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マルガリータのつぶやき

フォトジェニックな「趣味の記録」:マルガリータの庭、国内海外の旅、グルメ、美術・音楽・映画、自分勝手流読書、etc

『二人乗り』平田俊子

2014-01-14 22:09:58 | 本 MEMO
先日のマルガリータ 『私たちには物語がある』角田光代で気になった本のひとつ、『二人乗り』平田俊子、
  
あらすじも愉快だったが、平田俊子の文体、構成力に目を開かされた。
巻末の筆者略歴をあらためて、詩人・劇作家・小説家 に納得した。
何事も日常に寄り添う方向で、軽やかなほろ苦さとユーモア感ある文体を手本にしたいと思った。

≪参考≫
『二人乗り』 いくつになっても恋愛にあがくのだ[評者]角田光代(作家) 
三十代になったら恋愛の悩みなんかないんだろうと、二十代のころは思っていたのだが、三十代に突入するやいなや、以前に負けない恋愛の悩みに襲われた。現在三十代の私は、四十代になったらよもや恋愛のことなんかで悩まないだろうと、あいかわらず思っているのだが、三編の小説から成る本書を読み、そんなことあるはずないか、と笑いたくなった。
 ~
見事にみんなあがいている。恋愛に足を取られている。本書が描く彼らの恋愛は、しかし美化されてもおらずかといってどろどろしてもおらず、もっと日常に寄り添った何かである。台所のにおいとか袋入りのあんぱんとか、仏壇に供えた花とかやかましく時刻を知らせる壊れた時計とかと同列に、人の暮らす場所にあるもの。決して絵にならず、美しくもないが、しかし彼らがあがく姿は、フライパンやアイロンがあるべき場所に常にある、そんな安心感を与えてくれる。
 前作『ピアノ・サンド』と同様に、平田作品には、軽やかなほろ苦さと、独特のユーモアがある
 坂道では足を踏ん張る。下り坂では風を切る。荷台に座ったときは前の人にしがみつく。ときどきバランスを崩してよろける。人とともに生きていくのは、不器用に自転車を漕(こ)ぎつづけるようなことなのかもしれない。
 

『私たちには物語がある』『かなたの子』 角田光代

2014-01-08 05:57:07 | 本 MEMO
年末、「かなたの子」をWOWOWで放送するのを知って、出先の地方でも、思い立つと書店で探したりしたのだが、なかった!
久しぶりの角田光代、予告記事からは少し変わったのではと感じて、テレビ放送の前に原作を読んでおきたかったので。
かわりに読みだした『私たちには物語がある』が読みでがあって、

2010年刊行、デビュー20年目の読書遍歴の披露、その数140作品、半端でない!
自称「感想文集」、書評集ではないとことわり、“読みたくて読んだものばかりであり、読んでみておもしろかった本ばかり”で、作家の直の心持に圧倒され、一作品ごとに背筋をのばすような緊張感で読み進めた。

河合香織の「あとがき」にあらためて<書評は恐ろしい行いだ>と思った。
少し抜粋すると、書評は嘘を許さない。時には小説やエッセイよりも、書く者の心の核をさらけ出してしまう。そしてためされている。読者によって、さらにはその本を書いた作者からも。
~ 非常に個人的なほんとに営みがさらけ出されている。それは取り上げる本によっても分かる。~ なかでも家族というテーマはたびたび取り上げられている。  
≪家族であっても、他者は底知れぬ部分を持っただれかなのである≫と書きつつ、なお、そんな矛盾・不条理な生を生ききる人、本、をとりわけあたたかく肯定しているように感じる。


よく書いてくれたとうれしかった。
わが身に照らして、マルガリータのつぶやきでも公開できずにいる下書き記事のカテゴリーは、圧倒的に「自分勝手流読書」、読後感想文だ。

『かなたの子』は、

結局12月も1月の再放送も見逃して、昨日やっと原作を読み終えた。
前もって『私たちには物語がある』を読んでいてよかった。
角田光代のあらがえない核を知ってから読むのと読まないのとでは、えらい違いが生じる、
ネットの読後口コミが表面的にホラーだとか、(短編で?)結末がよくわからないとか、消極的なもののオンパレードは、このへんが原因なのではないだろうか。

(追~)
ラフカディオ・ハーン「子供たちの死霊の岩屋で」(『新編 日本の面影』)を読んだ。
現実の潜戸(くけど)訪問体験を、民俗的理解と表現力で著している。
解説では、角田光代「かなたの子」は表現が生まれては死んでいく虚構の「くけど」、自身の小説的な想像力が発生してくる期限の場所として再構築する。
 ☆今月25日~27日の出雲旅行計画が出来上がった。真冬で海上からの「くけど」探索は無理なようだが☆ 

『トラウマ映画館』町山智浩

2013-12-14 19:51:36 | 本 MEMO
奇才映画評論家、町山智浩が11才から16才時(つまり'73~'78年)にテレビで観た映画で、
いやな記憶が残り、トラウマとして抱え込んだ映画を40代になって、もう一回見直して(裏海賊版をさがして)検証したもの。
    

マルガリータ自身の好みのジャンルにもあい、
町山自身の生い立ちのトラウマ語りにあいまって、マルガリータ自身の回顧に想いも飛んで、一遍、一遍がなかなかにきつい体験だった。
(巻末、川本三郎の解説は、この時代を語らせたら、という優れもの。)

1 「消えた旅行者」は存在したのか?――『バニー・レークは行方不明』
2 孤高の鬼才が描く、アイドルの政治利用――『傷だらけのアイドル』
3 人間狩りの果てに言葉を超えた絆を――『裸のジャングル』
4 『エクソシスト』の原点、ルーダンの悪魔祓い――『肉体の悪魔』 『尼僧ヨアンナ』
5 世界の終わりと檻の中の母親――『不意打ち』
6 ハリウッド伝説の大女優、児童虐待ショー――『愛と憎しみの伝説』
7 少年Aが知らずになぞった八歳のサイコパス――『悪い種子』
8 あなたはすでに死んでいる――『恐怖の足跡』
9 奴らは必ずやって来る――『コンバット 恐怖の人間狩り』
10 初体験は水のないプールで――『早春』
11 古城に吠える復讐の火炎放射――『追想』
12 人間対アリ、未来を賭けた頭脳戦――『戦慄! 昆虫パニック』
13 残酷な夏、生贄のかもめ――『去年の夏』
14 核戦争後のロンドンはゴミとバカだらけ――『不思議な世界』
15 アメリカが目を背けた本当の「ルーツ」――『マンディンゴ』
16 ヒルビリー、血で血を洗うご近所戦争――『ロリ・マドンナ戦争』
17 深夜のNY、地下鉄は断罪の部屋――『ある戦慄』
18 メーテルは森と湖のまぼろしの美女――『わが青春のマリアンヌ』
19 真相「ねじの回転」、恐るべき子どもたち――『妖精たちの森』
20 十五歳のシベールは案山子を愛した――『かもめの城』
21 サイコの初恋は猛毒ロリータ――『かわいい毒草』
22 聖ジュネ、少年時代の傷――『マドモアゼル』
23 二千年の孤独、NYを彷徨う――『質屋』
24 復讐の荒野は果てしなく――『眼には眼を』
25 誰でも心は孤独な狩人――『愛すれど心さびしく』

『トラウマ映画』収録映画の入手方法~町山
You Tube 町山、小島慶子のキラキラ

『君に友だちはいらない』瀧本哲史

2013-12-13 23:24:04 | 本 MEMO
昨夜に続いて新宿南口、紀伊国屋書店まで、入口タリーズのコーヒー香でリラックスしたか、今日は決断がはやい、
新刊書人気ランキングのコーナー、平積み本、 手早く6冊購入、西落合へ。

『君に友だちはいらない』
  

瀧本哲史は初めてなのでロング&ベストセラー『僕は君たちに武器を配りたい』からいくか、
新書版『武器としての決断思考』で手軽にいくか、全部買っていくのも案だが…
決め手は、この新刊本の「はじめに」“読み終えたときには、『君に友だちはいらない』という本書タイトルの真の意味を、ご理解いただっけるはずだ。”
どうも、最初から著者の誘導にのっかった感じで(乗れた感じ?)、気持ちよく読み進んだ次第。

グローバル資本主義が本格的に上陸し、戦後、奇跡の復興を遂げた日本やその躍進を支えた会社などの組織が解体され、新たな仕組みが再構築される「夜明け前」の今を生きるための「チームアプローチ」論。ほんとうの友だちとは? 真の仲間とはなにか?

・人材のコモディティ化を乗り越える方法は「武器としてのチーム」を自ら創り出すことしかない。
・必要なのは、ともに試練を乗り越え、一つの目的に向かって突き進んでいく「仲間」だ。

お薦めしたい方の顔がチラチラと、いずれ読みやすく「7人の侍」の例にみるごとくわかりやすい。









家庭画報;パリ、ウィーン

2013-12-02 09:09:41 | 本 MEMO
なぜか1188様の定期購入雑誌「家庭画報」、
1月新春特大号が目の端にはいり、パリ、ウィーンのページを切り取り、さらに備忘録まで~(笑)

・岸恵子&吉永小百合;パリを歩く~ 
 

セーヌ左岸;シテ島 ノートルダム大聖堂前
サン・ルイ島 サン・ポール地区の石畳の坂道
ブーローニュの森 アンフェリュール湖の中州のレストラン「シャレ・デ・ジル」 Le Chalet des Iles
モンソー公園   ロダン美術館 
ラスパイユのビオ・マルシェ Marche Biologique Raspail
ラベイ・ピノー古書店 Librairie de l'abbaye-pinalt
アレクサンドル三世橋
シャングリ・ラ ホテル

 私の好きなパリ 
  吉永小百合 サン・ジェルマン・デ・プレ教会   国立ウジェーヌ・ドラクロワ美術館   パリ左岸 骨董品街
           
        
  岸恵子   ブラッスリー・ドゥ・リル・サン・ルイ   ファブリス    ソニア・リキエル本店
        
         衣装;レ・コパン(サン・フレール) エスカーダ・ジャパン


・ウィーンフィル 楽団ゆかりのスポット
  

  

文春新書・中野雄の3冊

2013-11-28 23:51:51 | 本 MEMO
丸山眞男に半世紀にわたって師事した」中野雄(たけし)の文春新書3冊を通読したところです。
    

『ウィーンフィル~ 』からパラパラと、どこでも開いたページから目が離せず、気がつくと先を読み続けている。
巨匠の、聞いたこともないような裏話にビックリしたり、著者の話し方(書き方)が親切、丁寧、愉快。
あとからわかったが、こういう思考法自体が丸山眞男そのものらしい。

『丸山眞男 音楽の対話』に進み、ワーグナーとフルトヴェングラー、音楽史と激動の20世紀、ここでも率直で贅沢に‘裏話’が公開される。
≪指輪 リング≫4部作、示導動機(ライトモチーフ)等、台本の勉強とオーケストレーションの理解… あっけにとられるしかない。

読書に倦むと、所番地まであった丸山眞男邸まで散歩方々。(我が家から4キロ、吉祥寺手前だった!)
すでに、表札もなく無人邸だったが、この3部作?の理解はより深くなったと思う。
マルガリータ の全共闘世代にとって、「丸山眞男」は”神様”、それが、身近に感じられてきてうれしくてしょうがない。

『丸山眞男 人生の対話』は、前2作から時間もたち、著者の遺言めいた書きっぷりもチラホラ、
ここでも1960年代の政局がらみの秘密話、著者のドイツ留学の真相など、時効といいつつ、いさぎよくすっぱ抜く。

80歳を超えて、恩師がらみで自分史をつづる著者には〝憧憬のいたり”、これから‘2度目の通読’に向かいます。

『おしゃれの手抜き』

2013-11-20 14:18:42 | 本 MEMO
急に冬になって、服の総点検中。
今年は~どうにも野暮臭く感じて、それでも捨てられない~アイテムがひらめいて復活、
女って、こういうのが本当にうれしい。お金に換えられないうれしさ…

一年間のジム通いの成果で、体形が変化しているのか?気持ちが若返ったか、成熟(老化)したか?
はたまた、ヨーロッパ通いで、セレブウォッチング&ブランド・非ブランド大量買いでセンスアップ?

本棚にねむっていたおしゃれ本なんかにも、より深く納得している
    

著者は「1シーズンにグレーのパンツ、2本あればいい」という生粋のパンツ派、マルガリータ向きだった。
  この時期、冬のおしゃれについての注目点は、
  ・何はなくともグレーのタートル
  ・10年愛せるのは、レザーのライダースジャケット
  ・ロングブーツなら、黒の乗馬ブーツが使える(タニノ・クリスチー)
  ・秋冬のバッグ選びは必ず肩に掛けてから
  ・タイツの色は靴に合わせる
  ・夏と冬。黒の素材を極める
  ・ラメやスパンコール 冬こそ「光る素材」を。


『パリの裏通り』 高橋克典

2013-11-14 23:59:28 | 本 MEMO
今までで、こんなに充実?した帰国後1週間 はなかった。
コンサート4回、美術館、映画館、スカイツリー、友人と会食、と出歩く合間に、
ビデオ「ダ・ビンチ・コード」、catvクラシカジャパン、サウナ2回、バラ、と、その合間に~

『パリ本』漁り(早くも次回飛びの用意?)で、おもしろかったのが、
この『パリの裏通り』 高橋克典
 

どこへ行くのにも持ち歩いて読んだ。
〝いいかげんな子育てのすすめ”の、フランス式「いいかげん」さに賛同☆
日本の出産率低下を憂いて
    ・先進国の中でずばぬけて高い、日本の”子育てコスト”
    ・(日本の)保育所と育児休暇だけで大丈夫か
    ・合言葉は〝楽しい出産”
    ・子供と大人の間にベルリンの壁
    ・過保護に管理することが愛情か

このあおりで、突然、日本の少子化問題を突き付けられたA様には、困惑されたことでしょう。

≪参考≫本誌より抜粋;
内容 
いわゆる「パリかぶれ本」ではない。パリでどのように生活するかを書いた「ハウツー本」でもない。パリのありのままの姿…ではなく、レントゲンや内視鏡を使ってふだん見えない奥のほうまで覗いたもの。
高橋/克典
1957年生まれ、玉川大学文学部外国語学科卒業後、ハナエモリ、主にマーチャダイジング担当。87年SABコンサルティング・グループ、コンサルタントとして主にパリのファッションメゾンのブランド・マーケティングに携わる。

『看守眼』 横山秀夫 

2013-11-08 23:57:55 | 本 MEMO
20℃の心地よい陽射し、これぞ「小春日和」、
2週間ぶりのバラ点検、名残の蚊にさされたり、緑の毛虫にビックリしたり、ちょっと動くと汗ばむ。
帰国直後の無理は禁物、と言い訳、体も気持ちよく弛緩状態で、10時の一休みが、

BS-TBS 横山秀夫サスペンス につかまって12時まで。
影の季節4「失踪~留置所で冤罪の血文字を残し自殺した犯人!失踪した看守を48時間以内に捕まえろ」


上川隆也演じる二渡(ふたわたり)の硬質な感じがいい。
 ・「犯人」を探すことが仕事でない管理部門が主役 
 ・いきおい心理ミステリーの趣、
 ・捜査畑との対立から管理部門の人間の悲哀
という新鮮ではあるが、ともすれば地味な原作の味がよく出ていた。

 C.F. 内野聖陽の『臨場』は、芸達者な彼の演技がぎらぎらで、テレビドラマとしては楽しめるのだが、
    原作の味という点ではどうだろうか。

いずれにしろ、寡作な作家だ。 
少ない作品をドラマ化するときに、いろいろなさじ加減でやってもらうのに文句を言う筋合いはない。

   パリ・ヒルトンでパソコンに向かうマルガリータ



『中年心得帳』 林真理子

2013-09-25 13:30:46 | 本 MEMO
ピンク、漫画風入り、の表装に、
いつからおばさん?  読めば一生、女の現役  女をあきらめない心得48話  と刺激あふれるキャッチが続く。

     

これって、マルガリータ風ではない !??
もちろんそう思った、が、字が大きい、4ページ読み切り、オチが愉快、最新美容情報、でワイン片手に一気読み。
 ~「書ける人」になる、ブログ文章教室☆~ などと、言い訳も用意。(笑)

「私のアンチエイジング道」⇒みっともなくない程度にもがき、成果は出したい。努力はするけど無理はしない。そのことに縛られない。
まあ、普通かな?と思いきや、

痩せる漢方薬 美容整形・レーザー エステ 歯列矯正 から、
加圧トレーニング 陽焼け ファンデーション ダイエット 写真・カメラ移り ナマ脚、
日本女性の美(着物) 真珠 ユニクロ 美容院 京都・芸妓…

と、お金と時間をかけた過激な実体験のばく露に続いて、
五十すぎてわかったという著者の「おばさん論」、これまた痛快な本音トーク☆

終わりに近づいて、少々乱暴なまとめが続く。
”ワーキングワイフの憂い”では、以下のような白眉な一節☆

結婚生活はそう楽しいことばかりではない~ 専業主婦よりワーキングワイフのほうがずっと下手に出て、夫に気を遣う~
まあ、はっきり言うと、楽しい日々を送っている中年の女というのは、
浮気しなくてお金持ちの夫を持つ専業主婦だ。それも二番目に結婚した奥さんのほうがはるかに幸せの確率は高い。
たいていの女は、それほど幸せかと聞かれれれば「ふーん」と黙りこくるであろう。
 
   

折から、今日9月25日の日経朝刊に、若者の意識調査で 「専業主婦希望3割」15~39歳の独身女性 の見出し。
女性は3人に一人、対する男性の相手への専業主婦希望は5人に一人にとどまった。 
   
そう、まあ、はっきり言えば 専業主婦・夫が金持ち・浮気せず・やさしい のが幸せでないわけはない...what's your idea? 

池内 紀『消えた国 追われた人々 東プロシャの旅』

2013-06-11 22:42:13 | 本 MEMO
週刊文春の紹介記事で、書店に走った。
4月のバルト3国;エストニア・ラトビア・リトアニアの旅で、地図から消えた国の衝撃がいまだ消えないうちに、
ドイツ文学者・池内 紀が、同じように消えた国、東プロシャ を10年来追いかけていたとは。
  

もっとも、バルト3国と東プロシャでは、消えた 様相に違いがある。
かたや、ソ連領内に組み込まれて地図上から消え、民族そのものがジェノサイト(絶滅)の危機にさらされたのに比し、
東プロシャの場合は、ソ連領とポーランド領に分断・分割され、ドイツ人が追い出された。
「戦犯」ドイツが、被害者の立場から、ドイツ「難民」についてもの申し始めて、初めて明るみに出だした歴史的事実、

日本人、自称「単一民族」国家人には、絶望的にかけている視線、
地続きの国のタブー問題を、紀行文にのせて解題していく筆者に脱帽。
バルト3国

 現ポーランド 

「新月譚(シンゲツタン)」 貫井徳郎

2012-05-09 07:46:04 | 本 MEMO
今日(実は5月23日)までの3週あまりの断筆!?について、あちらこちらの方々にお詫びします。

 その原因の事始めは、この貫井徳郎の新刊「新月譚」でした。

(私の寝室の前の部屋のジャスミン様にはきづかれていたのですが)

たしか、週刊新潮の書評から書店に直行、生来の遅読がさらにさらに~芯から味わいました。
その間、何も手につかず、時差ボケもあって、今思うと、何やらいまだ宇宙空間をさまよっていたようでした。

詳しくはあとから書き込みますが、書評を、紹介しておきます。(これから6,7件の新規投稿目指しているので…(笑))


「ミュンヘン物語」小松伸六

2012-03-15 11:51:33 | 本 MEMO
どういう〝運命”のめぐりあわせか、この「ミュンヘン物語」はミュンヘンから帰国後に読みだしたのが。
砂地にしみいるがごとくに、こんな楽しい読書時間は久しぶりでした。

 多岐にわたる内容、作品紹介も多く、知の宝庫のような本です。

もっとも、著者はあとがきで、
~主題からはずれ、脱線、余談、俗説、かん語(うちとけ話)がとび出してくるので、
 フェイトン(学芸的よみもの)といったほうが、…つまり雑録です。~

などと書いていますが、

~(ミュンヘンの)ひいきのひきたおしのような本~
~時々、この感性的な芸術都市は、… サブ・カルチュアの町かもしれないと思うときもありました。~
~北の町々やライン河畔のどの町よりも親しめる~
~ミュンヘンは誰でも住みよいと思います。
 「地獄はロンドンによく似た町」(P.B.シェリー)
 私なら東京もミュンヘンも「住み心地のよい煉獄」(レジス・ドブレの言葉)だと思います。~

等々、今の私の思いそのままで、へたな学術書、研究書よりよほどありがたい。

 文中、ルートヴィヒ二世とワグナーの話から、「ワーグナーへの旅」(とんぼの本)、「ワーグナーの妻コジマ」をあたっていましたら
 ワグナーの妻コジマについて、ずいぶんと立ち入った話が出てきます。
   
 
 それはともかく、ワゲナー死後、47年生きて、バイロイト音楽祭を成功させたくだりを読んでいて、
 その直後のテレビで、石原裕次郎亡き後25年目に、「黒部の太陽」上映にこぎつけたまき子夫人を見ました。

 職人が出入りしていて、ひがな家に缶詰でしたが、なかなか楽しい一日でした☆


 

「ミュンヘン倒錯の都」今泉文子

2012-02-22 18:17:59 | 本 MEMO


この本もまた19世紀末から20世紀初頭にかけての世紀末論にくくられますが、
「あとがき」の著者解説から、題意を探ると、
「倒錯」ー正反対に倒立した姿。倒錯の鏡に映してみた時のある都市の運命。

「芸術の都、イーザル河畔のアテネ」「居心地のよさ、来訪者の歓待、祝祭性」「人口百万の村」ーミュンヘン革命、反革命、ナチズム
「芸術の都」ー「ビールの都」 「君主の庇護厚き芸術」-「目いっぱいビール漬けの享楽的市民」

「薄っぺらな世紀末論議などたたきつぶしてしまうバイエルン的野太さ、したたかな凡庸さ」-ルートヴィヒ2世、ゲオルゲ、トーマス・マン
「凡庸さ」「正常」-道徳的腐敗。性的逸脱。 (「逸脱」は、時として「凡庸さ」や「正常」を撃つ力を帯びることもある。)

ミュンヘンを軽蔑しつつ、ここを愛し、ドイツを捨てつつ、これを忘れることができない
「腐敗した成り上がり」とヒトラーを罵りつつ、あえて「兄弟ヒトラー」と呼ぶ、トーマス・マンを狂言回しに。


☆1月半ば、ほんの1泊、寒い風雨のなかでの中心部半日観光でしたが、
その後の8日間の旅行中も、思うは「ミュンヘン」ばかり、「どうしてミュンヘンなの?」と人にはいわれるものの、
うまく説明ができないまま、同行したジャスミン様が「何かを体感したって事よ。」など言ってくれるのに「そうそう!]☆

   ♪運よく3月1日から8日まで、ミュンヘン再訪します。
     ただひたすら、「ミュンヘン」、イギリス庭園東際のヒルトン・パークに6連泊、
     何かが進展すればよいのですが♪