連・断・続の部屋  

捨てる過去など何もなく、日々の社会との繫がり、自己の活性化、整理のためにつぶやく。

健康診断は有益?有害?

2007-01-27 13:54:55 | 健康・病気

学校、職場、自治体で健康診断が行われる。

異常通知を受けて受診される”患者さん”は、青天の霹靂でかなり深刻な精神状況であるようにみえる。しかし、多くの人は、基準値のずれが誤差の範囲内である例が多い。

血清鉄が、基準値より ”1”少なかっただけの例は、慨嘆仕切りであった。

当院に、健康診断で異常を指摘されて受診してくる内容で、大変なのは

正常範囲内をわずかに逸脱しているデータで、症状が皆無なときで、考えられる疾病を除外するために多くの検査を要することです。

軽度の赤血球増多は、骨髄増殖性疾患の診断基準を満たすか否かで診断確定手順は明確ですが、副腎腫瘍、呼吸器疾患、循環器疾患の除外はどこまでにするか?!

白血球増多もやっかいなものです。慢性骨髄性白血病を筆頭とした血液疾患を考え、

慢性感染症を考え、多くは禁煙1ヶ月後に再度検査をして軽快しているので、喫煙が原因と考えられる症例が圧倒的です。

健診は、有益?有害?甲乙つけがたいです。異常を指摘さレ、不安を抱えて受診されるので、除外診断に”乏しい”医療費を消費しているのは確かです。

仙台血液疾患のHPに掲載しましたが、遺伝性球状赤血球症で摘脾手術後の症例が、ヘモグロビンが17.4g/dl、赤血球数534万、白血球9400、血小板34万という症例が健診で異常ということで受診されました。まず、摘脾したことを話さず、胆石で手術したということから既往を聞き出して判明したのですが、摘脾術後、これで問題はなくなったといわれたから、話さなかったし健診でももちろん記載しなかったとうことです。記載したらば、基準内となり受診しない状況になったかどうかは、疑問が残るところです。

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忘れられない患者:

2007-01-27 08:32:08 | 血液専門医宇塚善郎

仙台血液疾患センターの朝礼で院長宇塚善郎先生が話されたのは、30年以上前の慢性骨髄性白血病(CML)の患者の話である。

30年以上前CMLは、数年で急性転化をきたして、必ず死ぬ時代であった。

一見は元気でありながら、数年後には死ぬという現実に立ち向かうために、働き盛りで妻子を養っていた件の患者は、死後妻が収入の道を得るために、専門学校で学ばせ確実な生活手段を獲得させ、キリスト教に救いを求め入信し、最期へ着々と計画を実現させていき、死の床に牧師を迎えた後に、息絶えるまで死にたくないと叫び続け、忘れられない人となったという。

バッハによるマタイ受難曲の1節

いつの日にか 死の訪れん時

主よ 我を離れたもうな

我 死に苦しまんとき みすがたを現したまえ

我 いたく憂えるとき なんじの苦悩をもって我を救い出したまえ

を引いて、死が目前に迫ったときの人の心の葛藤の強さ、生への渇望の根源はなんなのかと考えざるをえない。自分はどうするんだろうか、皆目見当がつかないが、それはそれが人生と。

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