6日のNHKのクローズアップ現代と、毎日の重篤な患者を診療対象としている医師の立場からの要約が、本日のタイトルです。
TVの内容は、予防に努め、医療費は大幅に減少したが、自治体の財政が逼迫して、施策を中止せざるを得ない。健康で総支出は減額されても、出すところと、出さない末端組織は異なる矛盾の露呈。
医療現場の、医療保険にも予防投与ということはご法度です。保健請求をしても、支払ってくれず、病院側が泣きを見るの現実があります。
高度の好中球減少でも、感染症が発症したという事実が無いかぎり、2つの抗生物質のみが長い医療サイドの努力で認められただけです。好中球500以下になって、感染症が起きたら生死に関わる状態になりかねないし、白血病では急激に減少することは日常茶飯事で、しかも個人差が大きいのです。G-CSFという高額な好中球を増加させる薬剤があります。医療費抑制のために、末梢血検査を行って、使用期間を1日でも短くしようと、頻回な検査を行っても支払ってもらえません。血小板減少に伴う出血の可能性があっても、出血傾向がなければ認められません。そのために、医学的根拠のある出血傾向を示す検査をしても、回数が多いとそれだけで、支払ってくれない回数が増えます。治療に伴って、10万以上の血小板数が1万以下になることはざらにあるので、末梢血液検査を根拠にして高額の医療費がかかる血小板輸血を必要最小限に最大限の効果を挙げるよう努力の証としての末梢血液検査なのにです。