梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之旅日記’08 頭の足下

2008年07月27日 | 芝居
鹿児島市【鹿児島県文化センター宝山ホール】での2回公演でした。
1回公演や移動日ばかりだったここ数日。久しぶりに1日働いた~という感覚。それでもずいぶん楽をさせて頂いておりますが…。
それにしても鹿児島の暑さはこたえました。まさに<炎天下>。日差しの強さが東京とは違いますね! おかげさまで洗濯物はよく乾きましたが…。

今日の写真は久しぶりにお芝居に関係するもの、『神田祭』で鳶頭が履く<麻裏草履>です。
麻裏草履は、その名の通り、裏側が麻を撚ったものになっているもの。白木綿の鼻緒はやや細めですっきりしており、今回のような鳶の者や遊び人などのお役がよく履きます。
この履物、鼻緒の位置が普通のものとは違っているのですがおわかりでしょうか?
これは<五分(ごぶ)下がり>と申しておりまして、常の場所から、(踵の方に向って)約五分(1.5センチ)下の位置に取り付けられているのです。
履いたときに、つま先から見える部分が長くなるわけですが、ここをクッと反らしておくのが、サッと突っ掛けて履いてゆくのにも具合よく、またなんともイキになりまして…。

明日の越谷、千穐楽の板橋にお出でのお客様には、ちょっとお気に留めて頂ければと存じます。