梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

No.2 《3部制》になって

2007年07月03日 | 芝居
今回の合同公演は、初の《3部制》。
1日に、それぞれ11時・14時半・18時開演の3回公演という興行形態は、今でこそ、歌舞伎座の8月納涼歌舞伎や、国立劇場での人形浄瑠璃文楽公演ではお馴染みになってまいりましたが、勉強会をこのやり方で上演するということにつきましては、我々参加者一同も大いに議論し、知恵を出し合いました。

さて、ともあれ3部制に挑戦する本年ですが、おかげさまで皆様には好意的に受け止めて頂いているようです。1部ごとの上演時間が短くなり、食事休憩の時間を入れても“3時間以内”に終わるということは、映画を1本予告編から観るのとさして変わりませんよね? 歌舞伎とは何の関係もない友人から「歌舞伎の公演って、どうしてあんなに時間が長いの? 疲れちゃうよ」と言われて敬遠されていた私など、ときにはこういう、気軽に来られる歌舞伎芝居があってもよいと思っておりましたので、こういう機会にどんどん歌舞伎初体験をして頂きたいと思っているのです。

それから、18時開演の部なら、<お勤め帰りにも立ち寄れる>ということも、大きいメリットでしょう。現に後輩の役者から、「18時の回ができたんで、友人に勧めやすくなりましたよ」という声も聞いています。21時前には終演する予定ですし、24日(金曜日)の夜など、お仕事帰りにいらっしゃってみては如何でしょう?

出演する側からしても、各俳優が3つに別れた結果、より勉強になるお役を演じる機会が増えました。おかげで若手も十分に活躍できることになったわけですし、3部制がもたらすメリットは、けして少なくはないと思います。
もちろん、実際公演を行ってみてからでないとわからないことばかりだと思いますし、それは良い面も悪い面も、両方なのだとは思います。
しかし、ともかくやってみなけりゃ始まらない! これを踏み台にして、来年からの公演を考えてゆけば良いのですからね。
もちろんお客様にご迷惑をかけることがあってはならないのは当たり前ですが。
なによりもまず、皆様に喜んで頂ける舞台を作りたい! 参加者一同共通の思いでございます。