隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

街歩き 第10回 『迎賓館赤坂離宮』

2013年08月30日 | まち歩き

隊長の地元:東京都文京区内や近隣を散歩する「街歩き」シリーズの第10回は、『迎賓館赤坂離宮』をお送りします。

 

東京都港区元赤坂にある『迎賓館赤坂離宮』は、かつて紀州徳川家の江戸中屋敷があった広大な敷地の一部に、明治42年 (1909) に東宮御所(後に赤坂離宮となる)として建設されました。


 

Dsc_0204

【迎賓館正門・塀】

 

当時日本の一流建築家や美術工芸家が総力を挙げて建設した、日本における唯一のネオ・バロック様式の洋風建築物です。

 

設計は、日本政府の要請により来日したイギリス人建築家 ジョサイア・コンドル(Josiah Conder)の最初の教え子の一人・片山東熊(とうくま)です。

 

片山は、伊勢神宮「徴古館」 を手掛けたことでも、知られています。

 

戦後、わが国が国際社会へ復帰し、国際関係が緊密化してゆくなかで外国の賓客を迎えることが多くなったため、「旧赤坂離宮」を改修して迎賓館とすることになりました。

 

昭和49年 (1974) の開館以来、世界各国の国王、大統領、首相などの国賓、公賓がこの迎賓館に宿泊し、政財学界要人との会談やレセプション、天皇皇后両陛下によるご訪問など華々しい外交活動の舞台となっております。

 

また、過去3回の先進国首脳会議や日本・東南アジア諸国連合特別首脳会議(平成15年)などの重要な国際会議の会場としても使用されています。

 

この『迎賓館赤坂離宮』は、毎年10日間だけ一般公開されます。

 

今年は、8月22日~31日に公開されました。

 

隊長は、事前申込みの抽選に当たり、8月26日 (月) に見学に行って来ました。

 

『迎賓館赤坂離宮』は、JR 及び地下鉄「四ツ谷駅」から徒歩約7分です。

 

四ツ谷駅前交差点」の角にある会社に、2年半通勤していたので、『迎賓館』の正面は、毎日の様に眺めていました。

 

2011年3月11日の東北大地震の際には、会社にいて、『迎賓館』の正門前の広場に社員全員が、地震が収まるまで避難していたこともありました。

 

Dsc_0202
【3・11に避難した迎賓館正門前の広場】

 

一般公開の入場は、正門ではなく、明治神宮外苑に繋がる、「安珍坂」手前の西門入口からです。

 

さすが、国賓や皇族が来られる迎賓館、入場のセキュリティチェックは厳しく、本人確認の為の運転免許書等のチェック、手荷物検査、ボディチェックがありました。

 

いよいよ、迎賓館正面の右側の入口より館内の見学です。

 

館内で見学出来るのは、2階にある4つの広間だけです。

 

最初は、「彩蘭 (さいらん) の間」。

 

Gei0909_5



「彩鸞の間」という名は、左右の大きな鏡の上とねずみ色の大理石で造られた暖炉の両脇に「鸞」(らん)と呼ばれる、霊鳥をデザインした金色の浮彫りがあることに、由来します。

 

白い天井と壁は金箔が施された石膏の浮彫りで装飾され、10枚の鏡が部屋を広く見せています。

 

次に見学したのは、「花鳥の間」です。

 

Gei0911

 

「花鳥 (かちょう) の間」という名は、天井に描かれた36枚の油絵や、欄間に張られた錦綴織、壁面に飾られた30枚の楕円形の七宝などに花や鳥が描かれていることに由来します。

 

周囲の腰壁は茶褐色のシオジ材で板張りしてあり、その壁の中段を飾るのが七宝です。

 

下絵は日本画家の渡辺省亭が描き、明治期の七宝焼の天才・涛川惣助が焼いたものです。

 

その次は、「中央階段」です。

 

Gei0906

 

2階大ホールから見下ろす「中央階段」の床には、イタリア産の大理石が張られ、その上に赤じゅうたんが敷きつめられています。

 

階段の左右の壁には、フランス産の大理石が鏡張りされています。

 

また、欄干はフランス産の大理石であり、その上に8基の黄金色の大燭台が置かれています。

 

この「中央階段」は、何故か、『シンデレラ のお話の中で、お城での舞踊会が終わり、シンデレラが魔法がとけないうちにと急いで降りて、ガラスの靴を忘れてしまう階段の様に思えました。

 

次は、「朝日の間」の見学です

 

Gei0913_2

 

 「朝日の間」という名は、天井に描かれた「朝日を背にして女神が香車を走らせている姿」の絵に由来します。

 

周囲の16本の円柱は、ノルウェー産の大理石です。

 

壁には、京都西陣の金華山織の美術織物が張られ、床には、紫色を基調とした47種類の糸を使い分けて桜花を織り出した緞通が敷かれています。

 

館内見学の最後は、「羽衣の間」です。

 

Gei0915

 

「羽衣の間」という名は、謡曲の「羽衣」の景趣を描いた300平米の曲面画法による大絵画が、天井に描かれていることに由来します。

 

3基のシャンデリアは迎賓館で最も豪華なもので、およそ7,000個もの部品で組み立てられており、高さは約3メートル、重さは約800キログラムであり、壁は楽器、楽譜等をあしらった石膏の浮彫りで飾られています。

 

また、正面の中2階はオーケストラ・ボックスとなっており、かつて、この部屋が舞踏会場として設計されたことが偲ばれます。

 

館内見学が終わると、南面の主庭に出ます。

 

Dsc_0179

【南面・主庭】

 

ここは、外からは見られない場所で、大噴水があります。

 

Dsc_0185
【南面・噴水】

 

大噴水からは、勢いよく水が吹き出ていました。

 

Dsc_0181

 

最後は、正面に回り、迎賓館全体の外観を楽しむ事が出来ます。

 

Dsc_0188
【迎賓館正面】


正面中央には、バルコニーのついた玄関があります。

 

緑青の屋根には、日本の甲冑を形どった装飾が左右対称をなし、中央部には菊の紋章が飾られています。

 

こうして、滅多に中に入れない『迎賓館赤坂離宮』を見学出来て、大満足でした。

 

尚、『迎賓館赤坂離宮』の動画は、こちらでご覧いただけます

 

注)迎賓館内はセキュリティ上の理由で撮影は厳禁です。館内の画像は内閣府のHPより転載しました。

 

2016/3/24 追記:『迎賓館赤坂離宮』は、これまで毎年夏に10日間だけ一般公開されていましたが、今年の4月以降は国外からのお客様をお迎えするのに支障のない範囲で、可能な限り通年公開を実施するそうです。詳細は、内閣府のHPをご覧下さい。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ブログ その48 『迎賓館赤坂... | トップ | テレビ Vol.37 『木之元亮の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿