マルガリータのつぶやき

フォトジェニックな「趣味の記録」:マルガリータの庭、国内海外の旅、グルメ、美術・音楽・映画、自分勝手流読書、etc

機内でみた 野村萬斎「花戦さ」 ~生け花と京の寺社~

2017-07-19 15:33:10 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
'17 ツール・ド・フランス・3日間の追っかけを終えて、リヨン~フランクフルト~羽田の帰途、
フランクフルト~羽田はANA、最前列窓際のビジネス席で離陸直後からぐっすり5時間、
すっきりした後、たてつづけに映画を2本みた。

◎「花戦さ」
野村萬斎の表情が愉快;
 
鬼塚忠の小説を実写映画化、戦乱で荒れ果てた京の都。
花を生けることで人々の心を救う池坊専好が、刃ではなく花を手に取り、時の最高権力者・豊臣秀吉へ戦いを挑む。




野村萬斎、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市、山内圭哉、和田正人、森川葵、吉田栄作と


オフィシャルHPから;
<生け花>画像


<ロケ地MAP>


①亀岡・宇津根(亀岡市宇津根町)
専好が河原で倒れているれんを見つけ、助けるシーンや、ラストシーンなどを撮影、、
②亀岡・へき亭(亀岡市 千歳町毘沙門向畑)
専好が利休の死の覚悟を感じ取り、悲しみに暮れながら、力なく歩くシーン、、
③嵯峨野の山中(京都市右京区)
平太の掘立て小屋が建てられ、れんが画を描くシーンや、役人から逃れようと疾走する山中も撮影、、
④祇王寺(京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町)
利休の草庵・実景として、、
⑤大覚寺(京都市右京区嵯峨)
信長が歩く岐阜城の廊下として、また、大覚寺にある池を沼地に見立て、専好が蓮を刈ろうとするシーン
⑥中ノ島橋(京都市右京区)
一条戻橋として専好が晒し首となった利休や季や留吉を目のあたりにし、涙する
⑦鹿王院(京都市右京区嵯峨北堀町)
浄椿尼が暮らす尼寺、専好がれんを浄椿尼に預けるため、訪れる
⑧梅宮大社(京都市右京区梅津フケノ川町)
六角堂の門前として撮影、専好たちの前で、吉右衛門が役人に捕らえられる
⑨沢ノ池(京都市右京区)
専好が専武たちと共に、花材を求める山中の様子
⑩松竹撮影所(京都市右京区太秦)
六角堂のセットや、専好と吉右衛門の歩く街並みのオープンセット、れんが蓮の花を描いた洞窟など
⑪東映京都撮影所(京都市右京区太秦)
天神さんの大茶会のシーンの一部や、いけばなの大作が登場する岐阜城や前田邸をセット
⑫仁和寺(京都市右京区御室)
天神さんの大茶会のシーン、100人以上のエキストラが集まる大規模な撮影を敢行、五重塔のふもとには秀吉の金の茶室のセットが建てられた、また遼廓亭を利休の草庵前の露地に見立て、専好が利休を訪れるシーン
⑬妙心寺(京都市右京区花園)
六角堂執行になった専好が花をいけに訪れる屋敷の外観、
⑭金戒光明寺(京都市左京区黒谷町)
秀吉の政庁兼邸宅・聚楽第の一角として、切り取られた朝顔を見て、秀吉が利休への憤りをあらわにする
⑮南禅寺(京都市左京区南禅寺福地町)
門の上に利休像が建てられた大徳寺に見立てて登場、門前で三成が秀吉に利休の不遜を進言する
⑯随心院(京都市山科区小野)
前田邸の門前として、利家に呼び出された専好が、前田邸を訪れるシーンや、専好たち花僧が大砂物を作る為、花材を運ぶ




『夜に生きる』 LIVE BY NIGHT  ベン・アフレック

2017-05-11 08:41:53 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
メキシコ・シティ~成田のANA機内で、
5月おすすめプログラムのなかでも、機内誌ANA SKY CHANNELの表紙を飾るいちおし作品で、
ベン・アフレックが監督、主演、
 1920年代、禁酒法時代のアメリカ、フロリダ州タンパで密造酒(ラム酒)の取引にからむ抗争、
 キューバ・メキシコとラム酒の世界をわたってきたところだから、絶妙のタイミングだった。
 映像もスタイリッシュで、ビデオが出たらまた見直したい作品だ。

機内誌から、
 ・マーティン・スコセッシ作品を思わせる、無法者の精巧とと挫折のドラマ
 ・抗争の中で敵の先をいこうとする主人公の奔走
 ・暴力が暴力を、殺人が殺人を引き起こす悪循環を通して、人間の愚かさというテーマを伝え、
 ・銃撃戦やカーチェイスのはくりょくのアウションシーン
   <5月20日、日本公開>








<桜の映画>細雪、 春の雪、 桜の森の満開の下

2017-04-18 13:35:52 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
昨夜来の台風並み強風雨が上がって、今日は27℃という夏日になるとか。
東京の桜もついに終わりそう。
今年は東京の開花が全国一はやかった。
そのあと、京都、仙台と西へ東へ追いかけてほぼ一か月、
そんな合間に探した<桜の邦画>は文豪の名作ばかりに、
映画化は苦心されたと思う、どれも印象的で素晴らしかった。

◎細雪 1983 市川崑 (谷崎潤一郎)

  原作の平安神宮を広沢池に移しての撮影、4姉妹のあでやかな着物姿を引き立てる桜。

◎春の雪 2005  (三島由紀夫)
 
  最後、尼僧院の場面は清涼な桜。
 
◎桜の森の満開の下 1975 篠田正浩 (坂口安吾) 岩下志麻 
 
  どこまでも狂気をはらんだ桜。

<キューバの映画>「ハバナ」 HAVANA '90米 R・レッドフォードがかっこいい

2017-03-22 18:49:28 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
映画:「ハバナ」 HAVANA 
 '90米 R・レッドフォード 監督:シドニー・ポラックSydney Pollack .
 

5月の連休にメキシコ、キューバに出かけるので、関連のテレビ、映画、本をみている。
舞台は1958年、クリスマスからバチスタが逃亡する31日前後の激動のハバナ、


 ギャンブラー、ジャック(ロバート・レッドフォード)と革命家アルトゥーロ(ラウル・ジュリア)の妻ボビー(レナ・オリン)のつかの間の恋のゲーム、
 ジャックはボビーに激しい愛情を持つが、いまだアルトゥーロを愛するボビーのために身を挺する、
『カサブランカ』のハバナ・バージョンのようだ。


ロバート・レッドフォードがこれほどかっこよかったとは、まるでワンマンショーのごとく、
「わたしを待っていた?」「生まれてからずっと」と思いきりかっこいい。
レッドフォードとはその手つき目付きがいやらしくならない稀有な俳優であろう

ハバナの景色もきれいで心地よく、一大娯楽作品でも通る、




バックボーンは1958年キューバ、バチスタ政権崩壊前夜。
体制側の金持ち相手のギャンブラーたちの視点も公平に描いて、
一大歴史転換時を、わかりやすく映してくれている。

最終場面、1963年フロリダ・キーウェストからハバナを回想するシーンも印象に残る。



≪MEMO≫ 
<Yahoo作品解説より>
 革命の嵐近づく1958年のハバナを舞台に異国の地での熱愛を主軸にした、カード・ゲームのプロとレジスタンスの女性との運命を描いたラブ・ストーリー。
 “90年代の「カサブランカ」”らしく、当時の風俗や歴史の再現など堂々たる造りで大作の雰囲気を持つ。

<キューバ、ハバナ、カストロ、チェ・ゲバラ関連>
テレビ;ディスカバリーチャンネル「カストロ:狙われすぎた男」'16.12.21 59分
DVD;・ハバナ         S・ポラック&R・レッドフォード
   ・モーターサイクル・ダイアリーズ  レッドフォード製作
   ・チェ 28歳の革命   S・ソダーバーグ
   ・チェ 39歳別れの手紙
   ・コマンダンテ      O.ストーン
   ・苺とチョコレート
   ・セブンデイズ・イン・ハバナ オムニバス
   ・ダンシング・ハバナ
   ・(ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
本; 『革命下のハバナ』 マリ・エレーヌ・カミュ 真木嘉徳訳 筑摩書房













<パリの映画> 『パリ17区』 KIND HEARTS AND PANDERING 1984 仏

2017-03-18 16:28:32 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー


『パリ17区』1984
監督 ポール・ヴェチアリ 
キャスト ヘレーヌ・スルジュール ニコラ・シルベール A・フェルジャック

カイエ派の現役監督ポール・ヴェキアリの、唯一日本でソフト化されている貴重な作品、
テレビシリーズ"Serie noire"の一作らしい。
 カイエ派 映画運動「ヌーヴェル・ヴァーグ」は「カイエ派」と「左岸派」に分かれ、 ゴダール、トリュフォー、ロメールなど「カイエ・デュ・シネマ」誌のもとに集う作家たちからなるのが「カイエ派」。 セーヌ河左岸のモンパルナス界隈(かいわい)で活躍した作家らが「左岸派」

 「パリ18区」「パリ20区」と続けてみてきて、ツタヤで目についてヒョイと借り出したものだ。
「17区」から、北東部地域の移民等"バンリューの問題"の作品かと思ったが外れで、
夜の娼婦とヒモと縄張り争いから、<愛と復讐>の話だった。
 話自体は日活や東映のやくざ映画と同じで、抗争に明け暮れる陰で泣く女、というありふれたものだが、
見どころは<フランスのファスビンダー>といわれているポール・ヴェチアリ監督の手腕だ。
 
 ファスビンダーが生み出した女性像はドイツ映画史のなかでも特異で、何度も見返した20年前が思い出された。
 ハンナ・シグラが演じた「マリア・ブラウン」、「リリー・マルレーン」、
 バルバラ・スコヴァが演じた「ローラ」

この「パリ17区」でのそんな女性はヘレーヌ・スルジュール演じる「ネラ」。
 

 

 

「ネラ」の魅力的がいつの間にか女優「ヘレーヌ・スルジュール」の魅力におもわれるようになり、
 疎外されたものたち個人の世界をえがいているのに、社会批判的なすがたが立ちあらわれる、
 カメラワーク、異常なアングル、荒っぽいつなぎのカット。
 

娼婦が立ちん坊をするAve.Hoche、オッシュ通り、凱旋門からモンソー公園にいきどまる広いメイン通りは何度も歩いて行き来したことがある。 ~今は昼も夜もそんな面影はさらさらないが。

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー Wikipedia
ポール・ヴェキアリ ウィキペディア
フランス・ヌーヴェルバーク映画監督  ウィキペディア
「女たち 女たち」梅本洋一

≪MEMO≫
「パリ、18区 夜」J'ai pas sommeil  1994年 フランス
1987年に実際に起こった老女連続殺人事件を中心に、パリのなかでも人種と社会の坩堝である18区に生きる人々のそれぞれの孤独を描きだす群像劇。監督は「ベルリン・天使の詩」などヴィム・ヴェンダース監督の助監督を経て「ショコラ」で監督デビューを果たしたクレール・ドゥニ。
 ダイガ(カテリーナ・ゴルベヴァ)は叔母ミナを頼ってパリにやってきた。
彼女は故郷リトアニアで会った演出家の口約束を信じて、パリで女優になる気でいる。叔母と同じアパートに住む老女が殺されていた。独り暮らしの老女を狙った連続殺人犯の新たな犠牲者だ。
 ジャズ・バイオリニストのテオの部屋には弟のカミーユが泊まっている。テオは妻子とマルティニクに移住したいと思っており、反対する妻のモナは家出している。ゲイであるカミーユは衣装屋(ダニ)から服を調達し…

「パリ20区」
場所はパリ20区の中学校。パリの街はルーブル美術館のある1区から渦巻き状に区番号が振ってあって、20区が最後になる。つまり、パリのはずれということだが、その意味合いは、「ボンリュー(banlieue)」に近く、ボンリューというのは訳語は「郊外」だが、よく「ボンリュー問題」と言われるが、実際にはフランス旧植民地の移民が多く住む低所得世帯用公営住宅団地、つまり貧困地域の問題を指していることが多い。その意味で、パリ20区の意味合いは、パリであるとともにボンリューでもあるという含みがあり、そのことはこの映画のクラスの生徒を見れば、一目でわかる…


<山の映画>「運命を分けたザイル2」THE BECKONING SILENCE で人生の節目を考えた

2017-03-16 10:13:38 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー

  「運命を分けたザイル2」'07 英

この映画の下敷きになっている「アイガー北壁」は1936年、ナチス政権の国家威信をかけて企てられた「アイガー北壁初登頂」で、
トニー・クルツの死闘を描いて傑作映画になった。


 
トニー・クルツ隊のメンバー、そしてアイガー・ヴァント駅の直ぐ上まで下りて来ていながら力尽きザイルにぶら下がり絶命したトニー・クルツの死

つぎに、前作:「運命のザイル」はアンデス山脈の未踏峰初登頂に挑戦し,クレヴァスから奇跡の生還を果たすジョー・シンプソンを描いたセミ・ドキュメンタリー映画で人気映画になり、
 

つづく本作「運命を分けたザイル2」でジョー・シンプソンが帰ってきた。
 ジョーにとって子供の頃から憧れの登山家トニー・クルツの最後の登山となった「アイガー北壁初登頂」の様子を再現していく。
 
 この映画は、<山岳映画>としては少し変わっていて、
 山で遭難して奇跡的に生還した男が、クルツの遭難ルートをたどりながら遭難と山を登る意義を考えていくというもの、
 クルツらがどこから上り始めどのルートをたどったか、60年前の登山家たちがどのように考え、どのように感じながら登ったのか、そこで何が起きたのか。

 そしてラスト、ジョーの告白で物語は一挙に締めくくられる。
(~検証し終えて突然に~)「もう私には不可能に挑戦し続けたいという若い頃の情熱がなくなってしまったかもしれない。自分だけは死なない,自分だけは絶対に大丈夫という若者特有の根拠のない自信が消え失せたからだ」
  生死をかけた<山>だからこそのわかりやすさだが、
 年齢の節目節目で、こう感じるポケットは何回かあった事を思い出させられた。
 そういう意味でもこの映画は印象的で、<名作>につらなる作品といえそうだ。


 アイガー北壁の凄絶な美しさ。
 1800メートル連続する岩の壁で,その一部はハーケンさえ打ち込めない一枚岩で、それをトラバースで乗り切ったとしても、もろい氷が張り付いた壁やオーバーハングの連続が続く。



 










<庭の映画>「マンスフィールド・パーク」Mansfield Park 2007 英 TV版

2017-03-08 13:25:59 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
 

「マンスフィールド・パーク」 2007イギリスTV版




原作は同名のジェーン・オースティン円熟期の大作;1814刊行
裕福な伯母夫妻の養子となった少女が、やがて兄のように慕っていた青年への密かな愛を成就させるまでを描くロマンス。
 時代は、ナポレオン戦争(1796~1815)の大陸封鎖、奴隷貿易廃止の影響で、地方地主の西インド諸島のプランテーション経営が危機に瀕していたころ。

「社交界に興味を示さず田舎を愛す主人公」「知的で善良、誠実な男性」「都会からきた伊達男」とオースティンゆかりの人物を配しながら、 
 シンデレラ物語、2人の息子と3人娘の教育問題、地主階級の威厳のなさ、等々、見どころがたくさんあってジェーン・オースティンの意欲作といわれているようです。

<庭園>をみていくと、
 「マンスフィールド・パーク」とは「公園」ではなく、
ノーサンプトンシャーの従男爵サー・トマス・バートラムの屋敷、カントリーハウスの名称で、
「周囲5 マイルに及ぶ本格的なパーク、広々とした現代的なお屋敷、立地条件もすばらしいし、 立派な樹木が、外からの人目をさえぎっていて、イギリスの銅版画集に載せられる価値が十分ある」

「マンスフィールド・パーク」の庭自体はあまり重要視されていないのが残念だったが、
あえて問題ありで取るに足りない威厳のない内実をうかがわせるためという評をみて、少し納得した。
 それでも、自然の美しさを備えた18世紀の堂々たる風景式庭園の典型が、一瞬かいま見えた時は、DVDを「一時停止」にして、少しずつ戻してカメラ、
 ~実際のロケ地情報を探しています。









監督 イアン・B・マクドナルド
ビリー・パイパー;ファニー
ブレイク・リットソン
ジョセフ・ビーティー
ジェマ・レッドグレーヴ
<ストーリー>
ファニーは10歳の時に伯母夫妻の養子となり、マンスフィールド・パークにやってきた。格式ある屋敷で孤独を感じるファニーの心の支えは、一家の次男エドマンドだった。ロンドンから隣に引っ越してきたクロフォード兄妹と親しくするうちに、ファニーはエドマンドへの敬慕がいつのまにか愛情に変わっていたことに気付く。ところが恋愛を処世術の道具とするクロフォード兄妹は、平穏なマンスフィールドに大きな嵐を呼ぼうとしていた…

≪MEMO≫
「マンスフィールソ・パーク」におけるアイロニーの技法 -オースチンの英国地主階級への批判ー



<山の映画> 「モンブランの嵐」 Avalanche Sturme Uber dem Montblanc 1930独

2017-03-07 17:14:46 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
「モンブランの嵐」 Avalanche Sturme Uber dem Montblanc 1930独
  

久しぶりのドイツ映画、さらに戦前1930年の古い映画、
「モンブラン」の映画がなかなか見つからなくて行き当たった作品だった。

トーキーはほんの部分的に使われているだけ、ほとんどサイレント映画、
CGになれた目には、白黒の山とアクロバット飛行の「ど迫力」はまぶしいくらい。
あの優雅でどっしりとしたモンブランの荒れた姿も想像以上、

女優・レニ・リーフェンシュタールをはじめて見られ、
ファンク監督の行く末を知って、ナチス時代の不幸をあらためて考えた。








 <シャモニ>

監督: Arnold Fanck アーノルド・ファンク
撮影: Hans Schneeberger ハンス・シュネーベルガー
キャスト
Leni Riefenstahl レニ・リーフェンシュタール (Hella)「聖山」「死の銀嶺」
Sepp Rist ゼップ・リスト (Der Wetterwart) 「死の銀嶺」
Ernst Udet エルンスト・ウーデット (Der Flieger)「マッターホン」
<ストーリー>
アルプス連山の中でも山容の美しさを持って音に高いモンブランの峻嶺に観測所がある。そこには一人の若い観測者が寂寥の中に寒気と戦いながら観測を続けていた。或時ヘラという美しい女天文学者が父親と共に飛行機で飛来し、此の観測所に滞在した。同じ学問の使途である二人はやがてお互いに愛を感じ始めた。ところが或日のことヘラの父親は断崖から足を踏み辷らして千仞の谷底に墜ちて惨死した。父の死は悲しめるヘラをして山に決...

<庭の映画>「英国式庭園殺人事件」 The Draughtsman's Contract 1992 英

2017-03-06 11:57:41 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー



ピーター・グリーナウェイ監督の)「英国式庭園殺人事件」、
<屋敷と英国式庭園を描く画家の12枚の絵の中に浮かび上がる、その屋敷の主人の死をめぐる完全犯罪の謎>といったミステリー仕立ての一編、

この庭も古典庭園から英国式風景庭園への移行期のもので、
実際は、その中間の17世紀末のオランダ式庭園を舞台にしたものという。
オランダ式の特徴を画面に見ていく作業も、愉快だった。
 この時代、オランダ人の画家、版画家「キップとクニフ」のような人々が英国の庭をスケッチして回った。
原題The Draughtsman's Contract 「画家の契約」も、史実をふまえた時代の「キーワード」だった。

◎「オランダ庭園の特徴」
・ 緑への執着;芝生、果樹
 
  
・ 常緑樹、オレンジを守る<オランジェリー>、
・ 耐寒性常緑樹<つげ>の刈り込み、
  
 
・ 鉄格子細工の門、
・ 庭から望む並木道、噴泉、はるかな田園、
  

監督・脚本 ピーター・グリーナウェイ 製作デイヴィッド・ペイン 撮影カーティス・クラーク 音楽マイケル・ナイマン
アンソニー・ヒギンズMr. Neville
ジャネット・サズマンMrs. Herbert
アン=ルイーズ・ランバートMrs. Talmann ヒュー・フレイザーMr. Talmann ニール・カニンガムMr. Noyes
<ストーリー>
名誉革命後の17世紀末、画家のネヴィル(アンソニー・ヒギンズ)は英国南部の郷紳(ジェントリー)、ハーバート家に招かれる。主人のハーバート氏は不在で、代わりに出迎えた夫人のヴァージニア(ジャネット・スーズマン)とネヴィルは、夫が戻るまでに屋敷の絵を12枚完成させること、報酬は一枚8ポンドに寝食の保証、そして夫人はネヴィルの快楽の要求に応じる、という内容の契約を結ぶ。
 翌日からネヴィルの仕事は始まったが、彼はそのうち屋敷内の微妙な人間関係に気づく。...


<庭の映画> 「ベルサイユの宮廷庭師」 A Little Chaos 2014英

2017-03-03 11:26:55 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
 

<ベルサイユ>は1660年代に入って着工、一応の完成が90年代、
「太陽王」ルイ14世が権力と財力をほしいままに、当代随一の造園家ル・ノートルに作らせた。

<古典主義庭園の最高頂点>だが、ときはすでに次の時代の庭園様式へ移行しようとしていた。
 ~自然庭園、英国庭園のイレギュラーな庭園へ
  1625 ベイコンの「随想録」;「庭について」
  ミルトン 「楽園の喪失」
  1630年代 ウィルトン・ハウス庭園
  1694年~ チャッツワース庭園
  
映画でもル・ノートルが「わたしはもう古い」云々と言っている場面がある。
伝統と調和を重んじ、無機的、幾何学的な彼が、サビーヌの有機的な色彩の庭にかぶせるように情愛を感じていく。
 噴水に囲まれた野外の舞踏場。硅石とアフリカやマダガスカル産の貝を階段状に積み上げたデザイン、
 大家ル・ノートルとほんの小さな無秩序(原題 a little chaos)を愛するサビーヌの感性が融合した新しい庭作り。
 脚本アリソン・ディーガンの手腕に感銘を受けた。

そんな庭園移行期の主人公サビーヌのロカイユの木立「舞踏の間」のフィクションは、庭園史上も興味深いし、
ケイト・ウィンスレットとマティアス・スーナールツのロマンスに加えて「二度美味しい」映画だった。





監督アラン・リックマン
ケイト・ウィンスレット: サビーヌ・ド・バラ
マティアス・スーナールツ: アンドレ・ル・ノートル
アラン・リックマン: ルイ14世

<ストーリー> 映画.comより
ベルサイユ宮殿の庭園建設家として抜擢された女性庭師の物語を、「愛を読むひと」「タイタニック」のケイト・ウィンスレット主演で描いた。「ハリー・ポッター」シリーズで知られるイギリスの名優アラン・リックマンの監督第2作。
17世紀フランス。国王ルイ14世は、栄華のシンボルとしてベルサイユ宮殿の増改築を計画していた。国王の庭園建築家アンドレ・ル・ノートルとともに「舞踏の間」の建設を任されたのは、無名の庭師サビーヌだった。伝統と秩序を重んじるル・ノートルはサビーヌと対立するが、彼女の持つ自由な精神に次第に惹かれ、中心的な庭園造りをサビーヌに任せることにする。監督・脚本のリックマンはルイ14世役で出演もしている。











『高慢と偏見』 リッチで知性があって背が高い殿方

2016-10-03 22:48:14 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
コリン・ファースのBBC版、DVD2枚組300分を一気に見た。

   

ドラマに登場するカントリーハウスを確かめるためだったが、
気がつけば5時間、館はそっちのけでドラマの展開に魅入られてしまった。
コリン・ファースの魅力:女の子の永遠の夢=リッチで知性があって背が高い殿方と結婚するには? を体現して余りある。

舞台になったカントリーハウスを調べてみると、
Lyme Park ライム・パーク Cheshire(チェシャー)SK12 2NX
 ダーシーの大邸宅 
 ミラー・プール オランジェリー ダッチ・ガーデン コート・ヤード 
 ダーウェント峡谷
  ~<ペンバリー>:ダーシー家の領地名の方がすぐ通じるらしい。

Belton House ベルトンハウス グランサム リンカシャー NG32 2LS
  はちみつ色のライム・ストーン
 叔母レディ・キャサリンの大邸宅
ダーシーが手紙を書いた:ブルー・ベッド・ルーム 
 エリザベスがピアノを弾く:レッド・ドローイング・ルーム
 ダッチ・ガーデン 
  エドワード8世&シンプソン夫人 チャールズ皇太子のイエロー・ベッド・ルーム

Sudbury Hall サドバリー・ホール Derbyshire(ダービーシャー)DE6 5HT
 <ペンバリー>:ダーシー家の内部として登場
 数あるカントリー・ハウスのなかでも最も美しい階段 ロング・ギャラリー 
 サルーン クィーンズ・ルーム 
    

 

映画版 キンキーブーツ(Kinky Boots)

2016-09-27 16:04:03 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
来週の木曜日10月6日、シアターOrbで「キンキー・ブーツ」来日版に行くので、
そのベースになった 2005年公開映画をDVDで見た。

          
<キャスト>
チャーリー・プライス ジョエル・エドガートン
ローラ キウェテル・イジョフォー
ローレン サラ=ジェーン・ポッツ

出だしから楽しみな予感がして、そのままの調子で最後まで一直線、
笑いながら、性差についてしっかり考えさせられ、心地よい感動につつまれる。
 「ドラック・クイ-ン」を扱ったものは、ハリウッドもブロードウェイもはずれがないというが、
 ちょっぴり社会派を気取りながら大娯楽ものにしあげる手法は、「王道にちがいない」とあらためて感じた。

 ~マルガリータのぼやきデス;
 舞台になった「田舎町」;サウサンプトンはロンドンの北西、オクスフォードからは北へ30キロあまりで、
 今回のイギリスドライブでかすっていた。旅行前にみていたら簡単に寄り道できた距離だ。
 ミュージカルは昨年11月のN.Y.では赤い看板がめだっていたし、
 ジャスミンさまもロンドンの劇場に気がついていたというし… 
  ニアミス続きで残念無念です。
 10月6日の模様は、また書きますね~
 

補;<ミュージカル版について>
ヒット映画 『キンキーブーツ』をベースにしたミュージカルを、ブロードウェイミュージカル「ヘアスプレー」でもタッグを組んで成功を収めた経験を持つ脚本のハーヴnェイ・ファイアスタインと監督のジェリー・ミッチェルに加え、シンディー・ローパーが曲をしてミュージカル化された作品です。2013年のトニー賞で、ベストミュージカルと楽曲賞を含む6分を受賞。その人気は海を超え、日本や韓国をはじめ、ロンドンやシドニーでも上演されています。

英国の田舎町にある倒産寸前の靴工場が、 ドラッグクイーン御用達のキンキーブーツ (いわゆる女王様ブーツ)を作ることで再起を狙うという実話に基づいたハートフル・コメディ。
映画版でドラッグクイーンを 演じたキウェテル・イジョフォーは、 第64回ゴールデングローブ賞のコメディ/ミュージカル部門の主演男優賞にノミネートされるほどの人気を博しました。


『黄金のアディーレ 名画の帰還』でクリムトの全盛期を愛でる

2016-09-02 07:06:36 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
『黄金のアディーレ 名画の帰還』
   

  原題は『Woman in Gold]
ヘレン・ミレン ライアン・レイノルズ 監督サイモン・カーティス

『ミケランジェロ プロジェクト』に続いて「ナチス」、「実話」ものを観た。
世界で最も高額な絵画のひとつ、クリムトの『黄金のアディーレ』、
 

アデーレの姪で、戦争中にウィーンからアメリカへ渡ったユダヤ人女性、マリア・アルトマンが、ナチスに略奪されたクリムトの絵5点の正式な相続人であることが判明し、それらを取り戻すまでの彼女の努力が描かれている。

見どころは多々、・ナチスの狂気、ユダヤ人の受難
         ・クリムト絵画の数奇な運命
         ・個人が国を相手取った裁判劇として、
         ・ヘレン・ミレンの熱演

あらためてクリムトの全盛期「金の時代」の作品にふれて、アメリカ、N.Y.に渡った経緯はよくわかったが、
 出来るなら、あの「ウィーン」の景色のなかで見たかった。

マルガリータのつぶやき2013,10,28 ;マルガリータがウィーンでみたクリムト
≪参考ブログ≫
 映画『Woman in Gold』をきっかけに、クリムトの創造性とその狂気の作品群を愛でてみてはいかが?』
 作品解説「グスタフ-クリムト-アデーレ-ブロッホ-バウアーの肖像」


『ミケランジェロ・プロジェクト』 今風ハリウッド作品の良し悪し☆

2016-09-01 15:36:31 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
『ミケランジェロ・プロジェクト』


原題は「The Monuments men」
原作;小説「ナチ略奪美術品を救えー特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争」
   詳細は;『ミケランジェロ・プロジェクト 映画を見る前に知っておきたいこと』
  

ナチの美術品略奪を阻止する映画といえば、
バート・ランカスターの『大列車作戦』(1964年 監督:ジョン・フランケンハイマー)はお気に入りで2度も3度もくりかえし観たものだった。
  
 ~もう15年以上前なので、記憶をたどるためにブログをあたっていたら:「居ながらシネマ」が詳細☆
パリ解放直前に、あせるナチが美術館から列車で運び出そうとするのをレジスタンスが阻止しようとして、
監督、俳優たちが、手に汗にぎる活劇に仕上げていて、「よきハリウッド」の最終章だったかと懐かしく思い出される。

さて『ミケランジェロ・プロジェクト』、


こちらはアメリカ軍が、パリ解放後に強奪された美術品をオーストリア国内の岩塩抗まで追い詰めて、
 (ザルツブルク近郊にあった秘密倉庫の一つアルト・アウスゼー岩塩抗
エイク兄弟の「ヘントの祭壇画」、ミケランジェロの「ブルージュの聖母子」の発見のくだりがハイライトになる。
 ブルージュの『ミケランジェロ』にそんな受難の過去があったとは初めて知った。

  ≪参考≫ ブログ: 美術館訪問記
 
「人間と美術品とどちらを優先するか」、「なぜ、美術品が大切か」の部分は説明的で、
『大列車作戦』を見ている者にとっては いわずもがなのまどろっこしさ。
 戦後70年、今の若い世代には、戦時の「美術品大奪還作戦」はこういう理論武装の必要なのか、と思ってみたり、
 それでも、こういう古いテーマを豪華キャストで掘り起こすハリウッドにはまだまだ期待できる、と考え直してみたり。

≪MEMO≫
別冊宝島 『ヒトラー ミステリーファイル』
 ~ナチス財宝 秘密結社 アメリカとの陰謀と黒い噂を完全検証
戦後 、ヒトラーの死を疑い、FBIは南米まで調査していた!ヨーロッパを席巻した美術品大強奪とナチス財宝!アメリカで生き延びたナチス残党とCIAの恐るべき関係!オカルト、陰謀、洗脳、プロパガンダ、秘密結社・・・。世紀の怪物ヒトラーとナチスにまつわるミステリーの数々をあらゆる側面から考察する一冊。

レマン湖映像;『チャップリンからの贈りもの』

2016-06-26 06:53:40 | 映画note 庭園、山岳、ミステリー
ツール・ド・フランスの後、レマン湖・モントルー3連泊します。
ジュネーブ、ベルン、マッターホルン山麓は何回か行ったことがありますが、
モンブラン、シャモニ、レマン湖泊は、有名すぎて地理不案内で、(笑)



レマン湖ゆかりの映像作品から、最近の好評作、
『チャップリンからの贈りもの』



レマン湖は意外に大きい、:





チャップリンの遺骨を「誘拐」して身代金を取ろうとするのが、
金に詰まった二人組、一人は保険証もなくて奥さんの治療費のために、
稚拙でつかまって裁判、
最後の弁護士の「弁」がこの作品の品格を数段あげて、感動の余韻につつまれる。
メモですが、

>灰は灰に 塵は塵に
>創世記3章19節
>この裁判をなぜ 大げさに扱うのか?
>たかが〝塵”の盗難です  冷静に考えてください
>チャップリン家は 告訴していませんし
>エディ・リカールは 悪魔ではなく
>哀れなアル中の失業者で
>苦しまぎれに思いついた いたずら程度の犯罪です
>オスマン・プリシャは無能
>かたや世界の有名人
>「黄金狂時代」の空腹のあまり 靴ヒモを食べる金鉱堀り
>自殺を図った踊り子を救う
>「ライムライト」の老道化師
>皆チャップリンです
>その深い人間愛が チャップリンを世界的にし
>永遠の名声をあたえたのです


















<追~>『ゴダールの決別』もレマン湖が出てきます。次回に~