在は、古代における輸入鉄の(朝鮮からの)海上輸送の経路に浮かんでいるということで…」
再読してから、再来島といきたいです。
温泉よし、人情よし、海の絶景に、もちろん海の幸、九州の人は誰も絶賛するというのもうなづけます。


「八日目の蝉」角田光代

2012-02-08 10:40:36 | 本 MEMO
DVD「八日目の蝉」をみて原作にあたり、それでもよく分からず、というか、
まだまだ奥がありそうという期待で、続けて「三面記事小説」「対岸の彼女」という、この2,3日でした。
「空中庭園」(’03)の読後感がよいものでなく、その後の角田光代を知らずに、映像で再発見というお粗末でした。

 読むほどに「早稲女」(早稲田の女子学生;よいイメージでなく)の雰囲気を感じてしまい、微苦笑。
  「愛をとりこぼす」タイプといったら。(反論も、もちろんあるでしょうが)
   一度も愛を向けられなかった女性より、はるかに深い傷を負い、失くした愛を激しく嘆く。
   多くのオペラのヒロインたちもこの苦痛にのたうちまわり、絶望的な愛の戦いに挑むことに。

横道にそれました、と言いたいところですが、「早稲女」の芯はそんな程度では収まらないのです。
「八日目の蝉」文庫版の池澤夏樹解説の「つまりこれは相当に過激なフェミニズムの小説なのである。」、
この解説に喝采、と言いたい。
 〈ダメ男、頼りにならない男、VS 着実にエレガントに次の世代を用意してきた女たち〉

「野いばら」梶村啓二

2012-02-05 20:50:43 | 本 MEMO
野いばら~ 題名と美しい装丁から、書店の平積みを目の端でとらえていたのは去年の発売当初からです。
日経小説大賞選考委員座談会(辻原登、樹のぶ子、伊集院静)で絶賛されているのを見て、また宣伝コピーを見て
背中を押されるように、読み進めました。
   

     《攘夷の嵐ふき荒れる幕末の横浜から、種子は21世紀の英国田園地帯へ。
       清楚な白い花をつけ、愛の物語が蘇る。》
      日経小説大賞受賞  選考委員会満場一致の傑作歴史ロマン

     
帯には  《音楽と花は似ている。流れ着いた旅先で美しく蘇る。
      幕末の横浜から21世紀の英国へ。
      匂い立つ白い花の群生は、時の奔流の中で懸命に生きた人々の一瞬を永遠に輝かせる。》


読後印象ですが、
「昨今、新人の作品で、これほど文章に対する完璧な信頼をもって、読み進めることのできた経験は、私にはない」辻原登氏選評
にあるとおりの、驚き、快感でした。

これほどの文章の力をもつ作家が、他にいたら教えてほしいくらいです。
たしかに、英国人がこんな微妙な感性を伝えられるのか、とか、粗削りで気になるところもあり、
第3段落横浜あたりで、一度投げ出したくはなりましたが、それもつかの間で。

ユキの美しさと聡明さは、同性ながら嫉妬したくなるほどですが、きれいなお話は綺麗なままで、と納得。
これから多数の書評が出ると思われますが、それはそれ、

はかなく烈しい愛の物語を得て、この感動と幸福感の余韻は何日も、あるいは何年も続くでしょう。