梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之旅日記’08 昨日今日の日記

2008年07月11日 | 芝居
昨日10日は東京での<休演日>ではございましたが、こういう時間こそ『稚魚の会 歌舞伎会 合同公演』のために大切に使わなくてはなりません。午前11時から松濤の藤間の御宗家のお稽古場に伺いまして、『勢獅子』のお稽古。<芸者おひろ>の振り渡しから、すでにふた月たっております。改めましてご指導いただき、なまっていた体を目覚めさせました。
『勢獅子』はあくまで鳶頭お二人の演し物ですが、二人の芸者にもそれぞれ<シヌキ>、ソロパートがございますし、幕開き早々には両人揃っての花道でのひとくさりもございます。ご祭礼ものの華やかさを少しでも出せるよう、これからも<自習>を重ねなくてはなりません。
そのあとは国立劇場へ行き、大詰めとなった事務作業を。先月も今月も東京にいないので、たまりにたまった仕事を目の前に呆然…。結局この日のうちには片付かず。

明けて本日も午前中から国立劇場にゆき仕事。昼過ぎになんとか完了。それから新幹線で越後湯沢、<はくたか>で直江津入り。
ついたころは夕食時でした。先輩後輩と合流してお邪魔しましたのが駅前のホテル近くの<魚苑 にんじん>。地元の漁師さんがやっている居酒屋ですが、これがドンピシャの大当たり! 大将自ら獲った魚は、お造りも焼き物も新鮮そのもの、まさに<生き物>の味。名物の釜飯や汁物もびっくりするくらいの美味しさ、そして大将の気前のいいサービスにお腹いっぱいどころかはち切れそうになりました。
単にオイシイなんて言葉ではすまされません。有難い、という気持ちになります。直江津という土地には初めて伺いましたが、いきなりこんな嬉しい体験ができて、本当に幸せでした。

デスクワークで終わった東京での疲れが、一気に癒されました。明日からも頑張れそうです!