梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

No.1 『合同公演』とは?

2007年07月01日 | 芝居
『稚魚の会 歌舞伎会 合同公演』は今年で13回目を迎えます。

国立劇場におきまして、昭和45年に始まった<歌舞伎俳優研修>の第1期修了生が、昭和47年に国立劇場での<青年歌舞伎祭>に参加、『絵本大功記』『吉野山』を上演したのが<稚魚の会>の第1回。以来<稚魚の会>は、代々の研修終了生による同人制をしき、会を運営してまいりました。

一方、昭和53年、国立劇場主催の<歌舞伎俳優既成者研修発表会>開催にあたり、参加者たちが作ったのが<歌舞伎会>で、これは研修修了生以外の俳優も多数参加、<稚魚の会>同人も含む一般の名題俳優、名題下俳優を中心とした人々で構成されております。

両会は発足から10余年、単独公演を続けておりましたが、昭和53年はじめて一緒に公演を行いました。これが《合同公演》の第1回目。『義経千本桜』を、Aプロ・Bプロで場割りを変えての通し上演でございました。
それから平成2年に第2回、平成5年に第3回、平成8年に第4回と、隔年で合同公演を行ってまいりましたが、平成11年の第5回からは、毎年合同での公演となっております。
これまでに合同公演で上演した演目では、『菅原伝授手習鑑』、『鳴神不動北山桜』、『伽羅先代萩』、『新皿屋舗月雨暈』、『盲長屋梅加賀鳶』といった多幕物の<通し狂言>が多く、これもひとえに、両会合同により、より多くの出演俳優を得ることができたからだと申せましょう。

その他、芝居では『壽曾我対面』『伊勢音頭恋寝刃』『弁慶上使』『野崎村』、踊りでは『勢獅子』『双面』『連獅子』と、我々若手中堅にとってまさしく<勉強>となる古典演目に挑戦し続けてまいりました。
国立劇場で2年間(18期から3年間)の研修を経て芝居に入った者も、ストレートに歌舞伎の世界に飛び込んだ者も、分け隔てなく、お互い汗を流しあう夏の勉強会。これが現在の《合同公演》の姿だと申せましょう。

私もこの合同公演では『団子売』『双面』『本朝廿四孝 十種香』『修禅寺物語』と、数々の貴重な勉強をさせて頂きました。こうした機会が毎年必ず行われるということは、実は大変なことなんです。有り難みを忘れぬよう、心して稽古に励み、実行委員の1人としても、より充実した会にできるよう、精一杯努力いたします!

そんなこんなで『合同公演』、11時からの部と6時からの部はお席に<余裕あり>。どうぞ皆様“みんなで”いらして下さいね!!