「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2

6年半ご愛顧いただいた『太陽にほえろ!当直室』(since2002年5月)復活ブログ、引っ越しました。(2014年7月)

「ザ・ボス」/ボンの本性?

2014-06-21 16:14:28 | ファミ劇日誌
本日のファミ劇・ボン&ロッキー編は、名作と衝撃作・・・

第355話 54.05.18 ボス (ボス・チーム)

ゲスト:北村和夫
    睦五郎
    三浦真弓
 井上博一 久米明
 汐路章 遠藤征慈 中田博久
 水谷貞雄 平沢公太郎 和沢昌治 澤木慶瑞 勝野勝 岡崎夏子 古田千鶴 柿沢邦彦
                                        
脚本:鎌田敏夫
監督:竹林進

ある日、ボスは死刑囚の坂田からぜひ会って欲しいと云われ、面会に出かけた。
坂田は8年前、一家四人を皆殺しにした凶悪犯で彼を逮捕したのがボスだった。
坂田は、共犯で10年の刑が確定している大村は無実だから助けてやってほしいとボスに懇願した。坂田を取り調べたのはボスの先輩刑事・杉山だった。杉山は犯人複数説を唱え、その為強引に大村を共犯に仕立て上げたと坂田は告白するものの、半信半疑のボスはまず杉山に面会した。
杉山とのやり取りで、大村の共犯説に疑いを持ったボスは、過去の事件でしかも権限外の仕事を勤務中に行うわけにはいかず、休暇届を出して事件の真相解明に挑んだ。
当然のごとくボスには様々な圧力がかかってきたが、ボスはそれに屈することなくまず、事件のあった8年前の11月1日の夜に大村が女と飲み屋に来たと証言し、のちに2日の夜に訂正した飲み屋のおやじにあたった。さらに当時、大村の女だったキャバレー勤めのよし江に事情を聞くが、なぜかこの二人とも真実を語ろうとはしなかった。
ボスの捜査に一係の刑事たちは勤務時間外か休暇をとって協力、最初は難色を示していた山さんは言葉とは裏腹に調べを進めていた。
そんな時、ボスの先輩である本庁の岩淵から呼び出され、ボスを本庁に呼びたい旨を伝える。しかし代わりに坂田事件から手を引くよう暗に匂わせた。
やがて山さんの調べで、叩き上げの杉山は、エリートで自分より若い磯部刑事が犯人単独説を唱えたのに対抗して、意地でも犯人複数説を証明すると息巻いていた事実が判った。
そして、飲み屋のおやじもよし江も杉山に弱みを握られていることが判った・・・。

鎌田敏夫さんの太陽最終作、なので太陽の最終回がこの作品であっても・・・・かなり説得力のある内容になっています。
自分が逮捕した男が共犯については無実だと今更ながら云われたボスが、1%でも無実の可能性があればそれは捜査しなければならないという信念に基づき、様々な弊害を乗り越えながら、真実を見つけ出します。しかし、その真実も立場によっては逆に弊害になる。信念を貫いて、間違いを訂正する難しさ、その信念に賭けるボスだからこそエリートコースから外れているというのを暗に提示する脚本は鎌田さんご自身が裕次郎さんのファンというところもありますが、ボスというキャラクターをここで提示し、深く理解し、もっと言えば愛しているようにも感じるところがあると思います。
それに加えて、実際に主演編を執筆なさったことのある、山さん・ゴリさん・殿下、それに長さんの「配置」が絶妙によく、なにかじんわりと温かくなる感じがします。
そういう、色々な要素が入り混じったストーリーの中で、ゲストもかなり豪華な布陣となっており、芸達者揃いで、そちらの方にも目を奪われます。
派手なアクションがあるわけではないですが、ボスを語る上では外せない名作であると思います。


第356話 54.05.25 制服を狙え!(ボン)

セミレギュラー:横谷雄二(カメオ初登場)

ゲスト:井上高志 多宮建二
 小笠原弘 小倉雄三 北川陽一郎
 竹田光裕 松尾文人 鈴木恒 久保田鉄男 生沢雄史 乃母一平 宍原正義 義達勉 

脚本:杉村のぼる  小川英 原隆仁
監督:竹林進


非番でぶらぶらしていたボンは偶然、常東銀行の非常ベルが鳴ったと聞き、現場へ駆けつけた。
ところがその現場には既に2名の制服警官が駆けつけており、その1人は非常ベルの故障だとボンに報告してパトカーで去って行った。
しかし、非常ベルは本物で、あの制服警官が強盗犯人であるとすぐわかり、ボンはタクシーを拾って例のパトカーを追ったが、犯人の巧みな運転技術、さらにパトカーが本物であったために、ボンとボスとの交信が全部キャッチされて逃げられてしまった。
被害額は二億円、唯一の手がかりは犯人が威嚇射撃したときの弾丸だった。
一係では、犯人の中に車のスタントマンがいるらしいこと、警官の制服を利用していたということから、撮影所関係を徹底的に洗うことにした。
しかしボンは犯人の顔を見ていることから、犯人逮捕は時間の問題だと思われたが、捜査を進めるボンの様子がおかしい・・・どうやら制服に気を取られ犯人の顔が思い出せない・・・。
撮影所関係の捜査から、警官の衣装が2組盗まれていたことがわかり、14名のスタントマンのリストアップが完了し、地味な捜査が始まった。一人ひとりに当たるボンだったが、やはり犯人の顔は思い出せない。そんな時、ゴリさんが強盗犯と同じ拳銃を持った佐野という売人を逮捕、彼の証言で、スタントマンの一人・浜田が拳銃を買っていることが判り、浜田を逮捕したが、共犯については自白しない。しかもその浜田が七曲署内のトイレで殺されてしまう。
署内を捜索したボンは、目の前で白バイが走り去ろうとしたのを呼び止めたが、無視して走り去った。ボンは猛然と白バイを追ったが・・・。

殉職へのカウントダウンも始まり、報道的にも盛り上がってきたころのボン絶体絶命編、これほどの怪我を負うボンも珍しいですが、何気に殺意をむき出しにするボンも珍しいです。
これは、長くボン編を執筆なさっている杉村さんの技でもあると思いますが、ボンファンにとってはいろいろとたまらない要素が散りばめられております。
ただ、ボンの声が嗄れ気味なのは(二日酔い?)ご愛嬌です(^_^;)
制服というものの特性(というか匿名性)を逆手に取った犯罪と、それ故難なく犯罪を遂行する主犯にボンの怒りが爆発します。

今回は自動車事業部諸兄にも見どころ満載で、ブルーバードU白パト初登場にして片輪走行、ゴリさんのテーマをBGMに激走するハコスカ覆面車、そして大破(ギャランHTとサメサニーを台座にし)、炎上という見せ場もあります。
というよりも、一瞬火だるまになってしまうボンの方が・・・ということになると思いますが(^_^;)

後の吉野巡査、横谷さんがラストに登場しますが、あれは恐らくカメオ出演だったと思います。(レギュラーの『俺たちは天使だ!』は放送中)
ただ、これが縁でセミレギュラー入り(この時も『俺天』は放送中)したことは間違いないと思います。

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