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マルガリータのつぶやき

フォトジェニックな「趣味の記録」:マルガリータの庭、国内海外の旅、グルメ、美術・音楽・映画、自分勝手流読書、etc

『住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち』

2014-12-11 17:56:10 | 本 MEMO
JR八王子駅の大型書店、友人との待ち合わせ時間までの所在なさで〝ベストセラーコーナー”に手が出た。
『住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち』川口マーン恵美、

           

語り口が一刀両断的、すっきり☆ いちいち納得する☆ マルガリータとは相性良し! 気が合うかも(笑)

30年間のドイツ暮らしから、かの地と、EU,ヨーロッパ事情と、日本との比較対照。
マルガリータの体験も少々織り込むと、

第6章から; 馬肉スキャンダルとは何か
      イギリス冷凍ラザニアに牛の代わりに馬のひき肉、ドイツでも、
      ルーマニアの野良馬が肉やに持ち込まれ、馬肉の供給が増えた。~先日のルーマニアで昼食のミートボールがもたれて仕方なかった、

第10章から;知らない土地では劇場か動物園に
       知らない土地で、その町の豊かさは「劇場と動物園」にまでお金を描けているかどうか、
       マルガリータもいつも言っている、「ミュンヘンのオペラ座、ガスタイク、ミュンヘン動物園がある限り…」
       ボルドーのオペラ座、リガのオペラ座、も良かった。
       やる気が失せるオーケストラ
       お客の質で本当にコンサートは左右される。 パリ・サル・プレイエルはいつも安心して聴ける。

第12章から;ロマの物乞いの背景に犯罪組織が
       パリのオペラ座付近の日本人は格好の餌食、白昼堂々、少女の群れに囲まれてあっというまに携帯電話、財布を持って行かれる。
       シャンゼリゼ最寄りの警察署で、10歳くらいの少女満載ワゴン車を目撃した。居合わせた仏人女性弁護士も、
       「未成年は即釈放で警察もいたちごっこでなすすべがない」とあきらめ顔。それを承知で上部も繰っているのだ。

 (書きかけ~

『中欧怪奇紀行』;吸血鬼ドラキュラの巻

2014-12-02 14:22:25 | 本 MEMO
「ルーマニア・ブルガリア」の本を2Fの書棚で漁っていたら、出るわ出るわ、いつどういう意図でここまで集めたものか我ながら???

 

~ 今宵、ドラキュラの話なぞをいたしましょうか~
「中欧の怪奇をしょって立つ男」;
吸血鬼ミステリーマップを見ると、ドナウ流域・ロシア、ギリシャ正教の勢力範囲に重なるんだ!


~あるいはビザンチン帝国とかが期限なのかなぁ。
~ペストの伝染とも、ノミは血を吸う。
~一つの仮説として、火葬の普及が遅かった。


以前の伝説、伝承をブラム・ストーカーが『吸血鬼ドラキュラ』に統合したんだ!
 
~ブラム・ストーカーのキャラクター設定がみごと;ダンディな貴族、
~ヴラド・ツェペシュという現実のモデルがいたが、
   
~ツェペシュよりドラキュラのほうが、ずっと魅力的だしすごみもあります。
~「ヨーロッパ辺境の暴君」という川の流れと「吸血鬼伝説」という川の流れが、いったん「ブラム・ストーカー」という湖にいったん流れ込んで~
いろんな吸血鬼の伝説があって、ヴラド・ツェペシュがいて、それをくっつけてブラム・ストーカーがドラキュラを作って、それが映画になって~


ドラキュラ映画の話~  
クリストファー・リーのドラキュラ3部作
   

・吸血鬼カーミラ
 
・『ポーの一族』
・アン・ライスのシリーズ『夜明けのバンパイア』
・『ノスフェラトゥ』 無声映画 1922年ドイツ ムルナウ監督
  

・コッポラの『ドラキュラ』
ベラ・ルゴシ『魔人ドラキュラ』ユニヴァーサル 30年代
  

≪ついでに読んだ本≫
 ←トランシルヴァニアを旅するアメリカ人








『神座(いま)す山の物語』;浅田次郎

2014-10-28 14:12:15 | 本 MEMO
浅田次郎お得意の夜語り短編集の最新刊。「小説推理」初出、

  

場所は奥多摩の御嶽山(みたけさん)にある神官屋敷、浅田次郎の母の実家だ。少年だった浅田次郎が聞いた伯母の怪談めいた夜語り
7編を毎日一遍ずつ、味わいながら夢うつつの1週間だった。現在も実在の神官屋敷、たぶんケーブルに乗って何回かは行っているはずだが、文章世界に圧倒されて思い起こす気にもなれない。ひたすら字づらから想像の翼をひろげて浅田次郎の世界に遊んだ。

 

読み終ってさて、全山真っ赤に燃えるという紅葉の時期も間近だし、浅田ゆかりの旅館に予約しなくてはと心急いた。スケジュール調整がうまくいくといいのだが、とにかく相手は紅葉、むずかしいところだ。


『引退しない人生』曽野綾子

2014-10-24 21:37:27 | 本 MEMO
またまた、曽野綾子流人生論を読んでしまった。
『引退しない人生』;年をとるほどに「成熟する人」と「ただ老ける人」 その違いは何か?
著者の、今までの著作から表題に沿うところを抜粋してくるやり方は何冊か読んでいるが、この文庫くらい潔くわかりやすかったことはなかった。
読み手の『成熟』がすすんだせいか?とは、我田引水様であまりいいたくはなかったのだが…(笑)

    

「人は変わる」;人間自体が年を取ると若い時とは全く別人になっている。 の大前提のもとに、「加齢の知恵」礼賛のオンパレード、
・年を取るほどに人生をおもしろくする知恵
・晩年を美しく生きる知恵
・深く愛し愛される知恵
・人生をほどほどに成功させる知恵
・幸福を味わう知恵
・人と出会うほどに賢くなる知恵
・他人の評判に動揺しない知恵
・死を準備する知恵
・失うことを受け入れる知恵
・魂を輝かせる知恵
・流されないで生きる知恵
・びきびくせずに旅行できる知恵
・生活から引退しない知恵
・お金に惑わされない知恵
・心ぜいたくに暮らす知恵

カトリック者、世界中何百か国を旅して、三浦半島の田舎のセカンドハウス暮らしを楽しみ、人並に病気にもかかり、引き時をいつも頭に入れて生きる覚悟で、
誰もが漠然とは考えている内容だと思うが、たとえば、「老成した人は、誰にも人にはそれぞれの美学や好みがあることを、骨身にしみてわかるようになっている」「中年になると、なんとなく複雑なあじのあるひとになっていることはよくあるのだ」 などという一例からだけでも、誰もが早々に書ききれる深みではない。

著者の言い方を真似れば年を取るほどに、わかったつもり、読んだつもり、体験したつもりの処々でも、より深く理解できるようになっている」のを実感しつつ、読了☆

『パリの秘密』『文学的パリガイド』;鹿島茂

2014-09-26 16:45:24 | 本 MEMO
いつもながらのことだが、著者のパリに向ける情熱に振り回されて、パリに魅入られたような日が続いている。
今回はウィーン直行便が満席で、仕方なくパリ経由で、パリは2泊のみなのに、頭はパリでいっぱいになっている。
パリは、初心者、中級、上級、いずれにとっても魅力満載の都なのだ。

 




TED(1);現代奴隷の目撃写真

2014-08-04 11:13:42 | 本 MEMO
灼熱の今夏こそ、(クーラーの部屋から出られないから)かえって英語学習 に集中できるというのを知った。
といっても、映像つきの「TED」;Technology Entertainment Design で興味があって面白そうなスピーチを見つめるだけだが。
英語字幕と日本語字幕つき、両者が並行して流れ、長くても15分☆

「リサ・クリスティン: 現代奴隷の目撃写真」は、過酷な労働下の奴隷を前にして、「直接助けることもできない、お金を与えることもできない」
NGO:フリー・ザ・スレーブが関与しているというが。


もう10年近く前になるか、中国の景勝地九寨溝で重労働の光景そのままだ。
九寨溝の歩道に敷き詰める長く重い木材を背中に括り付けて麓から運び上げる。何も持たなくても薄い空気で高山病にかかる場所だ。
このとき、目の前に行く人だけにでも、少しのお金でもあげられるものなら、と思った。
グログを書きはじめる前だったのが残念だ。

TED日本語 - リサ・クリスティン: 現代奴隷の目撃写真
この2年あまり写真家のリサ・クリスティンは世界中を旅して、我慢できないほど過酷な現代の奴隷の現実を記録してきました。
彼女はガーナの鉱夫やネパールでレンガを運び出す人々等、心に残る写真を紹介しながら、世界中で奴隷扱いされる2千7百万人に上る人々の窮状を訴えます。


MEMO<関連ブログ>
奴隷を解放せよ - 2,700万の心の叫び - 仙人の祈り

『旅する哲学』大人のための旅行術 A・ド・ボトン

2014-07-23 18:27:53 | 本 MEMO
もはや、形容しがたい暑さ、だから…、クーラーの部屋に閉じこもって机上旅行するには最適の本を見つけた。
それも ー「大人のための旅行術」「より抜きの大人』のための本-(池内紀)

『旅する哲学』大人のための旅行術から✒
  

Ⅰ 計画の楽しみ ~ 出発を前に  第一章 大いなる期待 より 
・旅行ほど幸福の探求のダイナミックスをー その熱意の逆説のすべてを -はっきり表す行動はめったにないのではあるまいか。~それなのに、旅行が哲学的な問題をー つまり実際的な情報以上に、ひとに考えることを求める問題点を -提起しているとみなされることはめったにない。 
・~ なぜ、どのようにして、旅行するのかについて聞かされることはほとんどない。      

      ・<デ・ゼッサントのロンドン>  <わたしのバルバドス島>
      ・<ボードレールの港>      <ホッパーの旅路の情景>
      ・<フロベールのエジプト>    <わたしのアムステルダム>
      ・<フンボルトの新大陸>     <わたしのマドリッド>
      ・<ワーズワスの湖沼地帯>    <わたしの湖沼地帯>
      ・<ヨブのシナイ半島>      <わたしのシナイ・ツァー>
      ・<ゴッホのプロヴァンス>    <わたしのゴッホ・ツァー>
      ・<ラスキンの方法>       <わたしの実習>
      ・<ド・メーストルの室内旅行>  <わたしの近隣旅行>

 訳者のあとがきから; ~ だが、まだ秘境は残っている。それこそ、わたしたちの感受性だ。~ 

≪MEMO≫
AMAZON;
世界で絶賛! 極上の旅のエッセイ&旅行術。
『哲学のなぐさめ』の人気哲学者による旅からベストのものを持ち帰る為の技術。ユイスマンス、ボードレール、フロベース、ワーズワス、ホッパーら最高のガイドたちが旅をたのしむ秘訣を伝授する!
「BOOK」データベース;
作家・芸術家・哲学者の生涯や作品を通して、旅を楽しむ秘訣を伝授するまったく新しい旅のガイド。世界的ベストセラー『哲学のなぐさめ』の著者の最新作。

6月の京へ②『時雨の記』中里恒子

2014-06-03 12:46:44 | 本 MEMO
先日の『やっぱり、嵯峨野に行こう』に続く「京都へ②」は、『時雨の記』中里恒子
  

2週間くらい前、たまたまつけたテレビで吉永小百合・渡哲也「時雨の記」を見ている。
「不倫」をあつかって、優雅にしっとりと幻想的な「吉永小百合の映画世界」、
二人が行き違う、定家の草庵があった小倉山麓の二尊院、時雨亭跡あたりが印象的だった。
  

原作は、これもまた幽玄に知的に終始して、なお男女の愛情のリアリティはあますところなく。
173ページからの、嵯峨野、時雨亭のくだりは映画では端折られた「せりふ」・会話を楽しんだ。
小説的現実として、二人の男女の心理のやり取りのリズムを聞く(評 河上徹太郎)
作家世界にとり込まれてかなたこなたに想いを馳る、<浮世離れした大人ならではの愉しさ>とはこんなのを言う?

6日金曜日から2泊で京都、嵐山めぐり、お天気があまり良くないようで、まぁ、それも風情があるかもしれません。

6月の京へ①『やっぱり、嵯峨野に行こう』瀬戸内寂聴

2014-05-27 21:54:42 | 本 MEMO
京都は四季おりおりに魅力満載だが、マルガリータ の胸が騒ぐのは6月だ。
何もないって? たしかに… もうすこしで祇園祭、8月の大文字送り火。
デモ6月、梅雨の蒸し暑い都会から逃れ、一服の涼&「鮎・あゆ」
  ~ということで、もう来週になりました。「星のや 京都」にいきます☆

前口上はここまで、『やっぱり、嵯峨野に行こう』瀬戸内寂聴を読み返した。
77年だから寂聴が出家してまだ3,4年、55歳だが、マルガリータがここでやっと追いついた感じ。(精神的に)
不思議な本だ。春から夏、秋、冬の京にからめ、庭、友、出家の気持ちのつづりが、すべて「死」を眼前にとらえて静かにはげしく向かっていくような。
もっとも文中には、「死」と「生」は分断された全く別物の不連続と明言しているのだが。

  

(赤字の神社仏閣などは、本文に登場する名称)

   

『いつか陽のあたる場所で』乃南アサ

2014-03-28 13:09:37 | 本 MEMO
先日の マダムランチ には続きがあって、彼女の愛読書;『いつか陽のあたる場所で』乃南アサの話へ。
マルガリータにとっては未読以上、乃南(のなみ)アサは一作も知らず。
帰宅途中ではや手に入れて、さっそく読み始めたら、これがおもしろい。
「おもしろい」というのとは少し違うかもしれない…
主人公たちの苦労話にもかかわらず、心の底から、体の芯からエネルギーがわいてきて元気が出てきたのだ。
ここのところの理由のない〝うつ”気分(春先には多いとか)には、読むくすりになった。
 「芭子・綾香シリーズ」ウィキペディア

続けて、『すれ違う背中を』『いちばん長い夜に』でシリーズ完読したが、第1作の衝撃はなかった。
 

まあ、芭子の量刑が重すぎるんじゃ?とか、綾香の心の深層はこんなものか?の疑問にきっちり答えが用意されて、すっきりした程度。

Nさんも、(めったにないことだがとことわりながら)再読したとか、
いかに友人が大切か、女同士の友情がいかにありがたいか、ということなのだが、
純粋なばかりでない、優しいばかりでない、立体的・複層的な小説世界を、再読することで確かめたかったのでは、と勝手に解釈している。


≪MEMO ≫(内容)
本気で恋をしたホストに貢ぐために、昏睡強盗を犯してしまった小森谷芭子(上戸彩)は、懲役7年の実刑判決を受ける。服役した刑務所で、家庭内暴力から息子を守るために夫を殺した江口綾香(飯島直子)と知り合う。芭子が出所したときに出迎えてくれたのは、家族ではなく、先に服役を終えた綾香だけだった。家族に見捨てられ、過去を抱え込みながらも、深い絆で結ばれた2人は下町・谷中で寄り添うように新しい人生を歩み始める。
(「BOOK」データベースより)
小森谷芭子29歳、江口綾香41歳。ふたりにはそれぞれ暗い過去があった。絶対に人に知られてはならない過去。ふたりは下町の谷中で新しい人生を歩み始めた。息詰まる緊張の日々の中、仕事を覚え、人情に触れ、少しずつ喜びや笑いが出はじめた頃―。綾香が魚屋さんに恋してしまった!心理描写・人物造形の達人が女の友情に斬り込んだ大注目の新シリーズ。ズッコケ新米巡査のアイツも登場。




海野弘のベスト10・MEMO

2014-03-27 13:59:21 | 本 MEMO
週刊現代の連載・わが人生最高の10冊、
先週号は、海野弘さん「21世紀を生きるために、19世紀末に学ぶ」
都市論、文学、映画など、多岐にわたる評論家で著書多数、

今回は、10冊の選ばれた経緯が、選者のテーマ変遷に沿って説明されている。
60年代から19世紀末の「アールヌーボー」に関心を持ち、

・その当時に書かれた文学作品から
<1位> 「失われた時を求めて」プルースト
      「ベル・エポック」の世相と、自身の精神史を重ねて、 アール・ヌーボーの時代そのもの

<3位> 「昨日の世界」    ツヴァイク
       第一次大戦によってウィーンをはじめとするヨーロッパがいかに変わってしまったかを描いた回想

<2位> 「パリー十九世紀の首都』(パサージュ論第1巻) ベンヤミン
       20世紀初頭、パリの都市化が進み、表道理が整備されたことで、旧来の裏道理の魅力が増した、と述べている。

  

マルガリータ;
☆4月21日から、パリ5日~トゥールーズ~ルルド~サンセバスチャン(スペイン)~ロンドン4日、3週間弱の予定です☆ 
 <参考地図> 
         
 




『シズコさん』 佐野洋子

2014-03-12 05:59:35 | 本 MEMO
佐野洋子はどんどん進む~ どんどん毒を放ち…
「シズコさん」にはまっている最中のマルガリータから立ちのぼる険悪な空気は、周囲の者を遠ざけ、当惑させ、
なにより本人の辛さといったら、この後、一週間のブログ中断という始末。

「シズコさん」とは著者の実母で、これがマルガリータの実母の「個性」そっくり。
文中、「(娘にした数々の仕打ちは)娘への嫉妬だったかもしれない」との母自身の言葉に加えて、
あのような仕打ちは、(母が)戦後民主主義をまともにうけて、新しい女の生き方にめざめたつもり故かという趣旨の見方は、もう一本の思考柱を立てられた気持だった。

  

『家のロマンス』加藤幸子

2014-02-10 22:48:14 | 本 MEMO
大雪に閉じ込められて、かねて気がかりの『家のロマンス』加藤幸子を一気読み、
          
自伝ととらえて差し支えないと途中で気がつくと、さらに興味と思い入れが増してきた。
ヨシノ(加藤幸子1936~)の祖母からはじまる、世田谷、500坪庭付き(北原白秋旧宅)の大きな家の物語。
大正・昭和・平成、戦中、戦後を、結局はここに住むつく夫や子供、その連れ合い、孫等大家族の歴史は、代を追うほどに興味深くなってくる。
時代によって「家」のもつ意味の変化も激変する。
相続問題から売却、解体にいたる顛末が久男、(ひぃ叔父さん)の偏屈ぶりをとおして説明される。

  作者がどういう意図から、この尋常ならざる次男を中心にすえたのか、
  小編につくりこむには、<毒>のある人物が必要だったか、
  この題材を長編に作り直すとすると、この人物はどう変容するだろうか、

もとより、人により読後感想はさまざまだろうが、
大きな家に多くの家族・相続人にかかわる人たちには、目を大きく開けて、しっかりすえて、という思いにおそわれること必定と思った。

≪MEMO≫
加藤幸子さんはどちらかといえば寡作の部類にはいる作家である。この場合、寡作というのはただ数が少ないということではなく、濫作をしない節度ある作家という意味だと理解してほしい。
…無用な誇張や飛躍に走らず、大事な筋道を一齣ずつ着実に進んでゆく成果として、作品はいつも端正な装いに装われることになる。といっても、それは堅苦しい整然さとはおよそ掛けはなれている。しなやかな清潔さとでもいえば、この小説の美質はなんとか言いあらわせるだろうか。加藤さんは大学で農学を学んだと仄聞するが、それで体得した科学的な思考のエッセンスが、小説の書きかたに活用されているのかもしれない。(菅野昭正氏による加藤幸子自選作品 「推薦のことば」より)






『影の部分』秦早穂子

2014-01-23 21:24:20 | 本 MEMO
映画『ハンナ・アーレント』のパンフレットで、秦早穂子の文章があまりに的確でウナッてしまい、
いろいろ調べているうち(まるで初耳の名前だった!)、自伝的小説『影の部分』に行き当たった次第。
 

1931年生まれの80余歳、日本のフランス映画輸入の生き字引のような人だった。
邦題『勝手にしやがれ』も彼女の作という。
映画輸入の裏から、著名監督、俳優がらみのパリ案内本にも使えそう☆
同時に戦中戦後の日本の社会史にもなり得て、大変な意欲作とみた。

テンポよく切れ味抜群で、諸事、思い切りよくバッサバッサと切り込んでいく文章は思った通り、
稀有で豊富な体験と文章力が合わさった、こんな幸運な書はめったにあるものではない。

≪MEMO≫ウィキペディアより
著書[編集]
スクリーン・モードと女優たち 文化出版局、1973.
パリに生きる女たち 時事通信社、1978.10.
パリの風のなかで 講談社、1979.11.
東京パリ闘い通り 大和書房、1981.11.
巴里と女の物語 PHP研究所, 1981.3.
不滅の女たち マルゴ王妃からコレットまで 文化出版局、1984.1.
「椿姫」と娼婦マリ 読売新聞社 1986.2.
シャネル20世紀のスタイル 文化出版局、1990.12.
おしゃれの平手打ち 文化出版局、1996.3.
影の部分 = La Part de l’Ombre リトルモア、2012.3.

共著[編集]
パリ・東京井戸端会議 岸恵子共著. 読売新聞社、1973. のち新潮文庫 
映画、輪舞のように 山田宏一共著. 朝日新聞社、1996.7.

翻訳[編集]
ぼくの伯父さん ジャック・タチ 三笠書房、1958. 若草文庫
エレガンスへの招待 マギ・ルフ 婦人画報社、1959.
獅子座の女シャネル ポール・モラン 文化出版局、1977.3.
シャネルの生涯とその時代 エドモンド・シャルル・ルー 鎌倉書房、1981.6.