梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之私信 <一心會下ざらい>

2007年07月31日 | 芝居
午後4時から10時半まで《一心會》の<下ざらい>。歌舞伎興行の稽古でいうところの<総ざらい>のようなものです。
『茶壺』『操り三番叟』『船弁慶』、すべて本番通りの生の地方(演奏家)さんによる演奏でのお稽古となります。これまでのお稽古ではテープでしたから、当然テンポや間合いが変わってくるわけで、そういうことに気を遣いながら演じることになります。
どんなノリになっても、こちらのほうで冷静、迅速に対応できれば一番なのですが、まだまだ修行不足の身ですので、頭の中であれこれ考えてしまう。そうすると役としての心が疎かになりがちで、今日のお稽古では反省しきりです。とはいえ明日は舞台稽古! 今日の稽古を録画したビデオで自分の姿をチェックし、至らぬ点を洗い出し(至らぬところばかりなのですが)、演奏を録音したテープで総復習いたしました。今日はだいぶ落ち着いては演じられましたが、残る課題の多さには悩まされます。でもまだ1日ある! 明日も稽古前にしっかりおさらいしよう!

周りの仲間や先輩がたもいろいろおっしゃって下さるのが何よりも有難い薬。手前勝手にならないようにブレーキをかけつつも、一生懸命さだけは少なくとも伝えたい。そのうえで、お芝居としての面白さや、役の心をしっかり伝えられたら、こんな嬉しいことはないのですが。

不安だらけですが今日はもう寝ます。ゆっくり休んで体力を回復し、明日また新しい気持ちで取り組みます。